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狐面青年は全てが面倒くさい-2
「目的に、異能力……」
敦が繰り返す間に、太宰は机に伏せながら呟く。
「目的は私でも正直分かんない」
「貴様が分からないのであれば乱歩さ──」
「僕も、今回ばかりはさっぱりだな」
「なっ……!?」
カラン、とビー玉が音を響かせる。
空気が重い事務室で、はいっ、と明るい声がよく通った。
手を上げているのは宮沢賢治だ。
「他にFOXの被害は出ていないんですか?」
「特務課とマフィアの情報によれば、一件も無いね」
「つまり、裏社会の組織だけを狙っている……。とりあえずですけど、僕達が襲われる心配は無いんですかね」
ふぅ、と息を吐く東西のヘタレ。
だが“捕縛”と藺生目的がある限りは敵対せずにはいられない。
「私も聞きたいことがある」
「どうしたんだい、鏡花ちゃん」
「何故、異能力者と分かったの。異能の詳細は分からないけど、使用している?」
「現場には何も痕跡が残されていないようなんだよね。だから“完全犯罪”のような異能の可能性が高い。まっ、ただのスゴすぎる一般人の可能性もあるけどね」
太宰の言葉に、国木田は二年前を思い出していた。
“蒼の使徒”。
彼の事件で太宰は“|人間失格《異能力無効化》”という確実に戦闘能力がない中、事件の解決へと導いた。
スゴすぎる一般人の可能性。
それを国木田は捨てきれなかった。
「そもそも、何で裏社会の組織ばかり狙うんでしょう……。何か揉めたりしたんですかね?」
「金銭のやり取りとか?」
「……単位が少ないんだろうな」
「乱歩さん、何か云いましたか?」
「いや? もう少しラムネでも飲んで考えてみるよ。てことで国木田ぁ、ラムネ取ってきて~」
はい、と国木田は部屋を抜け、資料と何とも言えない雰囲気が辺りに満ちた。