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演劇
原曲(セカイver.)
https://www.youtube.com/watch?v=EqaKQIj3QwU
或る時誰かが言いました。
「みんな役割があるんだ」
「足りない物は分け合って、凸凹を埋めあって生きている」
それなら私の空白は、誰かが埋めてくれるはずで。
聞こえますか?その誰かさん。
誰かが誰かに言いました。
「君の役割は、_____。」
「とにかく、私や上の方の言うことはよく聞くように。いいね?」
「え……?」
「これは君への愛故の言葉だ、龍斗」
「この社会では、みんなそうやって、生きているんだから」
いつも、幼い頃から社会の在り方をずっと教えてくれた父さん。
でもそれは。
俺を、縛ってしまったみたいだ。
「これもお願いしていい?」
「お前ならいけるだろ」
「期待してるよ」
「失敗しないでね」
「信じてるからな」
『優等生』
『身代わり』
『ジャニーズに必要なパフォーマンス全てができる』
『スーパーリベロ』
仲間の。
先輩の。
父さんの。
喜ぶ顔が嬉しくって、必死で|役《いい子》を演じました。
呼吸さえも、忘れるほど。
路地裏のゴミ置き場。
雑に捨てられた|ランドセル《自分の意思》。
寝たい時も起きたい時も泣きたい時も、
笑う時すら周りを気にする癖はいつからだったっけ?
「もしも願いがただ一つだけ、叶うならば?」
終わらせたいんだ。
このふざけた演劇を。
|間違った《縛られた》まま生きてきたんだ。
今更|首輪《縄》を|外された《解かれた》って、
「一体何処へ行けばいいの?」
ただ大切な、ランドセルを拾い上げたかっただけなのに。
その代償がこれですか、神様。
全部酷すぎるよ、全部。
「これからは」
もういいからさ。
早く、終わらせてよ。
「世界は誰かの理不尽と、誰かの我慢で出来てるらしい」
「へぇ」
「押し付けられた酷い役も、みんな必死で演じてる」
「うん」
「……俺だって、そうだよ」
「え?」
そんな私の失望も、いつかは花を咲かす筈で、
「龍斗」
「意味のない未来って、無いらしいぜ」
意味があると、信じていた。
「一緒にいたい」
ささやかな願い事。
無垢な希望や将来の夢。
「んなこと、多分叶うだろ」
「うん…… 一緒に、」
「祈りさえすればいつか叶う」と誰に教わったんだっけ?
「ねぇ……」
もしも何処かで見ているのなら、今の私に名前を付けて。
「何処に行っちゃったの……?」
もう分からなくなったんだ。
「お願いだから、来ないで」
震えた両手を合わせ祈って、それでも朝はやってくるの。
祈りさえすれば、いつか叶うと、信じているのに。
ただ共にいれる、それだけの未来を欲していた。
本当にただ、それだけなのに。
「そんなに馬鹿な願いですか、神様」
全部もう虚しい、全部。
「……あーあ。」
ただ疲れたんだ。息をし続けるのが。
「_____に、なればいいの?」
「そうだよ」
「じゃありゅーと、みんなの言うこと聞いて、いい子にする!」
「いいのかい?」
「ん!おとーさんがにこにこなら、いいもん!」
愛されたいと願って。
「父さん、父さん……!」
「龍斗。一つだけ、いいかい」
「何、どうしたの、?」
「これからも君は、_____で、い続けるんだよ」
「いいね?」
「……わかった、」
愛される為自分を捨てて。
「ねぇ、なんで、?」
「……」
「一緒にいるんじゃ、なかったの……!?」
「……」
「ねぇ!!」
「……ごめんね」
最早観客もいない舞台の上で声が響いたんだ。
「……好かれ続けなきゃ」
「嫌われちゃいけない」
「ちゃんと、守らなきゃ」
俺はここだよ、と泣いている。
どうか気づいて、と叫んでいる。
誰にも聞こえない。俺にしかわからない。
「わたし」の声だった。
はずなのに。
「作ちゃん、」
「作ちゃん?」
「作ちゃん!?」
「ぁ……!」
「|龍《・》|斗《・》!!」
「う、ぅ、ぁぁぁぁっ……」泣
間違ったまま息をし続け、今更気が付いてしまったんだ。
|居場所《舞台》はもうここにはないと。
「大丈夫」
「そのままでいいよ」
ただ確かな自分を欲して、逃げ込んだ先で見つけた、
「ずっと一緒にいるから」
「今は信じられなくても、いい」
「それでもずっと、そばにいるって、約束する」
「『愛される人』じゃ、なくていいから」
小さな、呪いを解くあの灯りを。
今、私の舞台を終わらせるから。
「確かな自分」よ、
目を覚まして。
私の中で
まふゆさん=作ちゃん
に似たイメージがあることから書いてみました