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1章4話 血まみれの自分
私は何もかも失ったんだ。幸せも暖かい笑みも。私の笑顔は嘘の仮面。これでも
愛してくれるなら、幸せになれるなら。私からしてシキ兄は一等星。輝く存在。
もう、人の笑顔を傷つけたくないから私は自分を隠して笑うんだ。
「でさぁ〜」
クラスの人は皆で遊んでいるのだろう。興味はないから一人路地裏に身を潜める。
シキ兄のヴァンパイアの歌ってみたを聞く。声が綺麗で澄んでいる。私と違う。
私とシキ兄は違うもんね。シキ兄より私が居なくなれば良かったよね?私は立ち
上がる。そして家へ帰る。もうあの暖かい場所には戻れない。あの場所に居ると
自分が狂っちゃう気がして、辛いんだ。私はお母様たちの家へ着く。ガチャ。
私は玄関の扉を開ける。私はそっと部屋へ向かう。部屋には何も無い。でも私が
生活してた痕跡はある。また、お世話になろう。
ボゴッドゴッボコッボカッドゴッボコッボカッボゴッドゴッボコッボカッ!
私は家族に殴られる。
「ケホッ」
私は吐血する。汚いなぁ。もう、嫌なんだ。もう戻る場所なんて無いから。
出ていくよ。
「今までお世話になりました。」
私は大嫌いな家族に告げる最後の言葉。ふらつく体を叩き起こす。もう、踏切で
死のうかな。私は踏切へと飛び出そうとした。でもまた失うのが怖い。独りで
このまま居ようかな。
「#名前#〜!」
こえさんの声だ。今はその声が五月蝿いと感じる。私は走る。助けが欲しくて。
でも言えなくて。気がつくとすたぽらハウスの前に居る。私は顔を背け走る。
もう、このまま私という存在が消えますように。一等星の願い事。
「#名前#ちゃん?」
「誰ですか?話しかけないでください。」
私は突き放す。もう奪いたくないからさ。私は踏切で独り歌う。
「夢ならばどれほど良かったでしょう、未だに貴方のことを夢に見る。」
私はシキ兄が死んだのが夢だといいのに。未だにシキ兄のことを夢に見るんだ。
「忘れたものを取りに帰るように、古びた思い出の埃を払う。」
私は人との思い出など忘れたものを取りに帰るように、そして色々な色褪せた
思い出の埃を払う。
「戻らない幸せがあることを最後に貴方は教えてくれた」
シキ兄を失い、私はもう幸せが戻らないことが分かった。
「言えずに隠してた昏い過去も貴方が居なきゃ永遠に昏いまま」
貴方が居ないとずっと暗い過去しか無いんだよ。
「きっともうこれ以上傷つくことなどありはしないと分かっている」
傷つくかもしれないのに、おかしいなぁ。
「あの日の悲しみさえあの日の苦しみさえそのすべてを愛してた貴方とともに
胸に残り離れない苦いレモンの匂い 雨が降り止むまでは帰れない 今でも貴方は
私の光」
独り歌う。大切な人への歌を。もう、死にたいよ。だれも見つけなくていいよ。
---
「#名前#ちゃん?」
ゆうさんは一人の少女を見かける。血まみれだが儚い笑みを浮かべる。
「誰ですか?話しかけないでください。」
あの時一緒に歌ったことを忘れたのかな。少し突き放されるゆうさんと一人の
少女の間にはぽっかり穴が開く。
「もう、嫌なんだ。」
少女は一人呟く。失うのが怖そうな、そんな顔。ダッと駆け出した一人の少女の
瞳には大粒の涙が浮かんでいる。ゆうさんは慌てて追いかける。
「夢ならばどれほど良かったでしょう未だに貴方のことを夢に見る」
切なさそうな歌声が線路の方から響く。
「忘れたものを取りに帰るように古びた思い出の埃を払う」
長くきれいな髪をした少女が涙を溢しながら歌うんだ。
「あの日の悲しみさえあの日の苦しみさえそのすべてを愛してた貴方とともに
胸に残り離れない苦いレモンの匂い雨が降り止むまでは帰れない今でも貴方は
私の光」
消え入りそうな声で歌う少女は#名前#ちゃんだった。少女はゆうさんに気づく。
さっと走ろうとする。でもふらっとよろける。ゆうさんは無言で手を引く。
すたぽらハウスに入ろうとすると少女は手を振り払う。
「ん?#名前#ちゃん?」
「来ないでくださいっ!」
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「来ないでくださいっ!」
俺はその言葉にびっくりする。
「私はあなた達のことを知らないんです。」
さっと走り出す一人の少女。血まみれの手を俺は掴む。
「本当に分かんない?」
俺は問いかける。少し睨むような瞳で
「知りませんニコッ」
でも笑いかける。知らなかったら笑うはず無いのに。
「俺こったろ。はい、顔見知り」
「そうなんですねニコッでは、ニコッ」
ニコニコと笑う顔は辛そうである。俺が君の居場所になれるなら。
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サッと走る少女を追いかける。ガシッ!逃がしてあげない♪っていうノリ?で
うえるかむとぅーざすたぽらはーうす!でええんかな?
「れるやで!よろしく!」
「はいニコッ」
笑みを浮かべる一人の少女。とても辛そうだが、もう何もかも捨てたような
笑みはなにも感情がわからない。
こったろ君Sideむずいって!
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