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(なんちゃって)劇場版名探偵コナン「流星の残響(レゾナンス)」
鯨先
⚠️独自の設定あり!
⚠️「星のカービィディスカバリー・スターリーワールド」を事前に調べてから見ると分かりやすいかも!
⚠️ネタはチャットGPTから!
⚠️主は文を書くのが絶望的に苦手です。下手でもイイよって方だけ見てね!
⚠️ファンタジー多め、推理要素は2割くらい!
⚠️この世界は原作コナンワールドとは別世界のファンタジー多め世界です。本編とは違う内容が出て来ます!
⚠️劇場版って書いたけど長めのアニコナみたいな感じになったわスマソ!
⚠️誤字脱字があるかもです。その時は言ってくれると嬉しいです!
⚠️細かいことは気にしないで読んでください!
⚠️!!!!!!!!キャラ崩壊あります!!!!!!!!!!!
以上の事、オッケー?オッケーな人、
>それではご覧下さい!!<
1.
その夜、一筋の流星が夜空を横切った。
「な、何だ…?」
杖をついた老人が民家から出てくると、その幻想的な光景に口を開いたままだった。
ある一つの流星が村の地面に落ちるとその地面は結晶化し、ある一つの流星が村の民家に落ちるとその屋根は沈み、屋根に流星がくっ付いた。人々はその幻想的な光と流星に釘付けだった。この美しいだけの光景に、人々は唖然としていた。そして、その村ではこの流星が降る事を「流星の伝承」として伝わる様になった。
---
2
それから数十年、いや数百年後、東京では空にカメラを向ける人や立ち止まる人で溢れかえっていた。
「何だ…?この人混み…?」
コナンがそう呟き屋上に出ると、夜空に一筋の流星が走った。東京のビル街を流星が落ちて来ていた。
「何だあれ!?」
「すごーい!!」
誰もが声を漏らしながら写真や動画を撮っている。
「何だあれ…!?」
この事態は流石のコナンも知らなかった。そのあまりに幻想的で綺麗な空間は、まるで異空間の様だ。流星の光はビルの窓に反射し、地面に落ちるとその地面は結晶化し結晶化した花が咲いていた。
「え…!?本当だったの!?」
突然隣に蘭がやって来た。どうやら蘭はこの流星について知ってる様だ。
「蘭姉ちゃん、この流星のこと知ってるの!?」
「え、うん…今日、歴史の授業でやったの。先生に今日は流星が降り注ぐ…って言われたけど、信じてなかったから…」
どうやら蘭は歴史の勉強でこの流星の事を教えて貰ったようだ。コナンの目線の先は流星が降り注いだビルを見ていた。
その目線の先には黒色の影をした、人影が動いていた。
✴︎✴︎✴︎
その日の夜、流星が飛来し、着陸した現場を警視庁の面々が見つめていた。
「にしても…不思議な流星ですね…危害も無いし、ただ幻想的なだけ…」
「…都内でこの様な流星が落ちた事例は一件もない、他の地方で起きていないか調べるしか無いな…」
高木と目暮が話していると後ろでぽつりと佐藤が呟いた。
「…流星の伝承…」
「どうかしたんですか?佐藤さん」
「いや、何でも無いわ。それよりこの不思議な流星について調べないと!」
「えっ!?ちょっと!佐藤さーーん!!!」
隣のビルからは階段まで走っていく2人の様子をじっと見ている人影があったが、高木が目を合わせるとすぐに闇に包まれて行ってしまった。
(…何だったんだ…?あの人影は…)
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OP(っぽいやつ。)
俺は高校生探偵工藤新一。幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、黒ずくめの怪しげな取引現場を目撃した。取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう1人の男に気づかなかった。俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めると…体が縮んでいた!
