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私のお兄ちゃんは【国宝級イケメンアイドル】!?
ここなっつ
第5話:全校生徒がザワついた日
その日の昼休み、学校の廊下は異様な熱気に包まれていた。
「ねえ聞いた!? 朝、校門の前にヤバいイケメンがいたって!」
「見た見た! 黒髪のハーフっぽい人で、背が高くてモデルみたいだった!」
「JO1の碧海くんにめっちゃ似てない!? っていうか本人!?」
教室に戻るなり、女子生徒たちがスマホを片手に大騒ぎしている。
私は机に突っ伏したまま、心の中で頭を抱えた。
(……碧海にぃ、何やってんの、本当に……!)
今朝、私が家を出る時、碧海にぃはいつものポーカーフェイスで「今日、学校の近くで仕事あるから」と言っていた。まさか本当に学校の目の前まで来るとは思わないじゃん!
「ここな、大変だよ……!」
親友のりんかが息を切らせて教室に駆け込んできた。
「裏門の方にも、別のヤバいイケメンが目撃されてる! 金髪で、目がクリッとしてて、INIのフェンファンくんそっくりの人が本を読んでたって!」
(フェンファンにぃまで巻き込まれてるーーー!!)
どうやらお兄ちゃんたち、私が最近「学校で男子に話しかけられた」と家でポロッと言ったのを根に持っているらしい。「ここなに悪い虫がつかないか、俺たちが交代で見守る」とか言ってたけど、行動力がバグりすぎている。
さらに放課後、事態は最悪の方向に動いた。
「キャーーーーーーッ!!!」
校舎の窓から、割れんばかりの黄色い悲鳴が響き渡る。
何事かと私がりんかと一緒に下駄箱へ向かうと、校門の前に人だかりができていた。
人だかりの中心にいたのは、黒いキャップを被り、ラフなパーカーを着た3人組。
……西洸人、木村柾哉、そして松田迅だ。
変装しているつもりらしいが、スタイルの良さと顔の小ささ、そして隠しきれない王者のオーラで、女子生徒たちが完全にロックオンしている。
「嘘……マジでINIじゃん……!」「なんでウチの学校にいるの!?」
ざわざわとパニック寸前の全校生徒。
すると、人だかりを割って、迅にぃが私を見つけてぶんぶんと手を振った。
「あ! ここなーーーっ! お疲れー!」
(ストーーーップ!!! 名前呼ぶなぁぁぁ!!!)
一瞬で、全校生徒の視線が私に突き刺さる。
「え、3年のここなさん……?」「なんでINIが名前呼んでるの!?」と周囲がざわついたその時、りんかが最高のコンビネーションを発揮した。
「あ、アハハハ! ここな、ほら! あんたの親戚の『お兄さんたち』が迎えにきてくれたよ!!」
りんかの大声フォローに、柾哉にぃが「あ、そうそう! ここなの、い、従兄弟です!」と機転(?)を利かせて爽やかに微笑む。その笑顔に、周りの女子高生が3人ほどバタバタと倒れそうになっていた。
洸人にぃが私の荷物をひょいと持って、私の頭をポンポンと叩く。
「ほら、帰るぞ。みんな家で待ってるから」
「……うん(早くこの場から消え去りたい)」
全校生徒の羨望と驚愕の視線を浴びながら、私はお兄ちゃんたちの車へと逃げ込んだ。
車内に入ると、助手席の川西拓実と後部座席の藤牧京介が、スマホで学校の掲示板やSNSをチェックしていた。
「あ、ここなおかえり。見て、もうSNSに『ここなの学校の前にJO1とINIがいる』って書かれてんで(笑)」
「拓実くん、笑い事じゃないって。ここな、学校で変な男に絡まれなかった? 大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込んでくる京介にぃ。
「学校の男の子より、お兄ちゃんたちの方が100倍怖いから大丈夫だよ……」とため息をつくと、運転席の蓮にぃがミラー越しにふにゃっと笑った。
「あはは、ごめんねここな。でも、これで学校の男子も、ここなに簡単に近づけなくなったでしょ?」
過保護のレベルが世界クラスのお兄ちゃんたち。
翌日、学校で質問攻めに合うことは確定だけど……まぁ、これだけ最強の味方が守ってくれているなら、私の高校生活は(いろんな意味で)世界一安全かもしれない。
(第6話 へ続く)