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空色海色鱗色
人魚がいます!
この世界の人魚について、
水から離れたら10秒ほどで死んじゃう
ほとんど海に住んでる
人間より長生き、100歳から大人
パチャ
その音が鳴ったのは私の後ろに今ある思い出の噴水で
もう壊れたりとかでうごかないはずだった
その音を鳴らしたのは美しい一人の人魚でした
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「…ここも久しぶりだなぁ、何年振りかな、10?20?」
私は|水夜《すいや》|未並《みなみ》
とある村で家族で暮らしていたところ、家族が死んでしまって親戚に引き取られました
それから約10年ほど経った今、
住んでいた村に戻ってきてみました
まぁ、もう村はなくなっていましたが、家や遊具が少し残っていたので見て回っています
いまはもうほとんど見て、
最後は村の象徴とも言えるほど豪華な、大きな噴水です
「おぉ…結構錆びたりしてるけど、そのまま残ってる…」
噴水は鉄などを多く使って作られていたからか、
もうさびってしまっていた
「…さーもう帰るか」
私はもう余韻に浸りたかったが
用事は終わったし、時間も遅く、今からでも山を降りないと宿が取れないから
降りないといけない
パチャ
する筈のない、水音が耳に響いてきた
少し怖いことを考えたが、私は興味が勝って振り返ってしまった
バッ
『…あ、』
「…人、魚…?」
『あ、あゎゎゎゎわ、す、すみませんすぐ消えますので!!』
「ま、待って!」
そこにいたのは可愛い人魚だった
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「とりあえず、迷い込んじゃったんだ」
『…はい』
あのあと私達はお互いに困惑しながらも状況整理をした
ちなみに困惑の時間が長すぎて宿は取れなかったので
残ってた家を借りました
「で、元の海に戻る方法を探したい」
『はい』
話をした結果
この人魚はスリュラ・ミーセラン、人魚の女の子らしい
たまたま海で遊んでいる時に変な何かに吸い込まれて、ここにきてしまったらしい
「まぁとりあえずさ、ご飯あげるよ、この村結構実りいいんだ」
ポイッ
私は近くにあったリンゴの木から一つとってミーセランちゃんに投げる
『わっ、え、でもりんごまで…』
グゥウウ…
「…ふふ、ほらたべて?」
『…はい』
ミーセランちゃんはすこし恥ずかしいのか頬を赤らめている
可愛い
『シャリ…美味し』
「でしょ?…ん、ミーセランちゃん、私、眠いから寝てもいい?」
『いいですよ、あとミーセランちゃんて呼びにくいですよね、あだ名でいいですよ!』
「……なら、スーセちゃん、スリュラのスとミーセランのセ、これでもいい?」
『はい!よろしくお願いしますね未並さん!』
少し嬉しそうに微笑むスーセちゃんを見て嬉しくなった私は
念の為に持ってきていた寝袋に入ってその日を終えた
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「ん…」
『あ、おはようございます!』
「…おはよう」
今日はまずどうやってスーセちゃんを水に触れたまま噴水から放すかを考えることにした
村の噴水は中心にあり川へは約70mほどある、
人にとっては走っていれば早く行けるだろうが、人魚は違う
水から離れたらすぐ死んでしまう、しかも人魚は走れない
無理ゲーだと思う
『………未並さん』
「ん?どーしたの?」
『その…それ、いいんですか?』
「?どれのこと?」
『…それです』
………そうゆうことか、スーセちゃんが指差している先、それは………
私のサバイバルナイフと赤い袋だ、昨日は暗かったから見えなかったのだろう
でも
「気になる?なら…」
『…未並さん、実は私達って、それ、食べれるんですよ』
「え、たべれるの?」
『はい、結構人魚って肉食なんですよ』
「………なら、お願い」
『はい』
スーセが袋を開く、ほんとは誤魔化そうかと思ったけどありがたい
そんなたくさんあっても腐ってしまうだけだったから
『鮮度いいですね、これなら生でも大丈夫そうです!』
「お腹は壊さないようにね?」
『もちろん!』
バキバキと骨が割れる音とぐちゃぐちゃと肉を喰らう音がする