工藤新一が生きていると奴らにバレれば、また命が狙われ周りの人間にも危害が及ぶ。阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は蘭に名前を聞かれて、咄嗟に『江戸川コナン』と名乗り、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。
そして、毛利探偵事務所の下の階の『喫茶ポアロ』。そこで働く安室透は警察庁の公安部、通称『ゼロ』に所属する公安警察で、今は俺が追っている黒の組織に潜入している。どうやら、今回はその人の警察学校時代の同期が関係してくるらしい。
小さくなっても頭脳は同じ。迷宮なしの名探偵!真実はいつも1つ!!
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3
流星が降り注いだ次の日の朝。コナンが学校に着くと探偵団の3人が話しかけて来た。
「コナン君!昨日の流れ星、見た見た!?」
「ああ、あの流星か?俺も見たぞ」
「やっぱり見ましたか!?凄かったですよねー!あれ!」
歩美と光彦が聞いてくると後ろで灰原が喋った。
「ま、あんな事が起こるなんて、一千年に一度あるか無いかだと思うしね。」
「じゃあ俺らは歴史に残るもんを見たのかよ!?」
「もしそうだったら凄いですねー!!」
確かに灰原の言うことは合ってるかも知れない。あれだけの流星が降ってくるのは歴史的な瞬間だったのかも知れない。
「皆さん席に座って下さーい!授業を始めますよー!」
小林先生の声で、何気ない1日が、スタートしたのだった。
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4
小学校の授業が終わる頃の昼下がりの喫茶ポアロ。柔らかなコーヒーの匂いが店内を包み、安室透として働く降谷零はいつもの爽やかな笑顔で客にコーヒーを運んでいた。
「安室さん!昨日の流星、見ましたか?」
降谷にそう言うのは常連の女子大生|桐谷月華《きりたにげっか》だった。天文学のサークルに入っている彼女は星を見ること、調べる事が趣味で、この流星についても調べていた様だ。
「ああ、見ましたよ。幻想的で不思議な感じがした気がしましたね…」
「安室さんも感じましたか!?実は昨日の流星はですね、普通の流星とは軌道も形も全てが違ったんですよ!しかも、光が地面に残るなんてあり得たことの無い話ですし、歴史的な瞬間かもですよ!!!」
楽しそうに話す桐谷のそばで、降谷の目がほんの一瞬、鋭く見えた。
「…残る、ですか?」
「やっぱり気になりますよね!これは古い伝承で、『亡き人を呼び戻す』ってあるんですよ!まるで御伽話や神話みたいで気になりますよね!」
嬉々として話す桐谷とは打って変わって、降谷は『亡き人を呼び戻す』という言葉について考えていた。
(…まるで御伽話の様だが…もしそれが本当なら…)
彼の脳裏に浮かんだのは4人の同期だった。
萩原、松田、伊達、そして幼馴染の諸伏…
2度と戻らない、それこそこの外に散らばる流星の様に輝いていた思い出が、降谷の心を締めつけた。
「…あの?安室さん?考え事ですか?」
「…いえ、素晴らしい話だな、と思ったので。」
慌てて笑顔に戻す降谷を桐谷はジッとした目で見つめていた。
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5
外では帰宅途中のコナン達が歩いていた。
「ねぇ、あれ高木刑事じゃない?」
「ほんとですね!」
「おーい!高木刑事ー!」
正面に見知った刑事…高木と佐藤が流星が落ちた地点を調べていた。
「おや、コナン君達じゃないか」
「君達も昨日の流星を見たの?」
2人が声をかけると探偵団の3人が元気よく返事をする
「見たよー!すっごく綺麗だった!」
「けどよ、ちょっと怖かった気がしたぜ?」
「えー?そうですかー?」
話を聞きながら高木が困った様に笑っている。
「あ、そういえば、この流星について調べている学者さんに来て貰ったんだけど…君達も話を聞いてみる?」
