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♡ 透け感MAX
_________××××年、1月6日。
mzがこの世を去ってから今日で5年。
俺は22歳になった。
そう。今日は俺の誕生日。
......と言っても、mzが死んでから彼女作ってないし、独り誕生日会なんだけどな。
「はぁ、しんど。」
ため息交じりにそう独り言をもらして、仕事帰りにコンビニで買ってきたケーキにフォークを突き刺す。
そのまま口に放り込むと、甘ったるい生クリームの味が口の中に広がった。
…コンビニのケーキってこんなに甘かったっけか。
コーヒーを飲んで胃の中に流し込み、続いてみずみずしいイチゴにフォークをえいやと突き刺し、また放り込む。
「っ、すッッッッッッぱ⁉、」
おおよそ常人が食べられる酸っぱさでない、不快な味が口内に広がり、おもわず声を漏らした。
完全に食欲が失せてしまった俺は、皿にフォークを置く。
「mzがおったら、なぁ......。」
机に突っ伏して、かるくうとうとしながらため息交じりに呟く。
夜通しどんちゃん騒ぎだっただろうなぁ。
前と違って俺もお前も大人になったし、酒とか飲んで、酒がなくなったら二人で買いに行って。
次の日なにやってんだろ俺らって、ぐっちゃぐちゃになった部屋を焦って片付けるんだ。
……と、妄想が始まってしまった。
また。
叶うはずもない、情けない、願いを。
…もしも、ここにmzがいたならば、
彼は、俺のことを馬鹿だなんだと、いつものように、からかうように、笑ってくれていたのだろうか。
「......。」
___阿保らし。
心の中でそっと囁いて、瞼を下ろした。
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「…ちゃん、......ぷ、ちゃんっ…」
まどろみの中で、聞き覚えのある声が聞こえる。
俺が、世界で一番大好きな愛おしい人の声。
夢だとしても、誕生日に会いに来てくれた事実がうれしくて、叫びそうだった。
…顔は見たくない。目が覚めたときにしんどくなるだけだから。
本当は、今にでも抱きつきたいところだけど、我慢だ。
「っおい!!起きろこの寝坊助ッッッ!!!!!!!!」
「ぉあっ!?!……ぁ、」
あまりの声の大きさに、思わず顔を上げてしまった。
まず俺の視界に飛び込んできたのは、5年前、彼と死別してから一度も見れていなかった、あの不機嫌っそうな表情だった。
夢の中でも、mzはmz。
あの頃から何も変わっていない。……|ある一つの《身体が透けている》ことを除いて。
「お前...その体......、」
「あぁ、これ?実は__、」
「透け感えぐくね?」
「えあそういう感じ??」