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美しき棘にふれるには
「…はぁ、」
私の腕にあった綺麗な花は
紫の毒となり私の体を蝕んだ
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「…今日、どーしよ」
私は|演咲夜《やざきよる》
ちょっと不登校なただの中学生ですが
少し、普通とは違います
それは
私は
花が生えている
「今日はいこっかな…」
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ガラ
「おはよ〜ございま〜す」
『おはよ〜夜ちゃん』
この子は|星咲紫苑《ほしざきしおん》
私の少ない友達で、
腕に巻いている包帯の秘密を知っている子です
人見知りの子だったけどいつのまにかなかよくなっていました
『夜ちゃん、今日ね、教育実習生の先生が来るんだって』
「え、なんかやだなぁ、今日?」
『今日だよ〜』
そんな会話を繰り返していると
ガラとドアが開き先生がはいってくる
先生は私が来ていることに驚いたのが二度見していた
そして教育実習生の先生がきたと紹介をしている
私はそんな先生の言葉を無視して
いつ帰ろうと、考えていた
そして、教育実習生の先生が入ってくる音がした
ガラ
『こんにちはみなさん、今日から少しの間、このクラスで一緒に学ばしていただきます』
少し堅い言葉を紡いでいる
『|素毒純《すどくじゅん》です、よろしくね』
みんなの目を見て話すその先生は私を目で見た時、少し驚いたような顔をしていたが、気のせいだろう
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思った通り、先生は他の人達に質問攻めにされていた
その質問攻めの様子に少しおつかれの気持ちを込めてみていた
ちなみに紫苑も一緒に見てた、紫苑は少し手を合わせてた気もする
問答の中に一つ聞こえたものがあった
それに私は驚いた
その質問は"先生は毒消師なの?"
そんな簡単な質問だ
『うん、そうだよ、僕は毒消師で、花と人の《《共存》》に憧れているんだよ』
…共存、たしかに先生はその言葉を使った
私は紫苑の手を掴んで教室を出た
少し先生に見られていた気もするが私は気にしなかった
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『どうしたの?夜ちゃん』
「少し外の空気吸いたくなった」
『そー…なの』
少し顔を曇らせながら紫苑は私の横にしゃがんだ
この学校には屋上があって、休み時間だけ入ることを許されている
「ねぇ、紫苑」
『…なーに』
「私の進行度、いま2っていったらどうする?」
『…どうする、かなぁ』
キーンコーン
「あ、やべっもどるよ」
『…先戻って?夜ちゃん』
「…サボるの?」
『参加はするよ、』
「…そう、なら先行ってるね」
ガチャン
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『…あーあ、もう2なんだ、夜ちゃん、まぁ、私が言うことじゃないけどね』
シュル
『ねぇ、夜ちゃん、私の花綺麗でしょ?私と同じ…紫苑って、花なんだ』
カンカン
『ん?』
キィ…
『やっぱりここにいたんだね、星咲さん』
『あ、純…先生、…どうしたん、ですか?』
『君がまだ来ないから探しに来たんだ、で…それは、蕾かい?』
『はい、…そう、ですよ…先生、この事は、誰にも、言わないで、くださいね、ほら、行きま、しょう…?』
『…あぁ、そうだね』
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ガラ
「あ、戻ってきた〜何してたの?」
『…何も〜』
絶対に何かがあったような、裏があるような笑顔を紫苑は浮かべる
そんな笑顔を見る度に少しずつ、胸が苦しくなる
これが絶望なのか、違うだろうけれど
これでもう花が増えてしまったのだ
ならばこれは、絶望なのだろう
『…夜ちゃん、いま、の』
いま、見ていなければよかったのに
進んで、増えていくヒガンバナ、
それは私の死への贈り物
「…どーしたの?」
紫苑が隠すならば
私もお返しだ
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『…演咲さん、少しいいですか?』
その言葉を聞いた時
時間は空いてるけどあまり話に費やす時間はないですと言ってやりたくなった
でも周りの?の視線があるから断りづらすぎる
「いいですよ」
それぐらいしか言葉は浮かばなかった
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「で、どうしたんですか?素毒先生」
『君のその腕…花だよね?』
やっぱりか、あの時に共存と言葉を挙げただけはある
「はい、そうですよ、それで何か?」
『君に質問をしたい』
「…どんな?」
『1、いまここで治療をする、2、僕はここでの会話を全て無かったことにして君と接する』
ちゃんと相手の意思を尊重する、ということか
でもそんな選択肢、一つしかないじゃないか
「3、ここでおきた話はすべてお互いの秘密にして私のサポートをしてほしい」
『……どうゆうことかな』
「そのままの意味ですよ先生、この話はお互いだけの秘密です、そして治療はいりません、でも」
『サポートを、してほしいと』
「はい、あなたは花が好きなんですよね?」
シュル…
私は腕の包帯を解き赤く咲き誇るヒガンバナ達を出して見せる
『…これは』
「私は、死ぬ時は|これ《毒》で死にたい、そして今私は不登校気味!ぴったりのタイミングなんですよ」
『……』
「さぁ先生、私の意思を尊重してくれるなら、これでもいいですよね?」
『…あぁ、いいですよ、その綺麗な花を僕はあまり消したくないですから』
これで交渉は成立だ
