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第六章 当たり前をぶち壊してきた奴
「愛を知らない私には」第五章です!
今回は悠斗視点で書いてみました……!
それではどうぞ!
「はぁ?義妹?」
時は一週間ほど前のこと。俺、幸川悠斗は親父の言葉にそう叫んだ。
「父さん、突然どうしたの……?いままでそんな話してなかったじゃん……」
優斗兄がそう言う。
(一週間後って……突然すぎんだろ……)
「いや、この前母さんと話しててな、じゃあ迎えようかってなって……その時は一ヶ月後を想定してたんだが、いざ施設に行って先生と話してみたらなんかすぐ迎え入れたくなっちゃって……なあ、母さん。」
母さんに助けを求めようとしている親父。
(迎え入れたくなっちゃって……ってなんだよ。計画的にやれよ……)
すると母さんが、
「いや、あなたが施設の先生にカッコつけて『今すぐにでも』なんて言うからでしょ。まったく、そろそろ若い子にカッコつけようとするのやめなさいよ?」
まったく……とため息をつく母さん。
(親父……)
空気で優斗兄と蓮斗も同じことを思っているのが分かる。
すると親父が惨めだと思ったのか母さんが
「でも、私はすぐに迎え入れることには賛成よ。あの子もどうせなら新学期から転入したいだろうし、蓮斗も高校に通うようになる来週がちょうど言いと思うし……私、何より早く娘がほしいのよ!!」
(は?娘がほしい?)
続けて母さんはこう言う。
「こんな野郎だらけの家、楽しくないのよ……!
いっつも話聞いてくれてた蓮ちゃんが高校生になるからって、話聞いてくれなくなっちゃったのよ……だから一刻も早く話し相手がほしいの!!」
(話し相手かよ……)
一瞬信じた自分を恨む。
「だから母さん、蓮ちゃん呼びやめて!」
謎にそこにつっこむ蓮斗。
「いやよ!いくつになったってあなたたちは私の息子なの!蓮ちゃん、優ちゃん、悠ちゃん。変えるつもりは一切ないわ!」
なんか悠ちゃんってすんなり呼ばれてるけど、俺も優斗兄も昔言っていまの蓮斗みたいになったことがあるから気にはしない。
(はあ、義妹か……めんどくせぇ……)
このときの俺は杏がくることを楽しみにするところか面倒だと思っていた。
一週間後、杏が家にやってきた。
「これからお世話になります。睦月杏と申します。」
深く頭を下げた杏。その体は痩せ細っているが肌は白く、顔は整っていてまるで白雪姫のようだった。
(なんだこいつ。意外と可愛いじゃねえか……)
そんなことを思ってしまった。
(うわ俺きっも……可愛いとかきもっ……)
そして料理を作ると言った杏。
手を洗おうとしたのか杏が腕をまくる。
その瞬間。
「「「「「っ……!!!」」」」」
ーーそこにはなにかを押し付けられたようなやけどの跡や古くなってしろくなった傷痕がついていた。
「おい、お前。これ誰にやられた?」
考えるより体が先に動いていた。
(なんだこれ……なんかわかんねぇけどすっげえムカつく……)
「ひいっ……や、やめっ……」
俺がつかんだことが怖かったにしては尋常じゃないほど震えている杏。
その行動がすべてを語っていた。
その後聞いたが杏は昔両親から虐待を受けていたらしい。
(なんだよそれ……なんで杏がそんな思いを……)
なぜか凄くムカついてしまう自分が怖くなり昨日はいつもより早く眠った。
今日も俺の当たり前をぶち壊してきた杏。
「寝る用と外出用の二着を一週間に一回洗濯すれば大丈夫ですよ。」
当たり前でしょ?という顔で言っている杏。
「そんな高価なものだめですよ……」
プチプラの服を見て本気な顔でそう言う杏。
「これはなんですか……」
スマホをみて目を輝かせて言う杏。
「ありがとうございます!」
とびきりの笑顔で心からそう言ってる杏。
(っ……!!!可愛すぎるんだよ……バカ……)
そのすべてを忘れられないと言う事実が答えを告げていた。
(ああ、俺、杏に惚れてるんだ……
こんなにムカつくのも顔が赤くなるのも全部、杏が好きだから……)
とうとう、自覚してしまった。
(クッソ……杏が可愛すぎるから。)
一旦気持ちをリフレッシュしようとスマホを手に取った瞬間、
プルルルル……プルルルル……
(え?杏からビデオ通話?!)
髪をさっと整えてすぐに応答ボタンを押す。
「「「っ……!!!」」」
そこには困ったような顔をして、
ーー今日買ったばかりのうさみみのついたもこもこパジャマがはだけている杏が写っていた。
「す、すみません……間違えてしまって……」
どうやら間違ってグループLINEのビデオ通話をかけてしまったらしい杏。
(お、お前……そんなことより……!!!)
俺がアワアワしている間に整理がついたらしい優斗兄が口を開く。
「杏ちゃん!パジャマ、はだけちゃってるよ……!!母さんに直してもらって!!
それと電話のマークわかる?そこを押して!切れるから!!!」
普段ならなんで?と聞く杏だが今は俺らの焦り具合が尋常じゃないと悟ったのか杏はすぐに電話を切る。
(っ……!!寝る前には刺激が強すぎる……!!)
はだけて見えた白いはだ、古い傷痕が頭に残る。
(ああっ、恋ってなんなんだよ……いままでしたことなんてねえからわかんねえけど……)
(杏だけは誰にも渡したくねえ……)
そう心に誓った俺はさっきの余韻でその後一睡もできなかったと言うことは言うまでもない。
第六章、書き上げることが出来ました……!
今回は初の悠斗視点で書いたのでとても長くなってしまったことと、読みずらかったことお詫び申し上げます……!!
でも今回はストーリーが大きく進む回になったんじゃないかなと思います!
次回はなんと、杏ちゃんの初登校回です!
次回も読んでくださると嬉しいです!
ここまで読んでくださりありがとうございました……!!!