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1話 出会い
ねぇ神様、神様はなんですごいの?
うーん、ボクにも分からないや。
懐かしい記憶。
多分もう、数百年も昔の話。
今でも思い出す、楽しい日々。
もしも、また出会えるなら、それ以上に嬉しいことはきっともうないだろう_。
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数千年、ボクは村を守り見届けてきた。
そんなボク達の存在を、村の人は「神様」と呼ぶ。
ボクは村を見守るだけの生活にはとっくのとうに退屈していた。
だから偶に、人の姿に化けて村を歩いた。
人の姿で歩く地面は硬くて、何よりも強く感じ、見える景色は何もかもが自分より高く、好奇心をくすぐった。
新しい刺激に心が揺れて、楽しさのあまりよく出歩いた。
ある時、1人の少年に出会った。
少年は人の少ない山の麓で、腰を低くしていた。
ボクが近づくと、少年は驚いたようにボクを見て、口元に1つ指を立てた。
少年の足元には、怪我をして弱った一匹の猫がいた。
少年は猫を心配そうに見ながら話しかけてくる。
「この子、ケガして動けないみたいで…。
みんなにないしょで助けてあげられないかな?」
そんな少年を見て、ボクは協力しようと決めた。
近くにあった古い小屋に猫を移動させ、毎日一緒に餌をやった。
最初は歩くことさえ難しかった猫は、すっかりと歩けるようになり、少年によく擦り寄った。
対照的にボクには威嚇をして、よく手を噛んだ。
でも、猫のそんな姿がなんとも可愛くて、2人でいつも笑った。
猫が殆ど回復した時には、ボクは威嚇されなくなって、それが嬉しくて、猫を何度も撫でた。
そしたら猫に怒られて、何度も謝る事になった。