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ただ声一つ
春の風が吹きそよぐ中
僕はうずうず、そわそわとしていた
「好きです。付き合ってください」
あの日から
時間が過ぎるのを待っていた
待ちきれなくて
ノートにこっそり書いたり
「答えはいつ?」
夏の暑い陽射しの下
「ごめん...無理...です。」
そっか
そうだよね
だから______この愛とは別れなきゃ
けれど別れるのが怖くて
楽しかった思い出も消えてしまいそうで
「...ッ、」
泣いてしまいそうになる
昔の僕が出てきて
昔はどんなに小さいことでもチクチクして。
きりがないほどに
すぐに泣いて
秋の木漏れ日の中
ふっと小さな笑みがこぼれた
忘れたフリは疲れたな____
今だって
昔の僕とは変わってない
何も変わっていない
今日だって
傷ついても、隠すために
泣かないように笑っていた
言えないことは言えないでいい
そんな風に、《《気楽》》になれたら
そこまで思って気が付いた
彼女が好きだったんじゃない
彼女の気楽な、明るい考え方なら僕をどうにかできるんじゃないか
そう思っていた
最低だ、僕
いつの間にか
季節は冬へ
吐息が白く凍る
この世の中は解けない問いがありすぎて
なにをするにも不自由で
けれど
さっぱりきっかり前向いて
なんて
しないでいい
そう呟き、
僕は暖炉に木をくべた