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𝓦𝓱𝓲𝓽𝓮 𝓒𝓱𝓻𝓲𝓼𝓽𝓶𝓪𝓼
X'mas読み切りです。
12月25日。
奇跡が起こる、ある夜のこと。
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私はクリス。
今日は25日、クリスマス!
折角だからあなたに、この街のことを教えるね。
この街は不思議な街なの。
だってね、魔女が居るんだよ?
限られた人間だけだけど、魔女になれる子がいるの。
私もそのうちの一人。
仕事はないけど、目標はある。
私の目標は、『みんなを笑顔にすること』!
ね、素敵でしょ?
そのために私は今日も、ほうきで色々なところを飛び回ってる。
少しでも多くの人に、クリスマスの幸せを届けたいから。
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そうやって少し回っていると、ある女の子が居た。
泣いていたから、気になってしまって。
「どうしたの?」
「…グスッ, ままと、はぐれちゃったの…っ」
「そっかぁ………じゃあ、一緒に探そうよ!」
「《《空の上》》から!」
「え…?お空…?」
「ええ。さぁ、乗って!」
そうして私は、マリーという少女と一緒に、ほうきで空を飛ぶ。
「わぁぁ、すごいすごい!まちがちいさくみえるね!」
「でしょ?」
この時間の街はイルミネーションが光っていて、まるで宝石箱のよう。
「さぁマリー、ママを探して!」
「うん!」
そうして、5分ほど飛んでいると―――
「あ!まま!」
「居たの⁉ よーし待ってて、今向かうわ!」
ギューンと急降下して、マリーのママらしき人の前へ。
「ままぁーー!」
「マリー⁉探したのよ‥っ」
「このおねえちゃんがたすけてくれたの!」
「まぁ…ありがとうございました。本当に…」
「いえいえ!いいんですよ!楽しいクリスマスを、過ごしてくださいね!」
深々と頭を下げる、マリーのママに手を降って私は見回りに戻った。
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こんな風に私は、少しでも笑顔を届けられるように頑張っている。
それが誰だったとしても手を差し伸べるのは、魔女の大切な仕事。
そんなことを考えながら私は、家に戻った。
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「ただいま〜」
「おかえり、クリス。」
家に帰るとおばあちゃんが居た。
そこで私は、たくさんお話をする。
何があったか、何ができたか。
おばあちゃんも同じ魔女だから、楽しそうに、うんうんと聞いてくれる。
私はこの時間が大好きだった。
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一通り話が終わったあと。
「さてクリス。そろそろ時間だよ。」
「そうだねおばあちゃん。行こうか。」
私の、クリスマスで一番重要な仕事。
それは、
「見てママ!雪だよ!」
「ほんとね!」
"雪を降らせる"こと!
皆の笑顔が咲く。
それを上から眺めるのが、私にとって何よりの幸せなんだ。
大好きな街のみんなが笑う、その光景が大好き。
本当に、輝く宝石箱のよう。
幸せだ―――
幸せを噛み締め、私はしばらくその場に浮いていた。
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「あぁ~~~~~~、楽しかった〜!」
にこにこと笑うおばあちゃん。
私は今、とっても"幸せ"!
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聖夜の夜は、何かが起こる。
どこかにある、魔女が住む不思議な街。
それは、あなたの街かもね。
クリスマスの夜……
ほら、雪が降る。
メリークリスマス。
貴方に幸せを。
この主人公の名前は、『クリスマス』から取ったのではなく『クリストキント』から取らせていただきました。
気づいた方はいらっしゃるでしょうか…
ちなみに1460文字ぴったりでした🙌🏻
聖夜の日、貴方に幸せが訪れますように―――
おつ星☆彡