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FAKE OR TRUE?4つの寮と禁断の恋
一通の招待状
『〜女子特別招待枠〜招待状 HDSC school
あなたは本校に入学するに最も相応しい者として選ばれましたことを表します。
4月2日に学園でお会いできることを楽しみにしています。
なお、4月2日の午前7時5分にご自宅の家の前でお待ちください。
HDSC school』
「HDSC school ってなんだろう?」
金色の封筒に入った一通の招待状をもらった少女は謎に思うばかりだった。
……それもそうだ、あまり詳細の明らかにされていない謎の学園
それでも年に一度だけ4月1日に決まって選ばれしものがもらう招待状……
だが彼女は特別だった
ー金色の封筒に入った招待状ー
それは
一学年に二人しかいない選ばれし者の中でも選ばれしもの「JOKER」を指している。
まだそのことを彼女は知らない…そして彼女の名前は×××
「へぇ〜×××ね、はぁ、今年の一年生はどんな子が入ってくるのかな?楽しみだな〜」
「×××かぁ〜、カッわいい♡ 絶対‘‘俺’’のにする〜♪」
「×××、俺の好みじゃん!俺のドンピシャ好みなんだけど!超そそる〜」
「……女……ダル」
彼等が学園で×××の噂をしていることをまだ×××は知らない…
そして、波乱の展開になることも…
全校生徒が知らなかった……
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選ばれし者「JOKER」 ー4月2日ー
ー4月2日ー
「え?い、いつの間に?」
朝起きて、彼女が郵便受けを見たら、彼女の郵便受けの中には制服とランドセルが入っていたのだ…
「昨日の、夢じゃ無かったんだ…」
昨日彼女はヘイドスティック学園・通称HDSCについて少し調べてみたのだ。
だが……
「調べても何も出て来なかったんだよな〜」
彼女は知らなかったが、HDSC学園は国家機関レベルの厳重な警備体制がなされているのだ
「えっ!嘘、もう七時?確か七時五分に家の前だったよね、制服着ないと!」
このとき彼女は…いや彼等は知らなかった
これが大波乱の幕開けだと言うことが…
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HDSC school ヘイドスティック学園 ー4月2日ー
「えーっと、ここであってるよね?」
時間通りに家で待っていたら大きなバスがやってきて乗ってみたけど…
で、で、で、デカくない?
いやもんもでかいんだけど、それ以上に校舎が…
「…えーっと、君新入生?」
だ、誰?
綺麗に茶髪に片耳だけ開けたピアスがいいバランスに、この人顔面偏差値高いな〜
いや、違くて…
「そ、うですけど…」
「じゃ、封筒見せて!」
ふ、封筒?そんなん見て何になるの?
とりあえず、言われた通り封筒を見せてみる。
「…え?君JOKER?」
「JOKERってなんですか?」
「ふーん、君がね…ま、確かにそこらへんの女よりは断然綺麗だけど…」
綺麗?この人美的感覚おかしいのかな?
見事に私の質問スルーされてる様な気がするのは気のせい…ではないと思う
「校舎一緒に入ろ!」
「あ、ありがとうございます。」
ちょうど迷子?分かんなくなってたから助かった〜
「失礼します。そこのお嬢さん、封筒をお見せください」
あ、私のことかな?
「はい」
「おぉ!これはこれは失礼いたしました。どうぞこちらへ、ご案内致しましょう」
「ちょっと待った。彼女は俺が送ってく。いつもご苦労様」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「行こうか。」
「はい!」
「っ!」
ん?どうしたんだろう?
あ、そういえばお名前きくの忘れてた!
