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エレクロ 本編 第20話「詠う少女は風の聲吹く夢を見る」
2期エレクロOP曲
➔https://d.kuku.lu/mjwm7csuf
※イヤホン推奨※
※フルで約3分半あります※
**本編 第20話「詠う少女は風の聲吹く夢を見る」**
____主な登場人物たち_____
レッド・フレイア
レイラ・アクランド
??・??
???
_________________
カラミティアルランドの奥深く。観光客の喧騒から離れた森林は、
まるで世界から切り離されたように静まり返っていた。
鳥の声も、風のざわめきもない。ただ、深い緑と影が沈黙を抱え込んでいる。
その静寂の中心で、ひとりの女が立っていた。
?R「それじゃ、始めましょうかね__ 」
そして女が両手を広げると、
霧がふわりと舞い上がり、空を覆うように広がっていく。
それはまるで――
現実そのものを塗り替えるかのような、不穏な気配だった。
霧は音もなく降り積もり、森林の輪郭をゆっくりと侵食していく。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
観光祭の準備開始から約2時間。
全グループの準備が整い、ついに開幕の時が訪れた。
レッド「よーし! やっと終わった〜。本格的に始まる前にどんどん作るぞ〜!」
班員A&B「おー!!」
レイラ「うぉぉぉー!!!」
レッドたちの班は焼きそば担当。
このリゾート地では人気のグルメらしく、開始前から期待が高い。
先生「それでは! 観光祭、開幕です! 思いっきり盛り上げましょう!」
アナウンスや広告にも情報が流れ、
カラミティアルランド中に観光祭の知らせが広がっていく。
観光客A「高校生のイベントだって!」
観光客B「楽しそう〜!」
観光客C「行ってみよ!」
開始から間もなく、会場は人で溢れ返った。
どの出店も行列ができ、笑い声が絶えない。
それは、自然すらも楽しげに揺れているようだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
レッドたちの焼きそばも大盛況。
班員A「レイラ〜! 焼きそば3つだって〜!」
レイラ「うん! 一気に仕上げちゃうから任せて〜!」
レイラは髪を揺らしながら、鉄板の上でリズムよくヘラを動かす。
湯気がふわりと立ち上がり、ソースの香りが風に乗って広がっていく。
班員B「すごい勢いなのに全然疲れてるように見えない....」
レイラ「どんどん置いてくよ〜! レッド取ってって〜!」
レッド「あいよー! 焼きそば3つです!」
観光客D「ありがとうございます!」
観光客E「ねぇ、あの女の子が作る焼きそばの方がおいしい〜」
観光客F「確かに....」
レイラ「(=^▿^=)☆彡」
そしてレッドに調理担当を交代し、レイラが接客に立つ。
そんな中、制服姿の少女がやってきた。
??「あのっ....次、大丈夫でしょうか....!」
レイラが振り返ると――
そこに立っていたのは、透き通るような瞳を持つ美しい少女だった。
レイラ「ほ、ほぉ〜....」
レイラは思わず息を呑んだ。光をまとったような透明感。
肩のあたりで揺れる髪は丁寧に束ねられ、瞳は湖面のように澄んでいる。
??「えっ、ど....どうかしました?」
少女が不安そうに眉を寄せると、レイラは慌てて手をぶんぶん振った。
レイラ「あ、いや! お空が綺麗だなーって!」
??「あ、あはは....」
レイラ「もしかして、高校生?」
??「うん、16歳だよっ」
すると、レイラの顔がぱぁっと明るくなる。
レイラ「えぇ!? 同い年じゃーん!」
??「そうなんだ!」
レイラ「よかったら、名前聞いてもいい?」
??「うん! 私は**『エルナ・エヴァレット』** あなたは?」
レイラ「レイラだよ! レイラ・アクランド!」
エルナ「レイラちゃん、いい名前だねっ!」
