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人生万事塞翁が虎 その弐
僕は女性に貰った茶漬けを平らげ、約束を果たすために川を眺めていた。
……んん????
眺めていると、足(?)が流れてきた。
…この足(の持ち主)が救うように言われた人なのか……?
違うにしろそうにしろ、溺れている人をほうっておく訳にはいかないので川に飛び込み足(省略)を助ける。
「ゲホッ…ケホッ、けほ…」
僕は飛び込んだ拍子に気管に入り込んだ川の水に噎せながら助けた人物をちらりと見る。
男はぱちっと目を開けると|先刻《さっき》まで溺れていたとは思えない速さで起き上がった。
「あ、あんた川に流されてて……大丈夫?」
「__助かったか…………ちぇっ」
『ちぇっ』つったかこの人!?
「君かい、私の入水を邪魔したのは」
「邪魔なんて!僕はただ助けようと__入水?」
「知らんかね、入水。つまり自殺だよ」
「は?」
何を言ってるんだこの人は。
「私は自殺しようとしていたのだ。それを君が余計なことを___」
「は……はぁ」
あれ?僕、いま怒られてる?
「あ、でも…」
「ん?」
「僕があなたを助けたのはとある女性に頼まれたからです」
「ほ」
なんだ"ほ"って
「ほ?」
「ん゛ん゛…どんな女性だった?」
「ど、どんなって…綺麗な人?」
「んん…」
苦笑いされた。解せぬ。
「あ、緑色の髪色で、毛先が白くて…サングラスを付けていました」
「!!…その女性は黒くて丸いピアスを付けていたかい?」
「えっと…あ、付けてました」
何でそんなことを聞くんだろう。
知り合いだったのかな。
…なら、自分でこの人を助けるはずだ。
まさか、|好敵手《ライバル》?
「…………ひみの?」
「え?」
「いや、なんでもないよ」
ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ
「…クスッ」
「空腹かい少年?」
「じ、実はここ数日何も食べてなくて…」
ぐうぅぅ
「私もだ。ちなみに財布も流された」
「ええ?助けたお礼にご馳走っていう流れだと思ったのに」
「?」
「『?』じゃねえ!」