「あの、」
「ん?なんだ」
「お名前、教えてくれませんか?」
「あぁ、名乗り忘れてたね、これは失敬。俺の名前は… 鏡音樹仁だ、樹仁で構わない」
「わかりました。樹仁さんですね。」
「タメ口で構わないよ」
「でもそれは…」
一応先輩だと思うし…
でも、先輩の目がキラキラしてるし…
うっ、すごい罪悪感
「わ、分かった」
声、ちっちゃくなっちゃった…
ちらっと先輩の方を見ると…
「っ!!」
なぜか顔が心なしかほんのり赤くなってる気がした。
「やばい、クール系かと思ったけど可愛いなこの子」
「ん?何か言った?」
「大丈夫、気にしないでね」
「はーい!」
「さぁ、ついたよ、ここが本校の校舎だ…」
うわ、門から見た時も思ったけど、すごくおおきい、ここの校舎!
「一年生は2階のフロアだよ、今日は組み分け式と色分け式かな?」
ん?色分け?組み分け?
「とりあえず。教室に入るといいよ。 一緒の組になれるといいね」
樹仁さんはどこなんだろう?
「あの、樹仁さんはどこなんですか?
「俺?俺はね、今日わかるよ?」
え?樹仁さんも新入生?
なんて考えが頭をよぎったけど、流石にないか。
「じゃ、またね〜」
このとき私は知らなかった。
彼がDIAMONDの組長だってことを。
彼が彼女は「BRACKのJOKER」最強のJOKERだって予測してたことを
波乱の展開はここから幕を「今」開けた
彼女の名前は
桐谷紗希
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全校集会
ーその名もポーカー
ー全校集会ーその名も ポーカー
なぜかそう呼ばれているんだって。
「ここって、トランプが好きなのかな?」
まぁいいや!
「ね、ねぇ 友達なってくれるかな?」
「はぁ、あの子は人気でいいな〜、私みたいにブスじゃないからかな〜?」
「いいよ!私なんかでいいの?」
「うん!麻里奈ちゃん可愛いね♡」
「ありがとう♡」
みんなの注目の的にいるのは麻里奈ちゃん
なんせJOKER候補なんだって
「あんな可愛かったらね〜」
1学年に二人しかいないJOKER組長とお近づきになりたい人にとっては、重要なんだって
「まぁ、私には関係ないけど〜」
「それではポーカーが始まります。みんなついてきて」
ポーカー?
「ポーカーとは学年全体が集まりイベントや行事が行われることだ、今回は組み分けと色分けの式、それにJOKERの発表もある。」
そいえば樹仁先輩も言ってたけどその式ってなんだろう?
「聞き逃しの無い用に」
え?先生私のこと見てる?
そんな信用されていないかな〜?
先生が見ていた本当の理由なんて知らなかったんだ、いや知る余地もなかったんだ
樹仁「紗希ちゃんまだかな〜」
××「誰だそれ?」
樹仁「JOKERしかも最強の子だよ」
××「…女…」
××「どんな子?楽しみ〜」
××「消してやる…」
組長が私の噂をしていることさえも
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「ここがポーカーの開かれる会場だ」
え?ひっろ!
ここって敷地余ってるのかな?
「「「「キャー」」」」
組長達よ!
組長?
「へ?」
組長と言われた人の中にはまさかの樹仁さんもいたのだ
「嘘…」
当の本人はニコッと効果音がつきそうなほど私を見て笑っている
「どうなってるの?」
「えー、それでは組み分けの式と色分けの式を始めます。その前に今年度のJOKERの発表です。」
「麻里奈ちゃん来たよ!」
鏡もないのに前髪を直している
「麻里奈ちゃんはJOKER中の最強BRACKJOKERだよ!」
「…REDJOKER Ⅰ年Ⅰ組 麻里奈」
「「「え?」」」
「麻里奈ちゃんがBRACKJOKERじゃないの?」
「じゃぁ、誰よ?」
「…BRACKJOKER Ⅰ年Ⅰ組 紗希」
「紗希って誰?」
いや、まぁ存在感なかったからみんなわかんなくて当然なんだけど…
「私?」
嘘。嘘嘘嘘
樹仁先輩絶対知ってたでしょ…
「それでは初めにJOKERの組み分けを行いますので、JOKERのお二人は前へ」
うっ、全校生徒の視線が辛い…
「…彼女の中に眠るのは温暖・熱を溶かすのには丁度いい」
「CRABE」
CRABEってとこに行けばいいのかな?