レイラ「ありがとー!」
レッド「おーい、もう出来てるぞー」
レイラ「あっ、忘れてた! はい、どうぞ!」
エルナ「ありがとうございます!」
エルナが去っていく背中を見送りながら、レッドが横目でレイラを見る。
レッド「随分と長話してたけど、何かあったのか?」
レイラ「すっごいかわいい子来てた! キラキラパァー!」
レッド「あのエルナって子か?」
レイラ「そう! また会って連絡先交換したい!」
レッド「初対面だぞ....?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
エルナは焼きそばを食べながら、リゾート地を散策していた。
エルナ「おいしい〜! あの人たち、同い年なんてすごいな〜」
そして、とある人通りの少ない森林エリアへ足を運ぶと――
?「キャァァァーッ!!」
エルナ「....女の人の悲鳴....?」
急いで声の方向へ走る。
すると霧のようなものが立ち込め、視界がどんどん暗くなる。
エルナ「....見えない....でも、この辺りのはず....!」
霧を抜けると、開けた場所に出た。
そこには、頭を抱えて震える少女がいた。
?「う、ううぅ....」
エルナ「大丈夫!? はぐれちゃったの?」
?「あ....でも、後ろ....後ろ....っ」
エルナ「後ろ?」
振り返った瞬間――エルナは息を呑んだ。
そこにいたのは、この世界のどこにも存在しないはずの獣らしき影。
その獣は、霧の中から滲み出るように姿を現した。
毛並みは風もないのにざわりと逆立つ。
まるで生きた影が形を持ったかのようだった。
瞳は深い闇の底で光る二つの灯火。
その奥には、獣の本能ではなく――
もっと別の、冷たい“意志”が潜んでいる。
獣「....rrrr....Garrrr」
口元から漏れる低い唸り声は、地面を震わせるほど重く、
聞くだけで心臓を掴まれるような圧があった。
そして足を踏み出すその一歩一歩が、まるで空気そのものを押し潰していく。
エルナは反射的に少女を庇った。
膝を落とし、両手を広げ、自分の体で盾を作るように。
エルナ「....っぐ、初めて会って申し訳ないけど、
人が怖がってるんだ。だから....帰って....」
声は震えていた。
だが、それはまっすぐに静かで、強かった。
獣「....ahh....? ....Gurrrrr....」
獣はエルナを見つめ返す。
その瞳に映るのは、恐怖でも敵意でもなく――値踏みだった。
10分ほど睨み合いが続いた。時間の感覚が歪むほどの緊張。
やがて獣は観念したように背を向け、霧の中へと消えていく。
その姿は、まるで空気に溶けるように、
輪郭を失いながら消滅した。
エルナ「....行った、かな....? よかった〜」
?「怖かった....ありがとう....」
エルナ「あなたの名前は?」
?「....っう、**『フラン』**....」
エルナ「観光に来たの?」
フラン「....うん....16歳....1人で....」
エルナ「同い年!? 最近多いな〜!」
フラン「え....?」
エルナ「だったら、一緒に回らない? 行きたいところあるんだ〜」
フラン「....いいの?」
エルナ「もちろん! 行こっ!」
そして2人は手を繋ぎ、霧の森林を後にした。
だが――森林を覆う霧はまだ、消えていなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
観光祭も落ち着いた頃、レッドたちは順番で休憩に入る。
今は、レッドとレイラが休憩に入った。
そして、他のグループたちの出し物を見て回っている。
レッド「どこも張り切ってるな〜」
レイラ「あ! そういえばもうすぐライブ始まるらしいよ!」
レッド「ライブ? あぁ、もしかしてあの班が用意した?」
レイラ「そそ! 一般参加型で色んな人が歌うんだって!」
レッド「おぉ、マジか」
レイラ「いこいこ!」
レッド「はいよ」
レッドたちは会場に向かい、そこは観客が集まり始めていた。