どうやらこの降って来た流星について調べている天文学者の人に来て貰ったらしい。
「えー!聞きたーい!」
「ま、これも一つの勉強かもね。」
「じゃあ一緒に来てね。多分そろそろ来るはずだし…」
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6
場所は移り会議室。佐藤と高木が呼んだ天文学者…|白峰玲司《しらみねれいじ》と大学院生の|宮坂悠真《みやざかゆうま》が話をしに来ていた。
「…えっと、何故子供達が…?」
「あっ、すみません。実は一緒に話を聞きたいと言っていて…」
高木が謝り気味に言うと白峰は少し怪訝そうな顔をしながら「大丈夫ですよ」と呟いた。
「なぁ、何であの兄ちゃんはあんな顔してんだ?」
「白峰先輩はね、子供が苦手なんだよ」
「「えっ」」
「…よけいなことは喋らなくて良いんですよ?」
「あっ、さーせん。」
白峰と宮坂の2人のコントの様なやり取りを見ていた探偵団達が笑っていると白峰が咳払いをした。
「さて…流星についてのお知ら話と言ったね。流星にはとある伝説があるんだ。」
「伝説?」
「そう。流星には『天国から人を呼び起こし生き返らせる』という伝説があるんだ。」
「白峰さん、その伝説好きですよねー。どうやら大切な人への思いが強ければ強い程その力は高くなるらしいんですよ!」
「へー!凄いね!」
「まるで、おとぎ話みたいですね!」
探偵団が驚いている中、コナンは考えていた。
「あの、そんな事が本当に可能なんですか?」
コナンの考えを代弁するかのように佐藤が2人に聞くと白峰が意味深な笑みを浮かべて話した。
「…科学と伝説の狭間の、その世界なら可能ですよ。」
玲司のその言葉で、会議室の空気を冷たくしたのだった。
---
7
次の日の朝、コナンが探偵事務所の外に出ると思わぬ光景が広がっていた。
「なっ…!?流星…!?」
午前7時30分頃の明るい時間だと言うのに流星は降って来たのだ。
「キャーーーーー!ひ、人が死んでるっ…!!!!!!!!」
コナンが女性の悲鳴を聞き悲鳴の方へ向かうと、そこには流星の幻想的な青白い光とは真逆の赤黒い血溜まりと、研究員の死体が転がっていた。その死体の側には流星が落ちており、まるで流星が彼を刺したようだった。
「みんな離れて!殺人事件かも知れない!」
コナンが周りの人達に呼びかけると、ポアロの扉から降谷が出て来た。
「流星は時間に関係なく降るのか…!それよりも何があったんだコナン君!」
「安室さん!?とりあえず警察と救急車を呼んで!」
「分かった!」
朝の柔らかな日差しと流星の青白い光は、幻想的に輝いていた。
✴︎✴︎✴︎
数分後、見慣れた警視庁の面々が到着した。
「被害者は|桜庭仁志《さくらばひとし》、国立天文台の職員で昨日の白峰さんや三坂さんの同僚だそうです。」
「ふむ…天文台の職員か…」
高木から情報を貰った目暮が考えていると白峰が声を掛けた。
「…彼は私の同僚です。昨日言った流星の伝説を科学的根拠のない迷信だといつも言ってるような奴でしたよ。」
その名を聞いた白峰が高木達に話した。近くには宮坂、それと昨日ポアロに来ていた桐谷が青ざめた顔で現場を見ていた。
「で、でも、!桜庭さんは悪い人ではないんです!…ただ科学的な根拠がないと信じないような人だったんですよ…!」
「それに、いつもは面倒見の良い人で、私達にもいろいろ教えてくれたんですよ…、!」
声を荒げる三坂と今にも泣き出しそうな桐谷が話している間にコナンは結晶に覆われた遺体に目を向けていた。
「…頭部に打撲痕…落下した時につく傷ではない…」
「つまり、落とされる前に殴られた…」
コナンと安室が考えていると、その2人を見つめる桐谷の姿があった。
「あ、あの…何で安室さんとそのちっちゃい子まで…?」
「あぁ、一応僕は探偵なので…この子も探偵の真似をしているだけなんですよ。」
明るい笑顔で話す降谷とは裏腹に、コナンは確信を見つけ考えていた。
(…これは間違いない。犯人の計画的な犯行…!)
