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短編練習 その1 能力編
どうも、勿忘草です!!
なんとなく空いた時間に考えていた能力にまつわる短編を書いてみました~
駄文なのでクッソ拙いですが、感想とアドバイスを貰えると嬉しいです。
では本文どぞ!!
「あ、陽太が立ったわ。貴方」
「陽太、流石俺の子だなぁ」
ある昼下がりの商店街。
ほんの赤ん坊が外でベビーカーにつかまり立っていることに感激する夫婦の姿が見える。
そこら中にある、当たり前の景色。
「ねぇ、貴方。こんな風にこの子が幸せなら今死んでもいいk」
そして、当たり前とは硝子の様にもろいものだという事を忘れてはならない。
妻の方が死んでもいいと発言した瞬間に死神が現れ首が飛ぶ。
当然、周りでは悲鳴や怒号が飛び交いその場から我先に、と離れようとする。
当たり前が一瞬で砕けた中で一人何事も無いように青年が立っていた。
大正ロマンとでも言うべきか、袴にマントという書生の様な今時珍しい格好をしている。
何より珍しいのは、その青年の背中に死神が憑いている事だった。
夫はその青年に飛びついた。
何しろ先ほど妻の首を飛ばした死神が憑いているのだ。居ても立っても居られないだろう。
「お前のせいで妻は死んだ、どうしてくれるッ」
青年は少しの間を置いた後やっとこの騒ぎの事か、と気づいたようで
「確かに僕のせいでもあるかもしれない、けど半分は貴方の妻の自業自得じゃないかな?」
夫はわなわなと震えた。
「そんな訳ない、妻は何もしていない、死神を連れている奴に何を、何を言われても......」
そして、青年に飛びついた状態のまま泣き崩れた。
今先ほどまで沢山の人の中で小さな幸せを噛みしめていただけなのに何故こうなってしまったのか。
この姿を哀れに思ったか、それとも早く終わらせてどこかへ行きたいと思ったのか青年はゆっくりと夫の手を外しながら話し始めた。
「そうだねぇ......。まぁ信じるとも思ってないけどこの死神、いや能力を持っている者の義務なのかもしれないね。説明してあげよう」
青年は、にこりと完璧な笑顔を顔に浮かべた。
この状況では寒気がするほどの
「この、能力は戦場に居た時に瀕死の爺さんから押し付けられたんだ。内容は自分の一歩の長さを半径として死んでも良いと発言した奴の命を刈り取る。」
青年は愉快そうに鎌を振る真似をしている。
何が楽しいのか分からない、コイツと絡んだのは間違いだったかもしれない、そう夫は思ったがもう遅い。逃げることは無理。そう本能で感じる。
「貴方の妻もそこの息子のためなら死んでもいいって言っただろ?だからだよ。Q,E,D,これで説明は終わり」
青年は夫とその息子以外人が全く見えなくなった商店街の通路を立ち去ろうとした。
だが、やはり悲劇が起きた後には悲劇が続くのだろうか。
夫が青年のマントの裾を掴み言い放った。
「そんな伝説の様なもので妻の命が刈り取られてしまうなら死んだほうがマシだ」
そして、その宣言通り死神に鎌で首を飛ばされてしまう。
次こそ青年を引き留めるものはいなくなった。
「願わくは死を。僕も発言には気を付けないとね、本当は望んでないことも叶ってしまうかもしれないから」
一応補足として下に能力の内容を貼っておきます。
こちらを見てから本文を見ると更に面白くなるかも......?
能力内容
能力保持者の一歩の最大の長さを半径とした円を効力範囲としこの範囲内でほんの少しでも死んでも良いと同じ類の発言をすれば例え望んでいなくとも死神の様な者が具現化し鎌で首を切られ死ぬ。
避けることは不可能だが、範囲内から逃げれば適用されない。
そして、能力保持者は常に範囲内に居る判定なので生への執着を忘れてはならない。
そして、刈り取った命は能力保持者へと譲渡される。
能力は後天的で受け継がれている。