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プロローグ
心操人使くん落ち。
原作沿い。
自己満です
名前変えられません!
過去が重い人よりは軽くて。
過去が軽い人よりは、少しだけ重い。
きっと、私の過去はそんなもの。
誰かに話したって、
「それくらい、よくあることでしょ」
って言われるくらいの。
そんな、普通の過去。
――でも。
私にとっては、ずっと心に残っていることだった。
「うさぎだからって、可愛い子ぶってるよね〜」
「分かる。あれ絶対調子乗ってんだよ」
「か弱いうさぎってやつ?」
そんな言葉を、陰で言われたことがある。
もちろん、直接言われることもあった。
笑いながら。
からかうように。
まるで、それが当たり前みたいに。
私は、自分の耳を見た。
頭の上に生えた、二本の長い耳。
嬉しいとぴんと立って。
驚けば勢いよく跳ねて。
悲しいと、しゅんと垂れる。
私の個性――『ウサギ』。
うさぎの身体能力を持つ個性。
高く跳べる。
速く走れる。
耳がいい。
反射神経だって、人よりちょっといい。
……それだけ。
個性なんて、何になるかなんて分からない。
生まれたときから決まっていて。
自分では選べなくて。
じゃあ――
もし、私が兎じゃなかったら?
この耳がなかったら?
ふわふわの尻尾がなかったら?
君たちは、何を言うの?
私は、他人の考えていることを知る個性じゃない。
だから、本当のところは分からない。
あの言葉に、どんな気持ちが込められていたのか。
私のことを、本当にどう思っていたのか。
……でも。
これだけは、なんとなく分かる。
私が兎じゃなくても。
きっと、同じことを言う。
耳がなくても。
尻尾がなくても。
別の個性だったとしても。
きっと、何か別の理由を探して。
「調子に乗ってる」
「可愛い子ぶってる」
そう言うんだ。
だから。
私は決めた。
『……ヒーローになろう』
見返してやりたい。
私を笑った人たちに。
私を決めつけた人たちに。
――私は、私だって。
可愛いだけじゃない。
弱いだけじゃない。
うさぎだからって、戦えないわけじゃない。
むしろ。
『……私、結構強いんだから』
そう言って、私は自分の耳をぴんっと立てた。
そして。
目の前にそびえ立つ、大きな門を見上げる。
雄英高校。
それは、ヒーローを目指す者なら誰もが一度は憧れる、国内最高峰のヒーロー育成校。
ここに決めた。
ここで、私はヒーローになる。
誰かに決められた私じゃなくて。
私自身が決めた、私になるために。
『……よしっ!』
胸の奥で、小さく拳を握る。
不安はある。
緊張もしている。
それでも。
長い耳は、まっすぐ空を向いていた。
――小鳥遊蘭。
これは。
ひとりの少女が、自分自身を好きになるための物語。
そして。
まだ知らない誰かと出会って。
少しずつ、世界が変わっていく物語。
その始まりは――
春の、雄英高校だった。
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設定
小鳥遊 蘭(たかなし らん)
雄英高校ヒーロー科1-A所属。
個性は「ウサギ」。
ピンク色のうさぎ耳としっぽを持つ、天然で元気な小動物系女子。
高い跳躍力と脚力を武器に戦う。