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影の数、命の数
表示変更:名前(数字)「台詞」
無機質な空間の中で数名の男女が転がっている。
空間の中には窓や通気孔はなく、椅子も机も存在しなかった。
一面の壁に白い看板が掲げられ、『可視化された内容が分からなければ出られない部屋(ころも除外)』と文字が記載されていた。
更にその下のメモらしきところには『可視化された内容を正解した時点で、鐘を鳴らし、|🍤《ころも》ちゃんの一時的な能力の制限を解除します』と書かれていた。
|日村《ひむら》|修《おさむ》(3):「…………」
いつの間にか起き上がっていたやや|薄茶《クリーム》色に濃い緑の瞳をして英国紳士を彷彿とさせる顔立ちの青年が看板とメモを見ていた。
青年は何をするでもなく、ふと頭上を見て数字の“3”を確認した。
修(3):「…表示も奇妙であるし……数字も意味が分からない…」
|梶谷《かじたに》|湊《みなと》(3):「年齢でもなさそうだからね」
不意に隣で起き上がっていた紺に近い青髪の青年がそう話しかけると、近くにいた同じ風貌の青年が同様に“3”を頭上に浮かべたまま手を取った。
それに驚いたのか、手を払いのけて湊が口を開いた。
湊(3):「うわ、なに…」
|田中《たなか》|虹富《にじとみ》(3):「いや…手を握った回数かと思って…」
湊(3):「そんなに少なくないよ!」
隣で笑う双子の横、修が更に周りを見る。
自分と似たような風貌の女性かつ妹である|日村《ひむら》|遥《はるか》と、ボサついた黒髪に包帯の目立つ|桐山《きりやま》|亮《あきら》。
赤髪にサイケデリックな特徴を持つカラーのスノーサングラスをつけた|酒木《さかき》|楓《かえで》と、金髪に額の火傷が目立つ|上原《うえはら》|慶一《けいいち》。
更には金髪から赤髪に流れる長髪の奇妙な|🍤《ころも》の姿もあった。
全員のほとんどが頭上に“3”と表示され、遥は“4”、ころもは“2”と表示されていた。
慶一(3):「……とりあえず、君の仕業か?」
ころも(2):「違います!」
慶一(3):「お前の仕業だろ?」
ころも(2):「だから、違いますって!本当に違うんです!」
喚く慶一ところもの横で、三人が何やら看板に向かって呟いている。
遥(4):「一ヶ月の内に読んだ本の冊数」
亮(3):「一ヶ月間の休みの数」
楓(3):「ゲームのレアドロップの乱数確率」
亮(3):「乱数で3ってあります…?」
楓(3):「確率ならある。リメイク前のダイパのゴンベだと1%だった記憶がある」
遥(4):「そんなに低かったですか…?」
鐘の音は鳴らなかった。
しばらくして、修が口を開いた。
修(3):「これ、答えを当てれば帰れるのか?どうやって帰るんだ?」
ころも(2):「私がここなら何でもできますから、多分それでいけるかと。
今はちょっとできないですね」
湊(3):「看板通りってわけだね」
虹富(3):「……確かに」
虹富が納得しながら、更に言葉を続けた。
虹富(3):「仮に、答えが一つだとして…
それは全員に適用されるわけだから、
“全員が共通している”こと…なんだよね?
例えば、ご飯を食べた回数とか、鏡を見た回数とか…」
慶一(3):「そんな日常的なことがほとんど全員ぴったり一緒になんてなるか?」
遥(4):「しかし男性は同じ、女性は別とは確かに不自然ですよね……?
日常的なことではない、何かシステム的なことでしょうか?」
虹富(3):「う~ん…ちょっと僕には分からないというか…兄……湊」
湊(3):「……………」
虹富(3):「…湊……?」
湊(3):「…これさ、作品ごとってわけじゃなさそうだよね」
その言葉に全員が湊の方を見る。
その視線に気づいたか、湊がポケットからペンを取り出して床に文字を刻んでいった。
それにさり気なくころもが付け足していった。
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*〖ネカフェのシャーロック・ネトゲ廃人〗*
*〖鏡逢わせの不思議の国〗*
*〖地獄労働ショッピング〗*
*〖異譚集楽〗*
*〖CP047 -NEO USA of LEGENDS-〗*
*〖 ラール・プール・ラール 〗*
*〖オールシリーズマルチバース〗*
*~卍 狐者異 卍~*
*❐世神之聲❑*
*✵Good Boy ↹ Monster✵*
*✯ 灰被りのレゾンデートル ✯*
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湊(3):「ええっと…知らないのも混じってるけど、とりあえず_」
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*〖ネカフェのシャーロック・ネトゲ廃人〗*
*〖鏡逢わせの不思議の国〗*
*〖地獄労働ショッピング〗*
*〖異譚集楽〗*
~~*〖CP047 -NEO USA of LEGENDS-〗*~~
~~*〖 ラール・プール・ラール 〗*~~
*〖オールシリーズマルチバース〗*
~~*~卍 狐者異 卍~*~~
*❐世神之聲❑*
~~*✵Good Boy ↹ Monster✵*~~
~~*✯ 灰被りのレゾンデートル ✯*~~
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湊(3):「これらが僕達の|本編軸《ユニバース》のオリジナルの元だから…」
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*〖ネカフェのシャーロック・ネトゲ廃人〗*
*日村修、日村遥、桐山亮、酒木楓、梶谷湊、田中虹富*
*〖鏡逢わせの不思議の国〗*
*桐山亮*
*〖地獄労働ショッピング〗*
*日村遥、上原慶一*
*〖異譚集楽〗*
*日村修、日村遥、梶谷湊、田中虹富、上原慶一、酒木楓*
*〖オールシリーズマルチバース〗*
*日村修、日村遥、桐山亮、酒木楓、上原慶一、梶谷湊、田中虹富、ころも*
*❐世神之聲❑*
*ころも*
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湊(3):「つまりは…遥ちゃんが4回、ころもさんが2回…後は皆が3回……。
それで、分かることはない?」
修(3):「…登場する作品の数か?だとしたら、亨や一護君がいないのは?」
湊(3):「その他に条件があるんじゃない?」
ころも(2):「私は除外とのことですから…2以上ですかね?」
修(3):「いや、正確には3以上だろう。2は入らないはずだ」
亮(3):「であるなら、3以上5以下ですか?日村さん」
修(3):「おそらくな」
楓(3):「算数の勉強してるみたいだねぇ」
慶一(3):「あながち間違いではないな」
湊の隣で修が顔をあげた。
そして、白い看板に目を合わせて言葉を吐いた。
「`ABC探偵のシリーズ作品の中で、3以上5以下の出演があるキャラクターの可視化`」
鐘の音が響いた。
全てが元に戻り、青い粒子に包まれていった。
データベースは結論を出せない。