公開中
泣いて、笑って、手を取りあう 7
これいつ終わるのか目処が立たず、時々3分小説シリーズを投稿しながらやって行きたいと思います。
当日がやってきた。このグループの発表は、最後。1番新しいグループが1番最後に発表するというのがこのイベントのお決まりなのだ。彼女たちの先輩にあたる他のグループは、普段通りの安定したパフォーマンスを見せた。でも、決して彼女たちは諦めることはなかった。どんどん順番が回ってくる。緊張度はどんどん増してくる。
彼女たちの番になった。ステージに上がる前、メンバー全員が胸に拳をぶつけた。リーダーである光が声を上げる。
「8人で1位を獲るぞ、オー!」
8人が舞台に出て行く。
今まで頑張ってきたことを、全力で見せる。自分たちの思いを表現しきる。そんな思いで、8人は踊った。彼女たちの思い描いていた通りのパフォーマンスをやり終えた。
このイベントは、ベスト3までのグループが選ばれる。ベスト3の中に入れば、そのグループはテレビに一気に引っ張りだこになる。だから、少なくとも3位までの中に入らなければならない。
もちろん彼女たちは、絶対の自信があった。発表の時になる。果たしてベスト3に入っているのか…。結果は…
ベスト3に入らなかった。
彼女たちは泣き崩れた。今まで頑張ってきたのに、こんなに練習して、たくさんの人を魅了させたかったのに…。8人には、しばらく啜り泣く声が楽屋中に聞こえていた。
数日後、また8人に次の仕事が入った。テレビ出演だ。でも、今回は新人歌い手が多く出る番組だ。ここで、少しでも多くの人にファンになってもらえば…。8人はいつものように本気になった。でも、以前よりもさらに練習に力が入っていた。
そして今回、新しい楽曲を作ってもらうことになった。彼女たちのテレビ出演の記念にと、監督が作詞家の人にせがんだらしい。
もちろん、新しい曲なのだから、センターを決める。しかし、テレビに出るのだから、もうセンターを決めるのは、新曲ができてからしか決めないことになった。だから、もうこの曲は、今回センターになれば、この曲を披露する際はずっとその人がセンターなのだ。これにより、1曲目に出た曲は、ハルナをセンターに固定するらしい。
8人は普段通り、猛練習した。貧血で、倒れそうなくらいに練習した。今回も、8人で一進一退の争いをした。グループは仲間でもあり、ライバルでもあるのだ。
8人はいつでも諦めない。絶対に挫けもしないのだ。ネガティブなことさえも言わない。それがアイドルである。
次は、ついにテレビ出演を果たします!お楽しみに!