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とってもやさしいひと
優しい人と付き合いたいですよね~。
ちなみにボクは、恋人がいまth((黙れw自慢すんじゃねー!
とってもやさしいひとがいたの。
あたまなでなでしてもらえたし、やさしいことばをかけてもらった。
とっても、うれしかった。
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「おい!! 何してんだ馬鹿!! お前、もう高校生だろ!! こんなこともできないのか!! お前は役立たずの失敗作だ!! 失敗作はこの家にいらないから出てけ!!」
そう、おとおさんにいわれた。
しっぱいさく?
なんだろう、それ、おいしいのかな?
あたしはいわれたとおりにいえをでる。
こうこうせいなんてこともいってたけど、なんのことかさっぱりわからない。
あたしがどこかのまちをふらふらしてたら、だれかにこえをかけられた。
「あの、君、こんな時間にどうしたの?」
「こんな……じ、かん?」
「え、君、身長とか、体つきから見て、高校生……じゃないのかい?」
「! こうこうせい! こうこうせい!」
いみがわからなかったけど、こうこうせいといっていた。めのまえのひとも、おとおさんも。
「教育が、なってない。まるで幼児のような佇まいだ。どうしたの? おうちの人は?」
「おうち、わからない。おとおさん、でてけ、いわれた、あたし、ここ、いる」
なにをおもったか、あたしのうでをつかんで、どこかにいこうとした。
「あたし、どこ、いくの!?」
「交番だよ。ちゃんと……おとおさん? に迎えに来て……」
めのまえの、あたしのうでをひっぱるひとのことばがとまった。
なんか、あたしのからだをじろじろみてくる。
なんだろ。あたしのからだに、なんかついてる?
「君っ――」
そういうと、うでをつかんだまま、はしりだしたから、それにつづいた。はしるのは、はじめてだったから、まねした。
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なんか、はこのまえについた。
これを、いえというらしい。
「君、おとおさんに虐待されていたんじゃないか? 体にたくさんのあざがある。つらかったろう。……本当は、犯罪になってしまうのだろうけど、これは、保護だ。保護。誘拐なんかじゃ、ないんだ」
「ほご、ゆうかい、はんざい、ぎゃく……た、い? あざ?」
どれもしらなかった。
「……まず、勉強から始めよっか」
「? うん」
それからあたしは、かんじどりる? やら、けいさんどりる? とか、やらされた。
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そして私は、高校三年生になった。
年は18歳。十分な大人だ。
あの時私をこの家に入れてくれた、勉強を教えてくれた、リアさんは、『この3年間で小1から高3の勉強までこなすなんて、天才だ!』とか言っていた。
そういうものだろうか。
実際、高2までのものは簡単だったし、高3の内容も、だいたいは頭に入っている。
私は、虐待されていたらしい。
ある程度の言葉を知ったときに、改めて聞かされた。
生まれてから、何も教えられなかった。
あんなに、やさしい人に拾われるなんて、私は、ラッキーだと思う。この家に来て最初のほうは、頭を撫でられたり、かわいいねといってもらえたり、とってもやさしいひとだなと思った。それは今も変わってない。
幸せだと思う。
改めて、言わせてもらいます。
「あの時は、本当にありがとうございます。そして、これからも、よろしくお願いします!」
そして、私のスピーチが終わった。
大きな拍手が鳴り響く。
気持ちがいい。
視界に見たことあるような顔が見えた。が、誰かわからないので、無視することにする。
本当に、リアさんに拾ってもらえて、幸せと思う。
おわりです!
虐待は、ダメですよ!
そして、本来、知らない人についていくのは、危険行為ですから、ついていかないようにしてくださいね!
それにしても、3年間で高3の内容がばっちりって、マジ天才かよ!!
いいな~天才って。