そして数分後、担当の司会が話し出す。
司会「続いては、私たちと同じ観光に来た女性の方です!」
観客「おぉ〜!」
その裏では――先程まで森林エリアにいた、エルナが準備をしていた。
フラン「ほんとに歌うの....? 人いっぱいだよ....?」
エルナ「いいのいいの! 一回やってみたかったんだ〜!」
準備係「それではエルナさん、いつでもどうぞ」
エルナ「はいっ....! じゃ、行ってくるね!」
ステージに立つエルナ。
そこにはレッドとレイラも観客席にいた。
レイラ「えっ、あの子、エルナちゃん....?」
レッド「エルナ....あぁ、確か....」
レイラ「さっきの焼きそばの子!」
レッド「あぁ、そりゃ楽しみだな」
昼下がりの小さなライブ会場は、天窓から差し込む光で満たされていた。
ステージの上には淡い金色の輪が浮かび、そこに立つ彼女の姿を柔らかく
照らしている。彼女は深く息を吸い込み、その瞳はどこか遠くを見つめていて、
まるでこの場所とは違う世界の扉を開こうとしているようだった。
そして、彼女は音もなく口を開く。
---
---
***光を探す声***
眠れぬ星が 空をさまよう
名前もないまま 朝を待ってる
誰かの夢を そっと照らして
消えそうな声で 呼びかけていた
触れた光が すぐに消えても
まだ探してる あなたの影を
胸の奥で 揺れる願いが
風にほどけて 空へ舞い上がる
わたしの声が 届くのなら
どうか あなたに 光を
迷う心に 寄り添うように
そっと そっと 触れたい
たとえ遠く離れていても
想いは空を渡っていく
あなたの明日が 曇らぬように
どうか どうか 光を
眠れぬ星が 空をさまよう
その隣には わたしがいるよ
声が届くと 信じられたら
きっと あなたに 光を
---
---
透明な声が、昼の光に溶けていく。
スピーカーから響く音よりも、彼女自身の声が空間を震わせているようだった。
観客たちは息を呑み、誰もがその歌に心を奪われていた。
歌い終わった瞬間、会場は静寂に包まれたまま動けずにいた。
光の粒がステージの上を漂い、まるで歌の余韻が形になったようだった。
やがて、ひとりの拍手が響き、それが波紋のように広がっていく。
そして彼女は小さく微笑み、深く一礼した。
司会「.....あ、ありがとうございました....!
それでは....次のパフォーマンスまで、しばらくお待ち下さい....!」
レッド「....あんな歌上手いんだな、あの子....」
レイラ「びっっくり! びっっくり! すごい!」
レッド「もっといい感想の1つや2つあるだろ」
レイラ「すごくてピカピカしてた!」
レッド「....語彙力よ....」
その後パフォーマンスを終え、エルナは会場裏へと戻っていく。
戻ったそこには、フランが口を押さえながら瞳を輝かせていた。
フラン「....す、すごいよ! あんな歌声が出せるなんて....その....!」
エルナ「ほんと....!? よかった〜」
フラン「....ね、そしたら....もっと別の場所行ってみようよ....?」
エルナ「うんっ!」
そして、2人は手を繋ぎながら弾むように会場を後にしていった。
**本編 第20話「詠う少女は風の聲吹く夢を見る」**
〜おまけ〜
作者
「よぉぉぉぉし! ようやく名を出しましたねエルナさん!!(((((( 」
エルナ
「ついに私もここの仲間入りするとはっ....!」
フラン
「....なんで、私も....?」
作者
「う〜ん、今のところエルナずっと近くにいるからついでに」
レッド
「ついでにってひどいな」
レイラ
「ここでもエルナちゃんに会えたー!!」
エルナ
「レイラちゃんだ〜! また会えたねっ」
作者
「....まぁ、改めてレイラのコミュ力がすごい、ってことがわかったよ」
レッド
「初対面のなのにどうしたらこんな仲良くなれるんだろ」
作者
「いやいや、あんたも学校で友達の量エグいじゃんか」
レッド
「 ( ゚∀゚)アレレ...!? 」