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第一出動 ープエラ町ー
これはいつのことだろうか、
皆忘れてしまった物語───
(⚠ あんまおもろくない)
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今日の天気は快晴
自分に当たるのがもったいないくらいまぶしい
道端のベンチに座り、
雲一つない青空に思わず感嘆の溜息を吐く
「…この世界はこんなに薄暗くて汚いのに、なぜ空はこんなにも綺麗なのだろう」
ふといつも心の片隅にある疑問をつぶやく
僕は ―― あだ名ではメガネなんて呼ばれているけれど、
”魔法少女” ってのをやってるんだ。
…男とか女とか関係ないさ
契約さえしてしまえばだれでも魔法少女の仲間入り
こうして、町中に出てみれば、通行人が歩く姿でさえ
喜びを感じられる。
魔法少女をやっていれば、嫌でも苦い場面を何度もみることになる。
殺し殺されの世界だ。
魔法少女 なんて甘ったるい名前で着飾られた血にまみれた者たち。
それが僕たち 魔法少女。
こういう平和な日はなんとなく嬉しい。
「出動」 その一言があっただけで、この世界は
明朗から、暗転する。
その言葉におびえながら過ごす毎日とでもいおうか。
まぁ、なんとでもいえばいいのだが。
前、 僕の担当だった”渡辺”とかいうやつは最悪だった。
僕の友達や仲間を泣かせるような非人道的な発言が多くて、
あれは困ったものだった。
今の担当の人は
特にそういったこともなく、安心している。
…__本当にいなくなってくれて良かった__
ぱっと 急に視界に移る地面が暗くなった。
良く見れば、それは人の影らしい。
?? 「メガネ ”出動だ”」
…今日は来ないと思ったのにな。
僕が黙っているとこう続けた。
?? 「業務命令だ。 上から指示が出ている。」
普段はこの人もこんな口調じゃないのだが、
だがこうしていたら、僕もこの人も動けない
これこそ時間の無駄というものだ
「……わかりましたよ」
「今回はどこに出たんですか?」
「゙悪魔゙は」
少しの沈黙の後、僕の目の前のその人は
重たく口を開ける
?? 「プエラ町だ」
「プエラcorporationがある」
あそこか……
重たい腰を上げ、僕は詳細をききながら歩き出す
?? 「悪魔は2体。グレード|2《ツー》の敵だ。問題ないだろう。」
なんだ、雑魚か
そう声にならない声を発した後
出発の準備を始める
?? 「それでは健闘を祈る。」
見送られ、僕はプエラ町に向かって出発した
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プエラ町に到着すると、
既に悪魔は出現しており、今にも住民を襲おうとしていた。
ごま太郎 「こっこっちに来るな!!!」
スリッピー 「ごっごま太郎……!!」
カスタネット大佐 「危ない!!こっちに帰ってこい!!!」
子供が襲われそうになっている。
ごま太郎……とか呼ばれてたやつがスリッピーとかいうやつの目の前にたって悪魔から守ろうとしている。
……あんなのじゃだめだ
一気に2人とも喰われておしまいだ。
「はぁ…… めんどくさいな、!」
その言葉を境にして、彼は変身を始める
宝石だろうか? 光る石をとりだして、
そこに瞬時に力を込める
彼が黒い影に包まれ、その影が晴れた時にはもう
元の彼とは姿が変わっていた。
「さっさと消えようよ?」
軽快な様子で悪魔に近いていく|彼女《・・》は
面倒くさそうだが、また怪異退治を楽しんでいるようにも見えた。
基本 悪魔は言葉を発することはなく、
ただ奇声のような音をあげるだけである。
グレード1〜10 これが悪魔につけられた、いわゆる“階級” ”ランク”というものだが
今回の敵はグレード2。
長年 魔法少女をやっている彼女のような
ベテランには取るに足らない敵である。
先ほどまで怯えていた少年たちは、
彼女ー 否 「メガネ」を見て少し安堵の表情を見せた。
それを合図にするかのように メガネは 攻撃を開始する。
「x=16式 機関銃 ー equation ー」
持っていれるステッキを中くらいの銃に変化させ、
他人にはあたらぬよう、悪魔だけに当たるよう、
神経をすり減らして撃っていく
─── 訳ではなく
ただひたすらに悪魔に狙いを定めて撃っていく
多少周りの建造物に当たろうが構わない
この銃は基本 悪魔にしか効かないのだ
どれだけ当たろうと問題ない。
「ちっさすがにこれだけじゃ消えないか…」
彼女はこれ以上何もしたくなかったといわんばかりに顔を歪ませる。
そして一つ、また一つと技を繰り出し始める。
「fusil」 「small gun」
あらゆるところから銃が出てくる。
撃たれては捨てられ 撃たれては捨てられ 、
その銃の流れを繰り返していると、ついには美しくも見えてくるものだ。
「…やっとか」
戦闘を開始してから5分もたたず、
悪魔は退治された。
町の住民達に感謝の眼差しを向けられているが、
そんなものは気にせずにさっさと帰る支度をはじめてしまう。
住民 「待ってください!せめて何かお礼だけでも…!」
するとメガネはこう答えた。
「いえ、こんなのもうなれましたから。」
表情筋をピクリとも動かさず、淡々とした口調で言い放った。
そう、これは類稀なることではない。
助産師なんかとおなじだ。 こちらからすればお産なんて、
珍しくて仕方のないものだが、あちらからすればなれっこである。
彼女はそういうところは弁えられる人間なのだろう。
「では、いずれまたお気をつけて。」
そして少しの沈黙のあと、こう言い加えた。
「…プエラさんのとこによろしく伝えといてください。」
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