「…こっちだ」
CRABEの組長さん?
女嫌いそうだから話しかけないでおこう
「…お前は他の女みたいにキャーキャー騒がないんだな」
「騒いだってうるさいだけですよ」
「そうじゃないんだが…」
ん?騒いだらうるさいよね
「ここだ…」
ついてきた先には……
お城とも言える
寮室だった
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憎い奴
〜麻里奈side〜
BRACKJOKERそれはこの学園の最高値
そして私が何よりも欲しいもの
その発表のために、組長にお近づきになるために、着飾りメイクだってした。
そして発表
「REDJOKER 麻里奈」
え?
私は絶望に落とされた
REDJOKERだって学園で2につける高い地位
でも、でもでもでも
1位じゃない
私が欲しいのは 1 その裕福と思える綺麗な数字
2 私が世界一嫌いな1の次の「 落魄れたおちぶれた」数字
「BRACKJOKER 紗希」
誰よ、誰々誰?
紗希って誰よ
「っ!」
樹仁様まで、私を嘲笑っている顔
私が嫌いな顔
絶対に覚えてなさい
醜い奴め
〜麻里奈side end〜
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組長
〜CRABE組長 時雨 side〜
2回目だここで人の入学を見るのは…
「BRACK JOKER 紗希」
「やっと紗希ちゃんの発表だよ、麻莉奈な訳ないのにね〜、期待しちゃって 馬鹿みたい」
「お前、裏の顔出てる」
「おっと。俺は紳士でいないとね」
「どの顔が言う」
「でも時雨君良かったね!」
「あ?」
「変に媚び売ってくるやつじゃ無さそうじゃん」
「…それもそうか?」
「さて、迎えに行ったらどうだい…王子様」
「…俺は王子様キャラじゃねぇ、悪魔だよ」
「…悪魔ね」
はぁ、BRACKJOKERは俺(組長)が直々に迎えに行かないといけない…って誰が作った決まりだよ…
「行ってらっしゃーい!」
「チッ」
これから俺が紗希に
骨抜きにされるなんて…
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私が苦手なもの
〜紗希side〜
えーっと…
「………」
ずっと無言だし、女の子苦手なのかな?あと、誰?
「ごめんなさい、あなた誰ですか?」
驚いたように目を見開く謎の彼
「………」
「ごめんなさい、男の人に興味なくて…」
というか、半ば苦手で…
「………」
なんかまずいこと言っちゃったかな?
「………」
うん、無言
「…CRABE組長、露印時雨」
「えーっと、露印?さん。どこに行ってるんですか?」
「…俺の部屋」
女の子苦手なのにいいのかな?
これから知らされる事実は
甘くて
切なくて
それでいて
苦かった
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露印時雨
「…ここ、座って」
連れてこられたのは露印さんの部屋
……広い
「初めに、BLACK JOKER のお前には話さないといけないことがある。お前、HDSCここについては知っているか?」
「いえ、知りません」
「分かった、まずここは4つの寮からなる学園だ、学園の中にも地位があり、1番上が DIAMOND HEART SPADE CRABE そして BLACK JOKERお前 2番目は RED JOKER と、各組の副組長だ、ここまではいいか?」
首を縦に振る
「この学園はおよそ150年前からある、英国の由緒正しき学園だそのこともあって、したきりがある。」
「したきり?ですか」
「そうだ、まず1つ目として…」
露印さんはそこまで言って…
「BLACK JOKERが配属された組長はBLACK JOKERと初夜を迎えなければいけない…という胡散臭い決まりだ」
「初夜…?」
何それ?
「お、お前初夜の意味知らないのか?」
「ん?みなさん知っている物なのですか?」
「はは!気に入った!お前面白いな」
「ん?」
ちょっと言ってる意味はわからないけど、気に障っていないならいいや
「お前、露印呼びは禁止な、タメ口にしろ」
急に俺様口調…
「どうした?」
「えーっと、露印ーー」
ムッと睨まれて黙る
「あ、時雨君は私と初夜?を迎えるのは嫌なの?あと、初夜って何?」
「お前本気で言ってるか?」
「知らないものは知らないんだもん」
「だもんとか、可愛すぎだろ」
ん?なんか言った?
