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作者の周りの人から着想を得ています
『私は、こんなこと望んでいなかった。』
多分そう信じていたいだけだろう。
『私は異常なんかじゃない。』
多分異常という概念を超えてしまっているのだろう。
『どこから異常になってしまったの?』
多分全部君と出会ったせいなんだ。
それも、全て生まれてきてしまったのだから。
*
とある春の日、騒々しい学校の昇降口で私は上を見上げた。クラス替えで貼り出された名簿に目を通す。上から14番目に私の名前。そして上から15番目の名前に目が止まる。「|北山結愛《きたやまゆあ》」。それは私の幼馴染の1人の名前だった。昨年度までは最近あまり話しておらず、クラスも別だった。取り敢えず、友達に声をかけながら新たな教室へ歩みを進めた。
教室は3階だ。それも私がこの学校の最高学年となったからだった。基本的にはこの学校を卒業するとそのまま皆は地区の公立校へ進学していく。この県は進学のハードルを下げる取り組みとして地区の公立校への進学の場合受験がいらない。入学後は授業料が必要ない。勉強嫌いの子どもが殆どの世の中、そうそう進学のために受験するなんて人は学年に数人しかいなかった。しかし、私は昨年から国立の学校を受験することを決めていた。これは親友以外誰にも言っていないが決断は揺るぎないものとなっていた。
教室へ入り、中を見回して自分の席を探す。年度初めなので席は出席番号順だ。私の席は教室の真ん中あたり。「|岸原愛美《きしはらあいみ》」そう書かれた席に鞄を置いて筆箱を出す。親友は生憎別のクラスなので鞄をロッカーにしまって席の近い人と喋ることにした。
「おはよう」
「おはよう、同じクラスなんだね」
私が声をかけたのは、北山結愛だった。私の席の右隣り、もう準備を終えた彼女は私に話しかけてもらうのを待っているようだった。
そこから結愛と私はよく話すようになった。帰り道も同じ方向だったから、毎日のように一緒に帰った。
仲良くなっていったけど、修学旅行とかの行事で同じグループになることもなかった。
結愛と仲良くなって分かったのは、結愛も私も、好きなキャラ…推し同士の恋愛が好きな…俗に言うカプ厨だっていうこと。仲良くなり過ぎてお互いにお互いがなくてはならない存在になってしまったことに気づいたのは大分後のことだった。