周囲に漂う緊張の中で白峰が低く呟いた。
「伝承を愚弄した者は、星に裁かれる。村に伝わる言葉…まさか、本当に…?」
そう呟いた白峰を、コナンは険しい表情で見つめていた。
---
8
場所は変わり警視庁の臨時会議室。そこには流星に関するデータや、殺人現場の写真が並んでいた。その中で白峰は静かに語り出した。
「…あの、皆さんは、伝承の“本当の核心”をご存じですか?」
視線が一気に彼の方へ向くと白峰は喋り出した。
「流星が大地に触れるとき――人は大切な者を想い、その想いが強ければ強いほど、“星の残響”は応える。すなわち…失われた命が再び地上に戻るのです」
その言葉に会議室内はざわめきを隠せなかった。
「ま、まさかそんな事が本当に…!?」
高木が驚いた声で言うと1人の職員が声を荒げて喋った。
「馬鹿馬鹿しい!!そんな科学的根拠もないような伝説に目を向けるなんて…!」
その瞬間、宮坂は「いえ。」と言葉を続けた。
「実は僕の祖母が村で実際に見たって言ってました。流星の夜、亡くした夫にもう一度会えたって…」
場の空気が凍りつき、その凍りついた空間を戻すかのように佐藤が喋った。
「…今回の犯行も、その伝説を巡って起きた可能性があるのね…」
その言葉に降谷の瞳が揺れた。警察学校時代の4人の同期…
(…本当にもう一度、会えるのか…?)
そのとき、コナンの声が低く響いた。
「でも、それが本当だとしたら……今回の殺人は、単なる口封じなんかじゃない。“誰かを蘇らせたい犯人”が、伝承を否定する者を邪魔だから消した…そう考えた方が自然だよね。」
会議室の空気が一層重くなる。
幻想は現実に侵食し、恐るべき真実への扉が、今まさに開かれようとしていた――。
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9
その夜、降谷はビルの屋上へ来ていた。空は静まり帰り、遠くには流星の影響なのか青白く幻想的な光と紫に近いような色をした空が広がっていた。
屋上のベンチに座っているコナンに降谷は話しかけた。
「コナン君…白峰さんが言っていた流星の伝承が正しいと思うかい?」
「安室さん…」
コナンは目を伏せて真剣に話した。
「半分半分かな…。人が生き返るなんて、科学的にはあり得ないよ。でも…もし可能なら、誰だって大切な人を取り戻したいと思うはず…」
その答えに降谷は苦笑する様に息を吐いた。
「僕も、失った仲間が居る。もし、また会えるのだと知ったら…非科学的でも、手を伸ばしてしまうかも知れない。」
その声にはいつもの冷静さや明るさはなく、深い苦悩が滲んでいた。降谷が抱いて来た、数年の楽しくも苦い思い出が詰まっていた。
降谷がコナンに帰ろうかと声を出そうとした瞬間、空が光に裂けた。無数の流星が夜空を横切り、街を再び淡い輝きで包んでいく。建物の壁、街路樹、道路…すべてが結晶のように輝き始めた。
「流星…!」
「まさか…!」
コナンも降谷も驚いていると、後ろからコナンにとっては聞きなれない声、降谷にとっては何回も聞いた声がした。
「|零《ゼロ》…」
その声に降谷の瞳が大きく揺れた。
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「ヒロ…!!」
「久しぶりだね…で、何でオレがここに居るんだ?」
最初は降谷とコナンの見間違いかと思ったが、それは現実だった。降谷の亡き同期の1人、…諸伏景光だったのだ。
