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第六出動 ー お茶会 ー
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なんだかんだで、ばるばる達のセガミを断り、無事に今日を迎えることが出来た。
どうやらあの二体は、お茶会に参加するのをあきらめたらしい。
あいつらが何者なのか、僕にはわからないが、
そんなやつを魔法少女の本拠地ともいえるあの場所に連れて行くのも
どうかと思うのであきらめてくれてよかったと、心底思う。
今は、家から出てコビウリholdingsに近い駅へ向かうバスを待っているところだ。
ふと、そういえば手紙に開催される具体的な場所は何も書かれていなかったことを思い出す。
「まぁ、、とりあえず会社に行けばいいだろう」
そう思って、特に大きな不安もなくバスに乗車する。
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バスに揺られること20分弱。
バス停 「ルイナ駅」 に到着した。
そこから少し歩くと、近未来的な都市の、もっと先をいくような、
まるで宇宙空間にあるような大きな会社が見えてくる。
僕は魔法少女だから、入ってはいけない、なんてことはないというのに、
こんなに大きいと、なんだか悪いことをしている気分になって
やけに緊張する。
とりあえず、どこに行けばいいかもわからないので、ただ二つ、行く道を知っている
場所のうちの一つへ、向かってみる。
?? 「… 、 あれ? メガネさんじゃん どうしたの?」
すると、この間の依頼の時と同一人物とは思えないほど明るい声で
その人物は僕に話しかけてきた。
やはり、この人はこうこなくっちゃ、と心の中で思う。
彼女と、初めて会ったときは、少し怖いと感じたが、同い年ということもあり、
ため口で話すような中になれたのだ。
「こんにちは”マナ”さん」
「今日はお茶会に誘われてきたんだよ。」
そういうと、マナはそういうことか、というような顔になった。
マナ 「あ~なるほど、だから来てたんだね」
そして、パソコンに向かって依頼の整理だろうか?
何かの作業をしていたのにその手を止めてしまっていたことに気づいた。
「あ、ごめんなさい、邪魔しちゃって」
僕が謝ると、マナはとんでもないと言って、
顔を挙げてと言ってきた。
マナ「今は仕事じゃなくて、お茶会の打合せ的なのを社長としてたんだよ」
「こう見えても私、専務だからね」
なるほど、と思った。
それと同時に、邪魔になっていなくてよかった、とも。
「そういえば、お茶会ってどこでやるか知ってます?」
そう聞くと、マナはにっこりと笑ってこう言った。
マナ 「社長室だよ。前教えました…よね?」
「私ももう少ししたらいくから先行ってて」
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社長室についた、
コンコンコン
そう 扉を軽くたたく。 いくらあの社長とは言えども、社長は社長だ。
緊張する。 と、扉が静かに、だが音を立てて開いた。
みかこ 「もしも~し。誰ですかー?」
「まぁ扉をたたいただけで名乗らないってことはうちの社員じゃないだろうけどね」
その言葉を耳に入れて、しまった とおもう。
名乗り忘れていた。 僕としたことが、、やらかしてしまった。
が、社長―― みかこはまったく気にしていないようだ。
みかこ 「ああ メガネくんか。 やっほー! お茶会来てくれたんだね」
「いらっしゃい!!」
先ほどの無礼など気にもせず、暖かい言葉で迎えてくれた。
そこらの悪徳会社の社長とは違う心の持ち主だ。
その点では、プエラの社長もすごいと思う。
…ただあの会社は全体的にアオリスキルが高いので、
嫌な気分になることもあるので、ちょっと…
みかこ 「さぁ入って~!」
「ではお言葉に甘えて」
社長室に入るのはひさしぶりだ。
その間にずいぶんと中の様子が変わっている気がする。
前よりも、本が増えているし、イラスト関係だろうか?紙を入れるファイルが、
棚に積まれている。
趣味に没頭するタイプなのだろうか。
みかこ 「そういえばマナマナにあった?」
突然、みかこが僕に聞いてきた。
マナマナ というのは マナさんにみかこさんがつけているあだ名だ。
つくづく面白い名前を付けるな、と思う。
「うん、さっき会ったよ。」
「それで、ちょっと話した。」
それを聞くとみかこは、良かった~と笑う。
みかこ 「さっきまでお茶会について話してたからさ、疲れ果ててないかと思って、」
心配していたのか。 それをわかって先ほどの質問の意図を理解する。
と,噂をすれば、マナさんが他の魔法少女や客を連れて、社長室に入ってきた。
マナ 「みんなつれてきたよー!」
すると、そこにいたのは りづ、りあー、ゆり、そら の4人だった。
っていうか、最悪だ。
なんでりづがいるんだよ。
僕 あいつ苦手なのに。
そんなことを考えていたら、僕の心を読んだのだろうか
僕に絡んできた。
りづ 「なんでお前がいんだよ!?!!」
「は?」
りづ 「お前だよ お前!私がお前とか呼ぶのメガネしかいないだろうが!」
「あーはいはいそーですねー(棒)」
りづ 「あ゛ーー!!こいつくっっっっそムカつく!!!!」
ムカつくといって顔をゆがませるその様子を見ていると、
少し愉快に感じてしまう。
……まずい、ーの(*-部分「でてーー
そら 「?だいじょぶですか?」
あ、、、
「いえ、なんでも」
まなさんあたりに、少し心配そうな顔をされたが、
なんでもないように振る舞っておいた。
みかこ 「…。」
少し沈黙が流れたが、すぐにみかこさんが声を上げた。
みかこ 「さぁ、みんなそろったね?」
「お茶会を始めるよー!!」
その声を合図に、みないきあいあいとし始めた。
自分の席を取って座り、
既にテーブルの上に並べられたお菓子やお茶を我先にと楽しみ始めた。
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それぞれのお喋りが弾んできて、しばらく経ったころ、
急にみかことまなが真面目な声をあげた。
みかこ 「急にごめんね。みんなに話したいことがあるの。」
まな 「ちょっと聞いてね。」
それを聞いて、みなお喋りで忙しかったはずの口の動きを止める。
また、不思議そうな顔をしていて次に紡がれる言葉を待っている。
みかこ 「それが 、重要な話なの。」
「再来月 この街にーー」
そう言いかけた時、なにやら声がした。
ばるばる 「その話、詳しく聞かせてもらえないかな?」
予期せぬ 来客の訪れであった 。
驚きを隠せず、顔を歪ませている者や、
困惑している者もいる。
ばるばるの、放った言葉。
その言葉を機に、場には重い空気が流れ始めた。
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