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シグナル
読み切りです。
今日も不確かなまま今日は始まる。小学校に行くためにベットから体を無理やり起こす。
いつも通り顔を洗って鏡の前に立ち髪を縛る。そしていつも通り笑顔を作る。でもこれもまた少し引き攣って苦笑いになってしまう。
「いつも通り、ね。」
そして
時は流れて高校生。今日も空の下で勉強というなにかに毎日振り回されている。
「またいつか、会えたらな。」
未完成のまま終わった青春に肩を並べて私は歩きたかった。
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私、春乃 海(はるの うみ)は君を、君の日々をどのくらい分かっていて言葉にできるのかな。孤独な日々を過ごす私の底ついた希望もどのくらい君は知ってるのかな。
君は
「弱音や愚痴も良いよ」
って言う。それを信じて私は今日も「今日」というものに挑戦する。
未来の私に笑って見ていてほしいな。それを叶えるために動く。でも「くだらない」って溜息を数える私もいる。
ほんの一瞬通る不安をすぐに掻き消せるくらい、強い君は秘密のあるサインを出してくる。
私は見逃さないように今日も生きる。
今日も不確かなまま相変わらず始まる今日。小学生の時から続けている顔を洗い鏡の前で笑顔を作る。けど引き攣るのもいつも通り。
時は流れ空の下でわからないことばかりの「今日」。
私は今日も弱音や愚痴を吐いて未熟でも挑戦する。
小学生の私、笑って見ててよ。
「くだらない」って。
ほんの一瞬通る不安も君の言葉で駆け抜ける。サインを見逃さないためにも。
「そばにいるから」
その一言を信じ続けるためにも。
いつの間にか時は流れて社会人1年目。
君。空の下で今、何が見える?
私は今日も始まった「今日」に立ち向かう。
最近の日常の流れ落ちる涙拭っていつも通り鏡の前。ほら元通り。
大人になって子供に戻って思い通りに青春と肩を並べて歩く。まだ未完成な私たちのままで。
私は走り出す。時空を遡っていく感覚がなぜかある。
いつも通り不確かなまま始まる今日は変わらず鏡の前から。顔を洗って髪を縛り笑顔を作り苦笑い。
時は流れ空の下。社会人1年目の私の空を戻り小学生の空に。
この時も今も分からない事ばかり。
でも。揺るがない思い出だけは。抱きしめてまたいつか未完成な私たちと青春と肩を並べて歩くために。
私は今日も「今日」を生き抜くためにスタートを踏み出す。
ゴールまで描く未来像。100通り思い描くけれど君はそこにいる。
「好きにやってだめならまた戻ってこれば」
君のあの一言を胸に私は今日も走る。そして「今日」を耐える
ゴールまでは長い。勢いで空回りすることも無駄じゃない。
何度でもあの思い出を出して過ごしながら。私は今日も「今日」を過ごす。
読んでいただきありがとうございました。誤字脱字あったら教えてください…