「じ、じゃああの伝説って…!」
コナンが驚いた声を上げると、夜空に光る流星がより一層強まった。と思えばまた一つ、声がした。
「何しけた面してんだよ、|零《ゼロ》!」
その男は腕組みをして立っていた。
「松田…!」
逆立つ様な癖毛にサングラス…松田陣平だった。
「生きて、生きているのか…?」
「バーカ。俺らはもう死んでる筈だぜ?…なのに、どうしてだ?」
どうやらどうしてここに来たかは分からないらしい。そんな疑問を晴らすかの様な爽やかな声が聞こえて来た。
「おーい!降谷ちゃん!…いや!|零《ゼロ》!」
爽やかな声に、少し長めの襟足。…萩原研二だった。
「萩原!っ…!」
「おうよ!それに、諸伏ちゃんに陣平ちゃんまで!オレだけじゃなかったのか!んで降谷ちゃん、泣いてんの?」
「…泣いて、ない…」
降谷は泣いていないと言うが目尻には涙が溜まって頬を涙が伝っていた。その様子に諸伏と松田が笑っていた。
そして、階段の方から足音がした。
「|零《ゼロ》、また世話掛けるなよ」
「班長…!」
階段を上がって来たのは伊達航だった。
「え、班長もいるの?」
「全員集合じゃねーか!」
流星の伝承は本当だった様で、降谷の失われた同期4人がそこには立っていた。
その光景は、飛来した流星の光に負けない、当時の思い出のまま凍っていた記憶を呼び覚まし、まるで当時の記憶のままの輝きを持っていた___
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10
「まさか…白峰さんが言っていた事って…本当だったんだ…」
その様子を見ていたコナンが我に帰った様に呟いた。
「どういう事だボウズ?…オレらが生き返ったのには、何か訳があるんだろ?」
「う、うん…実はね_______」
コナンは今までの事を4人に話すと、4人は驚いた様に声を上げていた。
「え…じゃあ俺らはあの流星と|零《ゼロ》の思いで生き返ったのか?」
「た、多分ね…」
「なんかファンタジーじみてるが…これを見ると、本当なんだろうな…」
コナンと話していると流星群はいつのまにか終わっていて、青白い光と空の紫色の光が合わさっていた。
「じゃあ、一刻も早く犯人を捕まえないと…!」
「ちょ、ちょっと待って!諸伏さんは黒の組織に潜入してたから、今出たらまた狙われちゃうんじゃない?それに、他の3人も生きてるってなったら大問題だよ!?」
コナンの弁明を聞いている4人は驚いた顔をしていた。その顔は「教えてもいないのになんで知ってるんだ…?」という顔だった。コナンはハッとして慌てながら
「…って安室さんが言ってたんだ!アハハ…」
と言った。ちなみに、その本人という名の降谷はベンチで幼馴染である諸伏の肩で眠っていた。
11
次の日の警視庁。そこでは昨日起きた殺人事件の捜査が進められていた。
「昨日の事件は、おそらく流星の降ったタイミングを狙った犯行…」
(オイオイ…昨日あんな事があったのに安室さん普通に来るのかよ…)
事件の資料を見ながら降谷は呟いた。この事件の捜査には安室や小五郎、そしてコナンも呼ばれているのだ。
「…コナン君、君の力が必要だ。…協力してくれ。」
「分かってるよ安室さん。この事件…絶対に解決させる。」
小さく頷いたコナンは降谷が持っている資料に目を通した。
✴︎✴︎✴︎
その頃の降谷の同期4人は、昨日いたビルの中に居た。
