公開中
薄明
お久しぶりの浅葱です、もう7月ですね(死
クロア・・・14歳。ブーゲンハープ現女王。城から逃げ出す自由な子。最近王族の気品が砕けかけてる
ラピ ・・・17歳。捨て子の龍の子。クロアが大好きで、火を吹けるらしい。足が異様に早い。
ラピ視点です
「らぴぃ」
クロアがもぞもぞと腕の間に体をねじ込んでくる。ほんとは起きてるけど、狸寝入りを決めるのはこのためだ。可愛いけど、その裏には深い理由がある。
最近クロアは仕事詰めらしく、くたくたになって、お風呂に無理やり入ってから、死んだように眠る。
僕が手伝っても終わらない量だ。僕だって疲れてる。
必死に昼までやっても10分の1も終わらないもんだから、その書類を見て嫌になる。
外国との貿易の書類や、建築許可証、提案書に、コクジコウイがどうとか…国民の悩みが書いてある紙や、ほんとにいろいろ。確認して、提案とかは判子を押したり、サインをしたり。しゃっしゃと万年筆をうごかす姿は、額に髪がぴったりとくっついて、その姿が脳裏に焼き付いている。
僕は王女じゃないから、悩みや国民がどうこうしたいだのの提案書を確認するだけだけど、あまりにも長いものだから骨がおれる。
まったく子供に政治を任せっきりなんて信じられないよね…そう考えるたび、葛藤と疑問だらけだ。
「らぴ、起きてる?」
カラカラの声でクロアが言った。
「どうしたの」
「眠くない」
11歳の頃に聞いた小さなクロアの声。甘くて、か細くて、幼い声。それにまるでそっくり
こうやってクロアがひどく甘えるのは、我慢したって我慢しきれない。悲しくて、辛いときだ。
「もうつかれた」
寝汗をびっしょりかいているのは、きっと何かに魘されていたのだろう。
「そうだね」
クロアを抱えて起こしてやる。力が抜けて身を預けてくる、特別小さい華奢な体だから、腕の中にすっぽりと収まった。
いつもは綺麗な空色の目の上目遣いは、月明かりのせいか、疲れのせいか。いつもより、黒く濁っているように見える。
さらさらとした黒髪に指を通して、息を呑んだ。急にぽろぽろと泣き出すもんだから…これはクロアか、と疑ってしまうほどに。
「わたしねッ、泣いちゃッ、だめ、って言われてたからっ」
鼻をすすって、小さな白い手で涙を拭っている。
「おうじょさまは、つよいから、っ、て」
「なくのは、よわいこだ、って、いってッ、たの」
何も口からでなくて、代わりに必死に黒髪を梳いた。
背中をさすると、クロアは話そうとした唇を噛み締める、小さな体にかき抱かれる。
「らぴ、は、わたしが、好き?」
「好きだよ、いつまでもだ」
重みで沈むベット。このまま沈んでしまいたかった
「君が大好きだ、嫌いなんか言わない、たとえ君が何をしようと、何になろうと、君が大好きだよ」
一瞬見つめてきて、次に嬉しそうに笑う。薄暗いなかで、彼女の白い肌はやけに目立った。
「わたしも、だい、すき」
ほのかに顔を赤くして、静かにクロアが揺れている。その頬に一度キスをしてから、そっと布団へ寝かせた。
ほのかな山桜の香りがして、僕も一緒に転がる、少し、見つめ合ってから、僕たちはもう一度、まぶたを閉じた。
話はぽんぽこ浮かびます、でも題名が浮かばないっすよね((
二人の本名を書いておきましょう、意味っぽいのも、早口で5回言えるかな(は)
クロア
クロア・ミード=ジェラルディン
蜂蜜酒と槍を持った支配者て、、パンチ強いっすね(?)
王女様は長い名前にしなければと思ったのですが、蜂蜜酒がよぎったのでこれにしました
ラピ
ラピ(ラピス)・ターナード=ジェラルディン
原石みたいな意味が込められてます、だからラピスラズリです(
え?なんでミードじゃないかって?ターナードにミードの「ード」が入ってるじゃないか(暴論)
(うちのコ豆知識ー!((
・創作した当初(四年生)はクロアとラピ、クロアは化け猫で、ラピは龍の子の設定でした(ラピは変わらん)あと、クロアが年上の設定だったんですよ(?)
結果、うちのコでは珍しい人間にクロアはなったわけですが、
6歳と7歳のロリショタにしようとしてたってわけです(真顔)