公開中
わたしちゃん目線
告白シリーズの二次創作。ifストーリーなら行けるんじゃない?ってコメントあって、いいなーって思ったので。あ、ちなみに`成就する`ので。成就するから。原作は全然だけど…これこそが二次創作の特権です。もしかしたらキャラ崩壊あるかも。
今回はわたしちゃん目線。ぼくくん目線もやったので、読んでくれると嬉しい。
ね〜………前置き長くなったけど、それではどーぞ。
校門を出る前に、トイレの鏡の前に立つ。
クシで髪を丁寧にといて、いつものボブヘアにする。セーラー服の赤いリボンは曲がってないかな。鏡の前で、にっこり笑顔を作る。いつもの笑顔だけど、今日は特別だ。
ぼくくんは気づいていないかもしれないけど、こういう細かいところが大切だ。
「よしっ」
そう呟いて、校門を出た。イチョウや紅葉の並木道が綺麗で、そこにあるベンチがいつもの定位置だ。
わたしと、ぼくくんの。
「ごめんごめーん!待った?」
今日こそは、告白する。
ぼくくんのことが好きです、って。
「全然待ってないよ」
本当はずっと待っていたんだろうな。
そう考えながら、もう一度、頭の中で練習する。
「なあなあ」
「何?」
ぼくくんに話しかけてみる。
でも、思うように言葉が出てこない。ただ一言、12文字を言うだけなのに。
赤くなっている顔をぼくくんが見ていないことが、唯一の救いな気がする。
「…何?」
待てなかったのか、ぼくくんがまた尋ねる。悪いことしてしまった。でも、どうしても言うことができない。もどかしい気持ちを、うまく言語化できない。
「ぼくくんのことが好きです」
そう、呟いてみる。
本当に、微かな声で。
もしぼくくんが聞こえていたら___
「ごめん、聞こえんかった。なんて言ったん?」
やっぱり、届かなかったみたいだ。仕方がない。だって、ぼくくんはなんにも悪くないんだから。
「いや、なんでもないわ。今日はもう帰る」
そう感情にコントロールされながら、下手にはぐらかす。
もうあのベンチには座れないや。あそこ、綺麗だったのに。
---
校内では、殆どすれ違わなかった。もしかしたら、わたしがぼくくんを避けていたのかもしれない。
また、ベンチに行ってみる。座れないって思っていたのに、座っているわたしがいる。すでにぼくくんはいて、少し気まずかった。
いつもは、話題がぽんぽん出てくるのに。今日は何故か、全然出てこない。
「なんで、ぼくを優先したん?」
と、ぼくくんは尋ねる。
「え?」
と思わず聞き返している、わたしがいた。
「いや…だって昨日、途中で帰ったやん」
確かに、昨日帰ったっけ。
「…??」
「今日はもう帰るって言ってさ…ぼくと一緒に話すと、つまらんのかって思った」
「…???」
全然、つまらなくない。
むしろ、楽しい。
「え、どういうこと?」
「わたし、ぼくくんのこと全然嫌いじゃないよ?」
そう言ってみる。
嫌いなんかじゃない。
「………えっ?」
「なんで嫌いって思ったの?まさか、ぼくくんわたしのこと嫌い?」
そう思い切って聞いてみる。
こんな話題を持ちかけてくるってことは、ぼくくんはわたしのことが嫌いなのかもしれない。
「いや、そんなことない!好きやから!」
「やった」
そう呟いているわたしがいた。
「え?」
「ようやく言ってくれたな」
そうぼくくんに言ってみる。
「どういうこと?」
「ぼくくん、ずっと言ってくれなかったからさ〜。昨日言おうと思ったんだけど、約束とか思い出しちゃって」
約束とか、思い出していない。ここらへんは、適当に言っておく。
恥ずかしくなったから、とは、とうてい言えない。
「え?え?え?え?」
「なんでそんな戸惑うん?」
そんなに戸惑うか?とも思った。
「いや、だって…」
「え、だから…」
「うん、いいよ」
付き合おう?
そう言いたいけど、言えない。なんでだろう。
「いいって?」
「もう、そんな言わせないでよ〜。付き合うってことやろ」
付き合う、って呟いた時、すごく恥ずかしくなった。
そして、嬉しくもなった。
「…ありがとう」
そう言ってくれたぼくくんの顔を、わたしはチラリと見た。いつもの倍以上に、ニコニコしている。まあ、わたしもかもしれない。
ぼくくんとわたしで、素敵な生活を送る。わたしの中で、そう決めた。
1590文字。
ぼくくんよりちょっとだけ短くなりました。わざとではございません。
近々ぼくくんの誕生日編も出すので、お楽しみに。
なんでこんなHappyな話を、97%の学生が絶望する日に投稿するんでしょうか。