「…大体は昨日あのコナン君から聞いてるけど…いまいち分かんないな」
「うん…この流星に基づいた殺人事件も起きてるみたいだし…」
「少なくとも、今日は大人しくしてるしかないな。景の旦那も外に出たらまた組織に狙われるかもしれないしな。」
「ああ、そうだな。」
昨日の夜にコナンから聞いたことはあまり分かっていないらしい。だが、この事件が解決する事を、4人は思っていた。
✴︎✴︎✴︎
場所は戻って会議室。資料に載っているビルの屋上、結晶化した地面についた血痕___
「この流星…犯人が動かせるものではないのか…」
コナンが疑問に思うと降谷が口を開いた。
「と言うことは、犯人は流星そのものを操った訳ではなく、流星の騒ぎに乗じて犯行を行った…」
「じゃあ、あの流星はカモフラージュの為…ですか?」
高木が疑問を口に出すと佐藤が「そうか」と声を出した。
「流星が降ると流星に目が向き視線が一点に集まる…。視線が一点に集まっている間に犯行をしたのね!」
「人の心理を利用した巧妙なトリック…許せないですね…」
資料に目を通していた白峰がそう言った。
「観測データにもその様な流星はない、完全な自然現象になります。」
「つまり犯人は流星の伝承を信じている人間、もしくは利用したい人間…。科学者を狙った理由も、伝承の力を信じさせないと邪魔になるから。」
コナンがそう推理すると白峰が驚きの表情を見せた。
「君は子供ながら凄いね…さすが毛利探偵の弟子だね。」
白峰の褒め言葉にコナンは照れていた。そして真剣な顔に戻りこう言った。
「…犯人はこの中にいる。」
事件の捜査資料、現場の痕跡…全てのピースを繋ぎ合わせていくと、1人の人物が浮かび上がった。
(まさか…あの人が犯人…!?だが、動機が見つからない…!)
コナンの頭の中には1人の人物が浮かび上がった。そして、今まで聴いて来た証言が、頭の中に浮かび上がった。
「僕ちょっとトイレー!」
いつもの様にトイレと嘘をつき、会議室の外へ飛び出したコナンは、今まで聞いた話を思い出していた。
✴︎✴︎✴︎
『今日、歴史の授業でやったの。今日は流星が降る、特別な日だって_____』
『コナン君!昨日の流星、見た見た!?_______』
『そういえば、この流星について調べている学者さんに来て貰ったんだけど_______』
『流星が大地に触れるとき――人は大切な者を想い、その想いが強ければ強いほど、“星の残響”は応える。すなわち…失われた命が再び地上に戻るのです_______』
『…科学と伝説の狭間の、その世界なら可能ですよ。_______』
✴︎✴︎✴︎
頭で情報を整理していると、突然光彦から電話がかかって来た。
『あっ!もしもしコナン君!』
「どうした?要件があるなら手短に…」
『オレ達今、天文台に来てるんだぜ!』
『そう!博士に連れて来て貰ったのー!』
「はぁ?なんで今なんだよ?」
『だって、流星の話を聞いたら来たくなっちゃったの!』
どうやら探偵団と博士は天文台に来ている様だ。
『そういえばコナン君、天文学者の人…なんだか流星のお話を信じない人に怒ってたよ?』
「な!?どういう事だ歩美!?」
『話を聞いた後、言ってたんですよ!流星の伝説を信じられない人なんて信じられない、って…』
「…ありがとな、お前ら。お陰で、犯人が分かったぜ…!」
そういうとコナンは電話を切り、腕時計型の麻酔銃の準備をしながら会議室に足を運んだ。
---
12.