「まぁいいや、初夜っていうのは、性行為ってこと、わかった?」
そういうのに疎い私でも流石にわかった…
コクコク
「わかってもらえてよかった…ってことで、今夜楽しみにしててね♡」
うっ
「これは甘〜いお話…次は苦〜いお話」
「俺たち組長は自分の寮生と結ばれた時、初めてこの学園から解放される」
え?
「つまり、今年中に俺たち組長は愛する人を見つけないとこの学園から出られないそして、進級できないってこと」
そんなの…
「だから、俺の一年前の組長たちは好きでもない相手と結ばれたよ」
「そんな」
「そうだよね、そんなの酷だと思うよね、だけど、それが運命なんだ、しょうがない」
「嫌じゃ、ないの?」
「初めは俺だって、嫌だったよ。女が無理っていうのもあったしね。でも」
そう言いながら私の髪を一束すくって、愛しそうに口付けをする
「な、何してるのっ!」
「なぁ、紗希」
名前呼び!
「これから覚悟しとけ、お前のこと全力で堕とすからな」
鈍い私でもわかるよ、顔面偏差値の良さ+声がいいんだもん
「ここまで堕ちたら優しい口付けをしてやるよ」
「もう!怒りますよ」
「そんなこと言ったって、可愛いだけだぞ!」
「酷い…」
「じゃ、今日の夜な」
うっ
「はい…」
「タメ口…」
不貞腐れている姿がなんだか可愛くって、笑っていたら
「もう行く!」
拗ねちゃった
「じゃぁ、部屋で待ってて、それじゃ」
ドアノブに手を掛けたと思ったら
…急に時雨君の顔がドアップに
「チュッ♡」
「え?」
「赤くなってる、かーわい♡」
「じゃあな」
最後に耳元でつぶやかれた声は
とても甘くて
それとなく、どこか 切なさが含まれている気がした。
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初夜?
「ただいま」
う、目が合わせづらい…
「赤くなってる、かーわい♡」
「あ、あのほんとに、その…するの?」
「ん?俺とは嫌?」
耳が見える、子犬だ…!
嫌じゃないけど…
こういうのを母性本能がくすぐられるって言うのかな?
「い、嫌じゃないよ」
「ほんと?」
「うん」
「そっか、よかった…じゃ」
ドスッ
「きゃ、え?何すーーー」
これから先は言えなかった。
だって時雨君のそれが私のそれに当たったから
「ちょ、時雨君!」
もう息ができなくて時雨君の胸板を叩いた。
硬い、可愛いけどやっぱり男の子だな…
「ごめんごめん紗希が可愛くて…」
やっぱ冗談だよね…
ファーストキス奪われちゃった…
「てことで、ベットでしよっか!」
「え?」
終わりって意味じゃなかったの?
「よっと」
ひょいっと時雨君に抱えられてベッドに降ろされた
「あ〜、可愛い♡」
「待って時雨くーーーーー」
チュッ
「あ、ふぁ。し、ぐれく、ストッ、プ」
胸板を叩いてもびくともしない、硬い男の子の体
「やっば、俺やっぱ理性保つの無理だわ」
「ひゃ!」
時雨君の冷たい手が服の中に入ってきて、背中をなぞる
「もうこれ以上は…」
「っ、チュッ」
「はぁはぁ」
「俺紗希の事好きだ、これ以上は抑えられない、それでも…いいか?」
こんな出会ったばかりの人に「好き」って言われて、ほんとはそんなことないはずなのに
無性に「いいよ」って思っちゃう
この感情はなんなの?
「…紗希?」
時雨君だったら…
私が出す答えは一つ
「…いいよ、時雨君だったら」
この夜二人は一つになった。