公開中
動物園育ちの小さな飼育員 ④
私は夜崎 篠(うざき しの)。17歳の女の子。私には双子の彗星 なつ(すいせい なつ)と、妹の神河 柚葉(かみかわ ゆずは)ちゃんがいるの。今から動物園でランチタイム。
---
「ごめん、遅れた~」
「お姉ちゃんたち、早く来てよね。まったく何分待ったと思ってるの?」
妹の柚葉が怒ってる。本当なら柚葉が怒ってる、可愛い~。と言いたいところだが、本当に怒っているみたいだから心の中だけで。
「篠姉ちゃん!今、怒っていてかわいいと思ったでしょ⁉」
「そんなことないよ!でも、可愛いのは事実」
ギクッ、なんて勘の鋭い子。どうしてわかったの⁉まあ、ご飯をおごったら許してくれるよね。
「篠姉ちゃん、ご飯をおごってくれても許さないからね。怒っている途中に可愛いと思うなんて話を聞いていないのと同じだよ!」
ギクギクッ、なんでそこまでわかっちゃうんだよ。この子、何者⁉
「柚葉、篠。喧嘩なんかしていないでご飯食べようよ。混んじゃうよ」
この言葉に救われてご飯を食べた。次に絵を描きに行こうとしたその時、お母さんからメールが来た。
---
<「篠、ご飯食べたぐらいだと思うけどちょっと家に帰ってきてくれないかしら。」
「えっ、今から動物の絵を描きに行くところなんだよ。」>
「そうだよ、今から結構大切なことをするんだよ。(なつ)」>
「一体何があったの?お母さん。」>
<「それがね、家の前に猫が捨てられていたのよ。ちゃんと段ボールの中に入って。でも、私は今骨折しているでしょう?それでお父さんは今出かけているのよ。お願い、この子達を診察して!」
「わかったよ。帰るよ。柚葉に伝えるね。」>
「オッケー、じゃあ、帰ろっかな。絵が描けないのは残念だけど、、、。(柚葉)」>
「そうだねって柚葉⁉どうやってここに入ったの⁉いつの間に⁉」>
「やり方分かったの?ってかスマホ持ってたの⁉(なつ)」>
<「柚葉はとっくの昔に入っているわよ。そんなことより、早く帰ってきて!」
「もう帰っている途中だよ。」>
<「助かるわ」
---
帰ってドアを開けた瞬間、猫の鳴き声が聞こえてきた。どうやら一匹ではないよう。
「この子達よ、全部で3匹いるわ。お願いね。診察して頂戴。無理ならいいけど」
お母さんが私たちができると思っていないみたい。
「お母さん、任せてよ。じゃあ、一人一匹で診察しましょう」
「了解!」
私は可愛い三毛猫の赤ちゃん、なつは黒猫の赤ちゃん、柚葉は茶トラ猫(薄いオレンジ色に濃いオレンジ色や茶色のしま模様がトラ柄のように入っている猫)の赤ちゃんを担当したよ。みんな生まれて1週間ぐらいしかたっていないのか、目が少ししか開いていない。でも赤ちゃん猫は結構人気だからもしかしたら、飼い主さんになってくれる人がいるかもしれない。でも、お母さんが
「こんな小さな猫ちゃんたちを、どんな人とか場所かもわからないところに連れて行ったら、、、。もし危ない目にあったらどうするのよ。とにかく私たちで育てましょう。でも、あと1週間でみんな帰っちゃうんでしょ?じゃあ、篠となつと柚葉で一人一匹にしましょう。そうしたら育てやすいでしょ?」
お母さんがものすごい変なことを言っている気がするけど、つまり、私となつは猫を持って帰れってこと⁉さすがに無茶だけど、、、。まあ、可愛いしいっか!そうと決まったら猫を選ばなきゃ。
「みんな、さっき診察した子でいいんじゃない?そっちのほうが覚えやすいじゃん」
私たちは柚葉の意見に賛成して、私は三毛猫、なつは黒猫、柚葉は茶トラ猫の赤ちゃんを育てることに。でも、あと5日間ぐらいはみんなで育てるよ。