会議室に戻ったコナンは、早速小五郎に麻酔銃を打ち込んだ。小五郎は「ふにゃ」と間抜けな声を出すと、その場にあった椅子に座り込んだ。
「こ、これは!」
「眠りの小五郎の推理ショー…!」
眠っている小五郎を見た桐谷と宮坂が興奮した様に喋った。
「えー、みなさん。この事件の犯人が分かりましたよ。まず、犯人は流星について詳しい人、つまり、天文学者か流星や星が好きな人…。そして、コナンから聞いた流星の伝説を信じている人…」
コナンは推理を小五郎の声で喋っていく。
「そして、伝説を信じていなかった桜庭さんをビルの屋上へ呼び出し、突き落とした直後に流星が死体に降り注いだ…。そして、何食わぬ顔で死体のある下に戻ってくると、そこには警察を呼ぶ安室君とコナンが居たんですよ。」
「じゃあ、まさか犯人って…!?」
「えぇ。この事件の犯人は…貴方ですよ。宮坂悠真さん!」
そう、犯人はあの明るく接していた宮坂だったのだ。
「なっ、何で僕なんですか!?僕が犯人だとしたら、動機は何なんですか!?」
慌てて宮坂が弁明しようとすると、後ろから「なるほど」と降谷の声がした。
「貴方は白峰さんの右腕…上司が凄く信じていた伝承を信じないという桜庭さんが許せなかったんですね。」
降谷の推理を聞いた宮坂は全てを諦めた様な顔をしていた。
「な、宮坂…お前…」
「嘘って…言ってくださいよ…?」
桐谷と白峰は呆然としていた。
「っ…ハハ。まさかバレてしまうとは…思ってもみなかったですよ…えぇ、そうですよ。僕が殺しましたよ。あの伝説を信じない、クソ研究者を!!!」
宮坂が狂った様に笑いながら喋り始めた。
「…上司である白峰さんの言った流星の伝説!あれを桜庭は否定したんだ!!おかげで白峰さんの信用はガタ落ち…!!!あいつは最初っからそれが目当てだったんだよ!!!」
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「なぁ、お前の上司さんが言ってる流星の伝説…あれ、ほんまは嘘とちゃうんか?」
「ファンタジーな事だけ言いよって…玲司さんはほんまに科学者なんか?」
「お前さんもあんな上司の話タラタラ聞かされて可哀想やなぁ。こっち来るか?楽しいで?」
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これを聞くと心配しているように聞こえるが、宮坂はそうではなかったのだろう。
「…俺は流星の軌道をコントロールすることなんて出来ないが…次の流星が落ちる場所ぐらいは分かる!次に落ちるのは、昔の人々が思って来た、怨念や思いが全て詰まった流星が落ちてくるでしょうね!…そう、ここ、警視庁にね!!!」
宮坂が言うには昔流星の事を見た人々が思っている気持ちが詰まった、封印の流星が落ちてくるそうだ。その規模は警視庁一体を巻き込むほどの威力があり、流星のかけらが舞い散って、最終的にここら一体は流星の残響だらけになるそうだ。
「…彼が言う流星は何もかもが普通の流星とは違う…!大きさもベクトルも!!」
白峰がそう言うと宮坂が笑った。
「あぁ!!!!だが俺は死ぬ気はない…だが!!!生きて捕まる由もない!!!」
宮坂が言った、その時だった。
バァン!!!!
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突然、発砲音の音がしたと思えば宮坂が何者かに撃たれていた。
「なっ…!!」
「だ、誰だ!!誰が撃ったんだ!!」
「まさか…狙撃!?」
コナンは驚いて降谷の方を見ていた。…その顔は、少しだけ笑っていた。そして、宮坂は何者かに狙撃されたのだが、幸い命に危険はなさそうだ。
「色々なことが同時に起こり過ぎている…!」
「けど、まずは近隣の避難誘導から…!」
高木と佐藤が行こうとすると「いいえ」と降谷が呼び止めた。
「大丈夫ですよ。…僕の、頼れる友人に頼みましたからね。」
それよりもここから避難しましょう、と言う降谷は信頼の目を、窓の外の廃ビルに向けていた。
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13
「ったく…ゼロのやつ、いきなり犯人を殺さない程度に狙撃って…」
無茶な事言うよな、と諸伏はつぶやいた。宮坂を狙撃したのは彼だったのだ。
「それじゃ、オレはちょっと変装しつつ…あいつらの方、手伝ってくるか。」