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「…なんでいるの?紫苑」
『夜ちゃんが先生に呼ばれたって聞いたから、待ってたんだ』
「そーなの、帰ろっか」
『うん』
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「………あれ、雨音さん?」
『ハロー○ティー♪デキタテノポップコーンハイカガ?♪◯ティーはみんなの人気者〜♪…て、演咲さんじゃん』
「今日はハロー◯ティーのポップコーン?」
『面白いだろこれ、で、そっちは友達?』
「星咲紫苑、私の友達」
『あ……星咲…紫苑、です…』
『俺は智佳雨音、演咲さんの隣の家に住んでる』
「てか何やってるん?」
『んー…ブランコ』
「見ればわかるわ、今日は何うたうの?」
『え、またか?w』
「だって面白いからさ、で、何?」
『…なぁ星咲さん、なんかある?いいの、てか連絡先くれ、念の為』
『え、いいの………ですか?れ、連絡先は…はい…』
『おう、さんきゅ、おん、いいの』
「紫苑、|こそこそこそ《_____とかでいいんだよ》」
『え、ええと…いしやきいも?』
『…まぁいいか、いしやーきいもーおいもー♪』
「………w」
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『…あの人と仲いいの?夜ちゃん』
「うん、まぁね〜、さて、もう家だから…」
『うん』
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ガチャ
「………ただいま」
小さく声に言葉を乗せる
その声は部屋に響いているが誰からも返答は帰ってこない
それはそうだろう
もうあの男は今頃刺されてる頃だ
あんなたくさん恨みを集め続けていたらいつかはそうなる
私もいつかあれみたいになることがあるのだろうか
そう考えただけで少しずつ、赤い腕に花が増えていく感覚がする
一個、
一個と
|花《蕾》が咲いていく
少しどろ…と液体の音がした
音がした時には私はいつの間にか逃げるように走っていた
隣の家の前を通った時
小さく
"演咲さん?"
と聞こえたが私は気にしずに走っていた
そして私の足は学校の近くの小さな公園に植わっている大きな木の下で止まった
「…はぁ」
走っている時に解けたと思われる包帯の下はもう|花《毒》が咲き誇っている
ここで死ぬのかな
その言葉が口から出かけて止められた
小さな息遣いが聞こえたからだ
『夜ちゃん!』
聞き慣れた声が闇に響いた
「…紫苑?」
『見つけた…夜ちゃん』
荒い息の音が聞こえる
走ってきたのだろう
「なんでここに」
『雨音さんに、連絡をもらいました』
そういえば連絡先の交換をしていた
「だからって今は夜だよ、なんで家を出て来れたの」
『お母さんにお願いをしたの』
少しずつ、歩いてくる
「だめ、もう私の花は毒になって」
続きを出す頃には
涙を溜めた紫苑が抱きついていた
『…ねぇ、夜ちゃん、私は、なんで、何も出来ないのかな…夜ちゃんに、私、何もしてあげれてないよ…』
「紫苑…?」
『私、夜ちゃんと友達になって、楽しかったの、でもね、私も隠してた』
紫苑の指を見てみれば紫苑の花が大きく咲き、毒が垂れている
泣いた雫が花に落ちたのだろうか
「毒…」
『私、夜ちゃんともっと話したい、もっと笑いたい、だから……』
「…でも、もう毒に……」
『大丈夫、純先生が教えてくれたの、花から落ちた毒は毒と当たると、浄化、されるんだって』
私の腕から垂れる毒が紫苑の毒と当たった瞬間
毒は水となり下に落ちた
「…!」
『まだ、死なせたくないから、ごめんね』
「………紫苑…」
『まだ死にたいなら、止めない、その時は私…絶対に忘れないからね、夜ちゃんのこと』
「………いや、ごめんね、紫苑」
そう笑った
毒は浄化され水となり
その水が落ちた場所には綺麗な紫苑とヒガンバナが咲いていた
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後日
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『純先生…』
『星咲さん?どうしたのかな』
『…あ、ありがとう、ございました…』
『…役に立ったなら、よかった』
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『…はぁー…学校行きたくねぇ…どうしよっかな…』
『雨音さん、いた』
『ん?あぁ、星咲さんじゃん、どうしたんだ?』
『あの時、連絡、ありがとうございました』
『…あれか』
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『…あれ、演咲さん?…』
ピ
『あ、星咲さん、演咲さんがいま外走ってたんだけど、なんか知ってる?』
『え、し、知りませんけど…ちょっと、追いかけます、ありがとう、ございます…!』
プチ
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『あれです』
『…ま、お礼はいらねぇよ、じゃ、いくわ』
『どこに?…』
『………学校、じゃあな』
はい、キャラ募集してた美しき棘に触れるには、!書き終わりぃぃぃぃ!
まぁ元は死ネタの予定だったんですよ
でも思いついたエンドが死ネタにどうしてもできなくて
あ、思いついたエンドが今回の友情の勝利ですね
では小さな小ネタをここに
一個め
夜ちゃんの親について
親は母親は病気でなくなって
父親はよくあるクソです、恨み買いまくってこの夜ちゃん達のが解決した日に刺されて死にました
2個め
毒が毒と当たると浄化されることについて
最初は夜ちゃんの毒に紫苑も蝕まれて死んじゃうも思いついたんですけどね
なんかやだになったのでそこを追加しました
この浄化された水は落ちた場所にその毒になった花と同じものを咲かせます
だから紫苑とヒガンバナが落ちた場所にさきました
では!
文字数は3875です!