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ep.1 心では馬鹿にしている早熟な子供。
パァーン、パァン、パン____
訓練場に、銃声が響き渡る。
そこでは、沢田凛都が銃の訓練をしていた。
「朝から殊勝なことだな。」
よく通る声が凛都の耳に届く。
そこにいたのは、凛都の先輩_佐々木明日花だった。
「リン、お前に話がある。面倒を見てほしい奴がいる。おい、こっちに来い。」
明日花の背後から小さな子供が姿を現した。
歳は、小学五年生だろうか。
金髪碧眼のハーフのような見た目だった。
「こんにちは。沢田凛都さん。お初にお目にかかります。シアンと申します。お話があり、お伺いに参りました。」
その子供はシアンといい、少し、いや大分、大人びた子供だった。
「初めまして。シアン。話ってなにかな?」
凛都は微笑み話しかける。
「子供扱いしないでください。僕はそこらへんのガキとは違うんですから。」
シアンはあからさまに不機嫌になる。
よほど、子供扱いされたくないのだろうか。
可愛げのない、生意気なガキだ。
「シアン。人の厚意を無下にするもんじゃねぇぞ。」
凛都は威圧をシアンに向ける。
「えぇ、何ですか?その目。怖いですねぇ。てゆうか、厚意ではなく、お節介ですよ。迷惑だと言っているんです。オブラートにつつんだのですが...ご理解いただけませんでしたか...空気が読めないんですかね??」
丁寧な言葉遣いだが、凛都を馬鹿にしているのが見てわかる。顔こそ微笑んでいるが、目の奥底では完全に笑っている。
「2人とも落ち着けー。仲がいいのはいいことだが、一旦話を聞け。」
「仲良くない!!!」「仲良くねぇ!」
明日花が2人仲介へと入った。
2人は一旦、散らしていた火花を収める。
「単刀直入に言う。2人にはバディになってもらう。そして、一緒の部屋に住んでもらうことになった。上からの命令だ。」
「「は?」」
2人は驚き、口が半開きの状態だ。
「そんなの、聞いてませんよ!」
先に口を開いたのは、シアンだった。
「バディになることは知っていましたけど、同部屋だなんて聞いてません!なんでですか!こんな奴と一緒になんて住めません!」
シアンは怒りで明日花を捲し立てる。
明日花は飽きたのか、タバコを取り出して一服しようとしている。
「上からの命令だっつってんだろ。一回じゃ分かんなかったのか?」
明日花は咥えタバコをしながら、呑気に答える。
「上には逆らえねぇんだよ。殺されるぞ?それでも、いいんだったら凸ってこい。健闘を祈ってるぞー。」
「どうしてそんな他人事何ですか?あぁ、もう頭が痛い...仕方がありません。非常に不服ですが、あなたと同部屋になりましょう。本当はとても嫌ですがね!」
こうして、凛都とシアンの生活が始まっていくのだった____
ぜひ、続きを読んでくださると嬉しいです。
※複数の小説コンテストに応募している作品です。
作品名作者名ともに記載okです。