公開中
Q4:自分への嫌悪感が
ワンダショいじめネタ4話!!1話からここまで見てくださってる方ありがとうございます!この話から見てくださった方もありがとうございます!!!
苦手な方はブラウザバックお願いします🙏
4話もよろしくお願いします!誤字脱字すみません!
昨日はよく眠れなかった。最近、ぐっすり眠れた記憶がない。
いつも決まって悪夢を見る。僕は悪いことをしている。分かっているのに。やめればいいのに…。
目が覚める。まだ日は完全には昇っていない。まだ東の空が明るくなったくらいだ。
自分で朝ごはんを作り、自分で食べて、自室にこもる。
まっさらな紙を広げて鉛筆を持つ。もうこの時点で憂鬱だ。
まずは、朝の作戦…。これはまだ楽だ。それに、実行班はとても頭がいいので材料さえ書けば自分で動いてくれる。
ごめんね、僕が書かなくなれば実行班――寧々は、こんなことしなくて済むかもしれないのに。
家で作戦書――いじめの計画を作って、学校に向かう。
朝の空気は澄んでいて、寂しくて、自分の方に悪魔が乗っているような気がする。
独りは苦しい。でも、誰かと一緒に悪いことをするのはもっと苦しい。なのに僕はやめれない、度胸がないんだ。
校門をくぐり階段を登り教室のドアを開ける。たったこれだけの作業にどれだけの精神がすり減っただろう。前までは、こうでもなかったのに。
自分の席に座ると作戦書の見直しをする。
朝は画鋲とチョークの粉。
しかし休み時間は周りも巻き込んで僕たちのやってることを「正当」だと思わせないといけない。だから、標的くんの悪いところを言う。
悪いところと言ったって、|彼《標的くん》に悪いところなんて見当たらないから、普段の行動を観察して、気になるところをメモして《《誇張》》して、彼自身も「自分が悪い」と思わせなければならない。
自分は悪くない!という気持ちでいくら悪口を言われたって、反発欲が増えるだけだ。
だからちゃんと相手を観察して洞察する。
何を言われたら嫌なのか、何をされたら嫌なのか、それを観察し、分析する。
だから、休み時間は悪口が多い。僕たちが悪口を言って、彼自身が自分を悪いと思い込み、周りも彼が悪いと思い込む。きっと誰かは彼に手を挙げる。それを狙うのだ。
《《僕たちじゃない誰か》》が手を挙げたとき、僕たちが動く。そうやって、彼を傷つける。
…ああ、そう言えば、彼は親が嫌いなようだね。特に母親。
前に先生が先生自身の母についての話をしているとき、「お母さん」という単語を放ったとき彼は少し顔色が変わった。本当に小さな変化だけどそれだけでも充分な材料だ。
自分を生んで育ててくれた母親になんてこと思っているのかと言えば、いいのか…。
いや、僕は言わない。寧々が言うんだ。いや、僕が寧々に言わせてるのか。
考えれば考えるほど自分が寧々と標的くんをいじめている気がしてきた。いや、いじめている。きっと僕は二人をいじめている。
誰にも許されないな…。
僕が死んだら、きっと地獄より深く黒く赤いところに葬られるのだろう。もう神様は助けてくれないから――
ガララ…
教室の扉が開いてびっくりしてしまった。あれ、もうこんな時間か…。
「類!!」
きれいな声だ。自分の名前を呼んでくれる人がいる、これだけで自分は救われているんだろうな…。
「おはよう、寧々」
今日はいつもより少し遅かったねと言おうと思ったけど、寧々の顔を見れば「夜更かししてゲームしてた!」というのが溢れていた。つい笑いそうになってしまった。
「ごめん、昨日ついゲームやってて…」
寧々は申し訳無さそうに言っていたが、そんな顔しなくていいんだ。自分の好きなことが出来るなんてとても素敵なことだから。それに――
「ふふ、寧々のことだからそんなものだと思っていたよ」
やっぱり、笑ってしまった。ごめんね、寧々!
でもこんなことしてる時間もない。いつ標的くんが来るかわからないのだ。この作戦書を早く渡さなきゃ…。
「じゃあ寧々、これ」
僕は作戦書を渡した。寧々の顔からは最初の申し訳無さも笑顔も、感情すらもないみたいな顔をしていた。
こんなことを、自分が実行せず人にやらせるなんてとんでもないいじめだろう。
「すまないね、寧々。いつもやらせてしまって…」
僕がそう言うと寧々は作戦書から目を外してまっすぐ僕の方を向いて言った。
「こんなこと考えてる方がSAN値削られて精神不安定になるでしょ。謝らないで」
謝らないで…か。
「寧々は優しいね」
僕がそう言うと寧々は目をそらして「そんなことないから」と呟いた。
すごく優しいよ、自覚してないくらい君は優しいよ…。
寧々は作戦書を見て「理解した」という目をしてからすぐランドセルから画鋲の入った箱を引っ張り出して昇降口の方に降りていった。
寧々だって、絶対やりたくないだろうこんなこと。申し訳無さといつもやめられない自分への嫌悪感が膨らむ。
こんなことしたって誰も喜んでいないはずだ。――いやあの人は…。
でも、あの人だってきっと何かを抱えている。表情を見ればわかる。
たまに、不安な目をする。誰も信じられないみたいな目をする。
みんな苦しんでいる。僕がこれをやめれば、みんな笑顔になるんじゃないのか。
みんなが笑顔に………。
寧々が教室に戻ってきて黒板のあたりをうろつき、「よし」という顔をする。
寧々の目は曇ってるし、寧々に不安がまとわりついているように見える。
黒くて悲しい不安がうごめいている。
―――聞こえてきてしまった。人の足音。
まっすぐこっちに向かってる。ドアの前で少し止まった足音。
もうタイムリミットが近い。寧々も僕も――
ガラッ
寧々は標的――司くんの前に立っていた。僕の作戦書に書いていたものを使って人を傷つけた。
僕の考えたことで寧々がやりたくもないことをして、司くんは傷つけられたくもないのに傷つけられて、悪口を言われて、朝から堕とされるのだ。僕のせいで。僕のせいで――!
「や、めて、く…れ…!」
司くんは言っていた。本当にやめてほしいのだろう、見ればわかる。
「あははは!へえ、こんなので苦しくなっちゃうんだ。弱いんだね。わたしは平気だよ」
寧々は心底楽しそうに言っていた。――心底苦しそうだった。
誰も助けられずにただ冷たい目で二人を見ている。きっと僕が一番の加害者だ。
僕は二人をいじめている。寧々に汚れ役を背負わせ、司くんは僕の考えたことで傷つけられる。
ごめんなさい、本当に、意気地も度胸も優しさも道徳もなくて、どうやったって人を傷つけることしか出来なくて。
もし神様が居たら、もっと違う形で僕たちを会わせてほしかった。
《《みんなを笑顔にできる人》》として会いたかった。
長くなってしまって申し訳ないです!😭
最後まで読んでいただきありがとうございます!!すごく誤字ってそうで怖いです。
司寧々類でちょっとずつ違うところがあるように書いているはずです…!
2日連続投稿できてよかったです!!!明日も書けるかな…!
いつもファンレターありがとうございます!!日記で返信しております!