公開中
第7話「魔王軍、汚れすぎ問題」
王都に緊急の報せが届いた。 「魔王軍が南の砦に接近中!兵士たちが次々と倒れています!」
誠は呼び出され、王様に言われる。
「清浄騎士よ、そなたの力が再び必要だ。砦を救ってくれ!」
「いやいや、俺戦闘スキルないんですけど!? モップしか持ってないよ!?」
それでも馬車に乗せられ、南の砦へ。 到着すると、兵士たちはぐったりと倒れていた。
「毒か…呪いか…?」
誠が砦の空気を感じ取ると、鼻をつまんだ。
「…くっさ!これ、ただの“魔王軍の体臭”じゃん!」
魔王軍は、長年の地下生活で風呂に入っておらず、全身が“穢れ”そのものになっていた。 兵士たちは臭気で気絶していたのだ。
誠は叫ぶ。
「掃除魔法、全力発動!モップ・オーバードライブ!」
巨大なモップが空を舞い、魔王軍の前線に突撃。 洗浄光が広がり、魔物たちが悲鳴を上げる。
「目が!鼻が!清潔すぎるぅぅぅ!」 「俺たち、汚れてるのがアイデンティティなのにぃぃ!」
魔王軍は撤退。 砦の空気は澄み、兵士たちは目を覚ました。
「なんだこの爽快感…」 「俺、今なら残業も耐えられる気がする…!」
誠はモップを肩に担ぎながらつぶやいた。
「俺、異世界で“芳香兵器”になってる…」
だが、魔王軍の本隊は、さらに強烈な“汚染兵器”を準備していた――。