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妖怪双子の事の次第 1
鬼太郎に双子の弟がいたら?っていう話
たぶん固定夢主だけど恋愛ないので
鬼太郎たちを怒らせた少年がお灸を据えられる
「こっちは鬼太郎、そっちは巳太郎」 「こっちは巳太郎?それとも鬼太郎?」 「こっちは?そっちは?どっち?」
瓜二つの顔が少年を覗き込んでいる。鏡合わせのように揃って2人は笑う。左右反転したようにそっくりで、笑っているのに心臓を剃刀で撫でるような悪意が少年の肌を刺す。
「ああほら、鬼太郎が虐めるから怖がってるじゃないか」「違うよ巳太郎のせいだろ?」「あれ、巳太郎はどっち?」「こっち?そっち?どっちだ?」
繰り返される言葉に脳が混乱する。少年は震える足を叱咤して逃げ出した。
「逃げちゃった」「逃げちゃった」「どうする?」「どうする?」「追いかけよう!」「そうしよう!」
2人はお揃いの顔を見合わせて笑い、駆け出した。