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#5 鏡の世界
ザウルス寮に向かうとじゃぱぱさんの部屋からゆあんくんが出てきた
目がガン開きになっていて、その瞳からは雫が零れていた
🐑「ゆあんくん!?どうしたの!!」
俺は急いで駆け寄ってゆあんくんの肩に手を置く
ぼーっとしていたゆあんくんがゆっくりとこちらを見る
🍗「…ヒロ、くん」
🐑「何があったの…?」
🍗「俺…俺、、」
まともに話せるような様子じゃなかった
何かがあった
それはきっとゆあんくんの心を抉るような何かなんだろう
だって、ゆあんくんは…、
凄く、傷ついたような顔をしていたから
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リビングに全員が集まりゆあんくんの傍に駆け寄る
🍪「大丈夫ですか…?」
🍗「…うん、ごめん落ち着いた」
さっきと比べると顔色も良くなり、
会話もしっかりできる状態になっていた
👓「…何があったか教えてくれる?」
俺はゆあんくんにそう問いかけた
ゆあんくんは目を細めて辛そうな顔をしたが、
ため息をついてぽつりと呟いた
🍗「忘れられたんだ、俺」
🌷「な…っ、!?」
全員が言葉を無くして固まる
じゃっぴの記憶からゆあんくんという存在が消えた
たった数日の間にじゃっぴの記憶が失われていっている
その事実を唐突に突きつけられた
🍗「分からないって言われたよ」
🍗「敬語使ってきたから、不審に思ったんだ…」
🍗「それで、俺の名前、分かるかって…聞いて…っ」
⚡「もうええ」
たっつんが言葉を遮り、ゆあんくんの隣に座った
⚡「つらかったな」
頭を撫でながら優しく微笑むたっつん
ゆあんくんの目から涙が溢れ出てきた
🍗「…っ、うぅ…っ…ポロッ」
🍗「あぁ…っ、グスッ…っああぁぁ…ポロッ」
俺たちにとっても大切なリーダー
バカで適当でヘタレだけど、
それでも俺たちにとっては頼りがいのあるかっこいいリーダーだ
🦖『いくぞからぴちぃぃ!!!!』
あの時の元気な彼が、
🦖『あの…、ごめんなさい…』
弱くか細い声を発していて
胸が張り裂けそうだった
🐸「…誰なんだよ」
🐸「じゃぱさんの記憶奪ってんの、一体誰なんだ…っ」
怒りのこもったシヴァさんの声、
全員の目には涙が溜まっていた
それでも、決意を感じられた
🎸「俺らが動かなくてどうするよ」
🎸「助けようぜ、じゃぱさんを」
全員が頷き笑顔になる
🦊「じゃっぴの記憶は簡単には消えたりしないよ」
🦊「俺たちがいたら絶対忘れたりしたいから!!」
🍫「だよね!!簡単に忘れられちゃ困るんだよ!!」
微かな希望を胸に、じゃっぴの部屋に向かう
❄「そういえばゆあんくん、何かじゃぱぱさんの部屋で変わったことはありませんでしたか?」
🍗「え、変わったこと?」
❄「些細なことでもなんでもいいんです」
ゆあんくんが腕を組みながらむむむ…と考えていると、
突然ハッとした表情を見せた
🍗「…鏡」
👓「鏡?」
🍗「一瞬、誰かが映った気がするんだ」
🍗「青っぽい髪の…誰かが」
青髪と聞くとなおきりさんやるなさんを思い浮かべるけれど、
🌷「僕じゃないですよ、僕はリビングの方にいました」
❄「るなも医務室に…」
🍪「そうですよね…」
⚡「それが怪しいな」
全員で急いでじゃっぴの部屋に向かった
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🌷「…開けますよ」
なおきりさんがそう言って、
じゃぱぱさんの部屋の扉を開ける
🎸「は…!?」
足が止まった
部屋の中が物凄く荒らされていたからだ
本や小物は床に散乱し、
花瓶やコップは割れていた
🍗「…じゃぱぱ?」
ゆあんくんがそう問いかけても返事はない
どこにもいなかった
❄「そんな…一体どこに!?」
記憶を失いかけているじゃぱぱさんが突然どこかに行くなんてことないと思う
だとしたら、一体どこに消えてしまったの?
ふと頭の中をよぎった声
🍗『…鏡』
🍗『一瞬、誰かが映った気がするんだ』
まさかとは思った
🍪「…この中にいるんじゃ、」
私が指さしたのは部屋の隅にある全身鏡
もしその青髪の何者かがじゃぱぱさんを鏡の中に連れ込んだなら、
🐸「いや、そんな訳……あるのか、?」
👓「ゆあんくんが誰かを見たんだ」
👓「もしかしたら…」
恐る恐る鏡に近づいてみた
その瞬間、
パァァァァァァァ
🍪「きゃっ!?!?」
🐑「ぇえなになに!?!?」
鏡が突然光り出した
その光はまるで私たちを誘うようだった
🍗「…行こう」
🍗「じゃぱぱを助けに」
全員で頷き、鏡に向かって手を伸ばした
辺りが光に包まれて私たちは意識を失った
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目が覚めると、真っ暗だった
何も見えない
何も感じない
🦖「ここ、は…?」
立ち上がろうとすると冷たいものが手足にまとわりつくのを感じた
どうやら俺の手足は鎖かなにかで縛られているらしい
ここは一体どこなんだ
俺は、さっきまで何を…
そんなことを考えていると遠くに光が見えた
あれは、誰だ…?
松明を持った小さな少女
何故か分からないがどこか俺に似ていた
?「…目が覚めたんだね」
か細い声で囁く彼女に胸が痛くなる
どうして?なんで俺はこの子に同情しているんだ?
よく分からない感情を抱き、変な感じになる
🦖「君は誰なの…?ここは、一体…」
そう聞くと彼女は無表情のまま答えた
💚「私、ココロ」
💚「ここはあなたの胸の中」
💚「心だよ」
よく分からない場所を言われて首を傾げる
胸の中?心?
🦖「ここが俺の心の中…ってこと、?」
💚「うん」
彼女は頷き、俺に近づいてきた
懐かしいような感覚が俺を襲う
彼女は俺に抱きつくようにして言った
💚「あなたは、1人じゃ何も出来ない」
💚「だってあなたは____。」
その一言に核心を突かれた気分になった
口が開いたまま固まり、声が出なかった
どうして、
どうしてこの子は
💚「あなたを助けにもうすぐ来るよ」
💚「あなたの、《《大切だった》》人達が」
🦖「大切だった…って、なんで、過去形なの、?」
そう聞くと、彼女はつらそうな悲しそうな目をして言った
💚「あなたはもう、忘れているから」
💚「仲間も、思い出も」
💚「次は…約束の番」
💚「それを忘れたらあなたは、」
💚「この世界に…ずっと閉じ込められる」
おつなこ!!!