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満面の笑みが見たかった
キキョウの花咲く丘を歩いていく花音。
「わあいい匂い。。」
花音はうっとりしてキキョウを一本つんだ。
「ん?あっちに光が見えるな行ってみよう」
花音が光を追って歩いていくと、そこには扉があった。茶色の扉。
「鍵かかってるのかな」
花音が試しにドアノブをかちゃりとすると扉が花音を招くように開いた。
「わぁ。いったい奥には何があるのかしら。行ってみよう」
花音が中に入ると、、空気が変わった気がした。何だか別の世界にいるみたい。
「ええ。何処?ここ?」
すると急に頭の中に声が響いた。
「ようこそ!パラレルへ!」
パラレル?並行世界という意味だろうか。
「パラレル?あなたは誰?」
「ボクの名前?名前なんてどうでもいい。まぁ世から消えた物、、支配人と呼んでくれ」
「わかりました。支配人さん。私はどうしてここに来てしまったのですか?」
支配人は明るい声で
「君がドアに入ったからだよ!まぁ、正直に言えば、ボクが君を招いたんだけど」
「招いた、、?」
「また君と会うため。君の笑顔を見るためにね。」
なんだろ。何処かで聞いた声。
「まぁそこは置いといて!君にはプレゼントがあるのだ。」
「プレゼント?」
「前を見て!」
前を見ると、キキョウの花があった。
「そのキキョウの花をプレゼント。」
「なんでキキョウなの?」
「、、。まぁいいじゃん!」
支配人は話を逸らすと、明るい声で微笑んだ。
「ボク、笑ったの初めて。くすくす」
「そうなんだ、、」
「おっとそろそろ時間だな!じゃバイバイ!」
ものすごい光が花音を包み、、、目を開けるとそこは花音の家だった。手にはちゃんとキキョウの花があった。
「なんでキキョウなのか知らない。けど支配人が誰かはわかった」
「君は笑えたんだね!クロミスカ!」
キキョウの花言葉「永遠の愛」