公開中
異変解決! 〜異次元消息異変〜 壱
「で、遊びに行くの?」
「はい」
由有さんが地霊殿に遊びに来てくれた。さとりさんの許可も取れたから、いまから遊びに行くのだ。
わたし・幽以はいまから泡影界へ行くのだ。紅さんとか、ムーンさんとかに久しぶりに会いたいな。
そう思い、わたしは泡影界にやってきた。
「久しぶりだなぁ」
「ま、ゆっくり見物していきなさい。時間はたっぷりあるからね」
一週間休みをもらえたんだから、思う存分楽しもう。
「きゃっ!?」
由有さんの悲鳴が聞こえた。振り向くと、闇があって、そこへ由有さんだと思う手が吸い込まれてゆく。
そのことを認める頃には、もう闇そのものが消えていた。
「由有さんっ!?」
とにかく、紅さんのところへ。ムーンさんのところへ。花音さんのところへ行かなくちゃ。
---
「昼食のご準備ができましたよ〜。…あれ?ムーン?」
もうムーンを「お嬢様」とか呼ぶことはなくなった。メイドというか、同棲してる友達みたいだった。
「昼食!」
食いついてきた彼女・和川堂故。堂故はご近所さんだが、いまは堂故との家をくっつけておっきな家にしている。種族は妖怪で、能力は川を紡ぐ程度の能力。
「ムーンに言ってるんだけど?」
「あ〜、ごめんごめん。っていうか…ムーンはいなくない?」
「そうなのよねぇ」
ムーンが勝手に外出するなんて、あったのかな。でも、まだ一緒に住み始めてから何ヶ月も経ってないし…
---
「こんにちは、文ちゃん」
はなねクリニックに遊びに行く。お目当ては病気の治癒ではなく、文ちゃんと花音さんだ。
がらんとしているクリニックは、真っ白。
「…文ちゃん?花音さん?」
「文っ!!」
花音さんの声だ!
わけもわからず、声の場所を探しに行く。
「いたっ、花音さん!!」
闇に吸い込まれそうになっている花音さん。
「異次元…にっ…」
「異次元?どういうことですか!?」
そう言っている束の間、花音さんは吸い込まれて、跡形もなく消えた。
---
伊代に集められたわたしたち5人は、戸惑っていた。わたし・茨木夜叉鬼姫は、さっき紅を探していたところなのだ。
「いなくなった人がいると思うのじゃ。ついさっき」
「わたしも。わたしのところは、由有さんが。一緒に遊ぼうってなってたのに。闇に吸い込まれて」
「え!?わたしのところもです!花音さんが。異次元、って。文ちゃんもたぶん」
「わたしのところはムーンが。闇、は見なかったけどそうなってたのかも」
「紅もいなかった。探してたけど、集まれって言われたから」
「実は、儂のところもサニーがいなくなってたのじゃ」
由有、紅、ムーン、サニー、花音、文。
この6人の共通点と言えば__
「__戦闘異変」
「え?」
「戦闘異変で、解決した6人」
そうつぶやいた。
「まさか、またみつが?」
「嘘!」
とりあえず、行くしかないよね…