私はその光景を見ない為に目を逸らした
『…パキ、ごちそうさまでした』
「…美味しかった?」
『まぁ、まぁまぁですかね』
「んじゃ、帰る方法探そ?」
『はい!』
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「………思いつかない…だって桶に乗せようにも乗らないしそもそもないし」
『井戸はここから遠いですし…』
「うーん…あっ!うーん…」
『……寝ます?眠いですよね?クマ酷いですし』
「………そうだね、寝ようかな………おやすみ、スーセちゃん」
『…はい』
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私、スリュラ・ミーセランは、昔、一目惚れをしました
大きな黒い瞳と綺麗な髪、そして私にむけてくれた優しい目、
それだけでまだ90歳の私は恋に落ちてしまったのです
それからというもの、母にはうみからでたことを怒られましたが、
それでも私はそれを忘れられませんでした
100歳のおわりごろ、私はあの時の子をみつけたとき、
あの時の子は泣いていて、移動してしまうようでした、
だから、追いかけました私はもう100歳になったので、怒られません
追いついた頃にはあの時の子はもう泣き止んでいて
廃村を見回っていました
そして手に持っていた袋からは微かな腐臭がしました
肉が入っているのだろうけど、もう少し腐っているようでした
そして今
私は、あの時の子、未並さんと一緒にいます
まだ私だと気づかれてはいないけれど
それでもいい、
あぁ、うれしい
たとえ私を、
昔のスリュラ・ミーセランとして見てもらえなくてもいい
今の私は未並さんにとってはスーセなのだ
ほしい、でもまだダメ
それがすごくもどかしい
---
「ん………あ、ごめんね?すごい寝ちゃった」
おそらく待ってくれていたのだろう、
スーセちゃんは噴水の中で泳いでいた
『いいえ!大丈夫ですよ未並さん』
そんな明るい声を出しながら微笑むスーセちゃんを見てると
毒気が抜けるような気分にもなる
「ならよかったぁ」
なにかを隠していることはわかっていた
だって明らかにおかしいから
普通初めて会った人のもっているおかしいものに何もつっこまないだろうか?
生肉を食べられるからとあやしい肉を食べるだろうか?
おかしいところに気づかないほど、私はバカではなかったから
でも、言わないということは隠したいんだろう、ならば私は何も言わないでおこう
それが私達のためだから………
でも、私はそんなことを思えるほどに余裕はなかった
---
ピロン
「…」
『?未並さん?どうかしましたか?』
「ううん、早く考えちゃお」
『はい』
もうあの人を殺したことは広まっていて
いなくなった私が怪しまれていると
逃げることを唯一伝えていた友達がおしえてくれた
友達も一時は怪しまれていたらしく
昨日解放されたらしい
………| 《「》はやめに逃げないとここもバレるかな| 《」》
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少し考え込んでいる未並さん、
おそらくあの肉の事なのだろうが
私には関係がない
「| 《「はやめに逃げないとここもバレるかな」》」
…もし未並さんが捕まってしまったら、もう会えないのか
それはいやだ
………なら、私のものにすればいいのか
それがわかったなら、隠す必要はないだろう
『未並さん、実はあなたに隠していたことがあります』
あぁ、驚いた顔もかわいいなど、未並さん、あなたは私をどれほど虜にしているのだろう
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いきなり言われたその言葉に私は驚いていた
隠していた事、そう言われた事に私は
もしかしたら私の追っ手だったのかもという思考が出てきてしまった
でも、その考えは言われた言葉により、なくなった
『私、実は歩けるんですよ、人間を食べたから、ですね』
「………え、ってことはもう海に戻れるの?」
『はい』
ミーセちゃんがあの肉を食べたのはもう2日前
その時からもう、歩けたという事なのか
「なら、なんで教えてくれなかったの?」
『私が未並さんを好きだから』
さりげなく聞いた質問には
さりげない爆弾が落とされた
私のことが、すき?