流石に素顔のまま行く訳にもいかないので変装してから行くようだ。
✴︎✴︎✴︎
警視庁周辺では、松田、萩原、伊達の3人が避難誘導をしていた。
「よし!これで大体全員か!」
「ったくゼロのやつ、俺らをこき使いやがって…」
「まっ、良いじゃねぇか。こうして俺らも生き返ってるんだからよ」
3人が話してると廃ビルから諸伏が走ってきた。
「あれっ、もう終わってた?」
「おい、ヒロの旦那!なんで来たんだよ!」
「まぁまぁ、諸伏ちゃんも1人で待つのが寂しかったんでしょ」
2人のいじりに「いや違うけど?」と冷静に返した諸伏は空を見上げた。空は星々が点々と光り、流星の残響が残ろうとしていた。
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14
その頃、警視庁の屋上では降谷とコナンが夜空を見上げていた。
「さて…君なら何か作があるんだろう?コナン君。」
「まぁ…あるにはあるけど、公安警察の降谷さんに協力してもらわないと出来ないんだよね。」
「公安に協力して貰わないと出来ないなんて、どんな事だい?」
コナンはふっと笑いながら言った。
「流星を爆発で吹っ飛ばすんだ。このキック力増強シューズを使ってさ。」
そう言ったコナンは靴のダイヤルをカチチ…と回した。まるで「もう今からでも行けますよ」と言うかのように。
「本当に君は考えるね…風見、聞こえるか?…ああ_____」
と耳のインカムに向かって話しかけた。
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しばらくすると中くらいの箱が運ばれてきた。小学生が蹴れるくらいの爆弾だろう。
「…流星が来るタイミングはいつか分からない…「いや。」
降谷の言葉に被せるようにしてコナンがしゃべった。
「流星が降ってくるときは空が青白くなる。それを見ておけば、いつか分かるんじゃない?」
「流石だね、まるで子供になった新一君みたいだ…。ところで、彼は今どうしているんだろうね?」
その答えにコナンは答えなかった。
「まぁ、その答えはいつか教えてもらうよ。それよりも今は僕の恋人を守る事に集中して貰わないと。」
前にコナンと降谷が止めた衛星探査機の「はくちょう」、それを止める際の猶予の時間でコナンが降谷に恋人を聞くと、降谷はこの国が恋人と答えたのだ。
そんな会話をしている内に空が青白く光初め、周りはキラキラと輝いていた。
「さて…そろそろだね。コナン君。」
「うん。それじゃあ…やろうか。」
空は十分に輝き、ビルの窓に光が反射している。まるで落ちてくる10秒前だと言うところだろう。
「じゃあ、3秒前あたりになったらカウントダウンしようよ。前の時みたいにさ。」
「あぁ。君が言うなら僕は合わせるさ。」
そして、光が強まり、残り3秒を表すような光の強さだった。目を見合わせた降谷とコナンの2人はカウントダウンを始めた。
3、2、1
「ゼロ!!!!」
ゼロの声と同時にコナンは箱を流星に向かって蹴り飛ばし、降谷は爆弾のリモコンのスイッチを押した。
「いっけえええええええええ!!!!!!!!」
コナンが叫ぶと流星は青白い光を出しながら消滅し、周りはキラキラと流星のかけらや星くずが踊るように舞っていた。
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15
「|零《ゼロ》!!!」
下に降りてくると諸伏が近寄ってきた。
「良かった…大丈夫だった!?」
「あ、あぁ。大丈夫だから離れてヒロ…」
「諸伏ちゃん、すげー心配そうだったもんな〜」
「にしてもすげー発想だな|零《ゼロ》、爆弾で流星吹っ飛ばそうなんて」
「あぁ、それを行動に移せるのも凄いしな。」
松田と伊達は降谷がやった事だと感心していた。遠くではコナンと高木が話している。
降谷はちょっと笑った後4人に「いや」と言った。
「僕じゃないよ…小さくも大きな、探偵の力さ。」
読んでくれて超嬉しいです!!鯨先と申します。
こんな長編書いた事ないから楽しかったー!
最初書いた時まさか公開が11月になるとはぁ…!!!
ちなみに最後の爆弾、あれは謎です。ゼロの執行人からそうなのかなー?とちょっと思ったぐらいなんで細かいところは気にしないでください。
流星の大きさも謎です。皆さんのご想像でどうぞ…ww
ファンレター、応援待ってます(`・ω・´)
閲覧ありがとうございました!