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心配
一方そのころ
「じゃあ食べていいよ、できるだけ残さないでね。」と碧唯が言うと、「いただきまーす」といって未和が焼き始めた。そこにはたくさんの肉が転がっていた。言わずもがなとれたて新鮮である。美味しい美味しいとバクバク食べる彼女をしり目に、碧唯はため息をついた。ライチが倒れてしまったからである。あまり血が好きじゃないと聞いていたので、拷問は基本水攻めか、椅子に縛り付けて隣で包丁を研ぎ、もう片方では笑顔で鉄バットを構えて話させるドМでも震えるような二択をとっていて、こんなにに生々しいことをやるのは滅多にないのだ。ライチを座敷に寝かし、ほかの人たちに血を拭い、食材をとるように言って、いったんため息をつく。未和は昔ものを食べさせない親が殺され、おなかがすきすぎて人肉を食べるようになったそうだ。もう少し深い話もあるそうだが、いずれ彼女は自分の口から話す日が来るだろう。碧唯は十和に連絡する。澪がラムネ商業本社に向かったことを伝えるためだ。スリーコールで彼女は出た。「ふぁーい、呼びましたー?」「私。澪が行ったよ。」「え、事務所?」「何言ってんの?社長のとこだよ?」「は?社長今部屋いるよ?」「は?」「え、今(闇)鍋パしよーって絡まれてたよ?」「え、じゃあラムネ商業本社にはいない、、、?」「え、もしかして、、、」「うん、行ってくるわ。」「ちょ、武装、、、」「大丈夫、莉里連れてく」「そう、、、援軍必要なら言って。頑張ってね」「了解」電話をプツリと切ると莉里を呼ぶ。そして新入社員だったころの澪に渡されたスタンガンとクナイ一本を懐にしまうと、急いで事情を説明して店を飛び出し、ラムネ商業本社に走った。
概要はこうだ。十和からの電話は何者か―おそらくラムネ商業の重役がやったのだろうが―が偽造したのだろう、まだメールを十和とつないでいないと言っていたため、電話番号も知らず、「あそこ」に住んでいたのに、素直に行ってしまったのだろう。トラップだらけのはずだが、無事だろうか。仲間が死ぬところはもう見たくなかった。碧唯は莉里の案内に従って走った。
なんも考えずに面白そうなほうにしました。