「え」
『10年前からずっと、あなたの私のものにしたかった、ねぇ未並さん、私と海に来てください』
10年前
その言葉を聞いて
私にはあの時の薄い水色の髪と綺麗な薄い紫の瞳が頭に浮かんだ
あれはスーセちゃんだったのか
「………でも、スーセちゃん、私、泳げないんだけど…」
『大丈夫ですよ、未並さん、逃げたいんでしょう?あの肉程度のものを慕うやつらから』
「なんで、知って」
『あなたのそのスマホ、開けたままで寝ていたでしょ?見させてもらいました』
「え、あいてたの⁈」
『驚くのそこですか、さすが未並さん』
そんな会話をした後
私はついていくことにした
でもほんとに泳げないんだけどどーしよ
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チャプ
少し隠れながらもなんとか海についた
ちなみに何回か警察を見かけた
友達の家に挨拶したい!というスーセちゃんのお願いを答える為に
少しだけ友達の家にも行った
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「窓から入るの?」
『そうじゃないとバレますよ?』
「………たしかに、あ、いた」
『じゃあ行きますよ』
コンコン
「あ、気づいた」
ガチャ
『来れたんだな、未並』
「うん、久しぶり?奇緋」
『………で、そっちは?』
『スリュラ・ミーセラン、元人魚です』
『……人魚?あー…もしかして惚れられてたか?』
「え、正解なんでわかったの」
『だって俺、一様人魚研究家だぞ?それぐらいわかる』
「あ、そうだったね」
『まぁ、とりあえず、スリュラさんよ、もう俺は何をするつもりかはわかってる、だから言っておく、未並をお前だけのものにするのは許さない、それでもいいならば、俺はその秘密を隠しておいてやる』
『奇緋さん、隠してくれるなら、全てお願いしますね?』
『もちろん、そのかわりもしお前が行かないならくれよ?|ここ《首の骨》くらいは』
『えぇ、そのくらいなら』
「なんの話なの」
『未並は知らなくていーいの、とりあえずもーそろいけよ?』
「はーい、じゃあね」
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まぁそんな会話をして2人は仲良くなっていたが、
私は理解できなかった
まぁいいだろう
『未並さん、一緒にいきませんか?』
「うん、いいよ」
チャプ…
ピチャ
ピチャ
どんどんと私達は海に飲まれていく
もう、わかっている
スーセちゃんは私を殺して自分のものにしたい
でも、私はそれは少し嫌だから
そしてその気持ちをスーセちゃんはわかっているし
おそらく奇緋もわかっている
だから、いい
そんなことを考えていたら私は海の闇に入っていた
スーセちゃんも少し微笑んで
私を見てくれている
人間の体のままのスーセちゃんは人間になっているから
溺れてしまうだろう
でも、私の気持ちに答えてくれたことは
すごく
ゴポ
うれしかった
『|コポコパゴポ《一緒に》』
その空気の音が聞こえて少し目を開いた
最後に目に入ったのは少し苦しそうな顔をしても尚微笑んでいる
スーセちゃんの顔だった
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『………はーまじか、今頃あいつら海の中、かな』
俺は奇緋、《《元人魚》》だ
未並の親戚家族に捕まり飼われ、腕を食われた
でも再生した腕を見たその家族は
俺を捨てた
その時に抵抗し、そいつらの内1人の腕を食いちぎった
それで人間化したのだ
でも、未並が懐かれやすいという事は知っていたけど
こうなるとはな
………どうしようか
いや、いい
これは約束なのだ元人魚なりの《《別れ》》とは
この程度で終わりなのだ
メディアにも
誰にも教えない
あいつらはここから解放されたから
『もう、いいだろ?』
俺は近くにおいていた
人魚の頃に姉にもらった短い、少し錆びた刃を首に当てた
『約束通り、ついてってやるよ、スリュラ姉』
俺は《《キリュア・ミーセラン》》
元人魚の
姉と友を失った者だ
カタン
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名前、水夜未並
性別、女
年齢、19
種族、人間
故郷に戻ってくる、という名目で逃げてきた
幼い頃にその頃まだ親戚宅内ではおそらく信じられていなかった人魚を見てそれを話した所
気味悪がられ虐待された
そして19になったばかりの時に殺されかけた為、反抗して結果、親戚のひとを殺してしまったので
逃げてきた
名前、スリュラ・ミーセラン
性別、女
年齢、100
変なものに巻き込まれたという嘘をついて幼い頃出会った人間の未並と会うために
逃げている時に追いかけてきた
幼い頃に出会った未並に一目惚れをしたため
逃げていることを知った時に海から出てきた
独占欲が強い
名前、キリュア・ミーセラン
性別、男
年齢、90
幼い頃に未並を預かった親戚家族に捕まって飼われた
飼われた少し後に食われかけたので食いちぎって逃げた
そしたら人間になっていた
髪の毛は元は薄い水色の髪だったが染めた
奇緋の名前は適当に考えた
未並の親戚宅の近くにある廃屋に住んでいる
人魚と話せるのは
過去に人魚を食べたことがある家族だけ
そしてそれの対抗として
人魚は人間を食べられるように進化したのだ
そして人間を食べた人魚は
人間のような足を手に入れる
もちろん、その時は体は人間になってしまうため
海で泳ぐ為には戻る必要があるだろう
また、人間を食べて
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はい、まじのあとがきっす
元はただ迷い込んだ人魚ちゃんを海に戻してあげよう!の話だったのに…
なぜこうなったのだろう
てかほんとはニュース入れようと思ったんすよ
諦めました
ちなみにこのエンドは
2人は幸せ心中
キリュアは諦め自殺
の一様バットエンドですね
ハッピーエンドだと
未並だけが死んで
スリュラが未並の体を保存して自分のものにして
キリュアと一緒に隠し続けるって話になりまーす
ではまた〜