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桜の花びらが散るころに
春がやってきたぞー(棒
春だー受験だーワーワー
必殺!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
高速タイピング!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
はいWということで
桜を題材にした小説書きました~
見てくれ!
行ってらっしゃい‼
「ッっ…かあ、さッ!!」
俺がこんなに泣いているにもかかわらず、母さんはのんびりと小さな子供に話しかけるように俺に言った
「こらこら。桜雅泣かないの。母さんは明日まで生きてるんだから。」
本当に、本当にこの人は明日、死ぬのだろうか。もう、二度と会えないのだろうか。
「で、もッ!そんな、こッとイ、うなよぉ…もっと、もッッと生きてよぉッ…!」
「もう!桜雅は高校生でしょ?母さんがいなくても、しっかり、生きれる。大丈夫。母さんの子供なんだから」
こんな状態で明日からちゃんと生きれるのだろうか。俺1人で生きられるのだろうか。
「いやだああッ!!」
「桜雅が泣いてたら 桜が散っちゃうじゃない。こんなにきれいに咲いているのに」
昔から母さんは桜が好きだ。桜が咲く時期になると、大人なのに子供のようにはしゃぐ。
なぜ母さんは桜が好きなのだろう。死ぬ直前まで考えるほどに。
「母さんッは なんで、そ、んなに、桜がッ 好き、なんだッよぉ、」
「桜雅はね、」
「桜雅は、丁度桜が満開になった時に生まれたの。」
初めて知った。母さんの口から出た、俺と、桜の関係。
「だから、桜雅って名前にしたの。おうが。いい名前でしょ。」
「母さんは?母さんも、里桜 じゃん。桜、ついてるじゃん」
「逆よ。桜雅。母さんが里桜だから、お揃いの名前がいいなって思ったの。二つの奇跡が重なり合って『桜雅』って名前になったの。」
「素敵でしょ」と小さく笑う母さんを見ると、悲しくて、切なくてしょうがなかった。でも少し名前で母さんとつながった気がしてうれしかった。
でも、どうしても母さんが死んでしまうという悪夢のせいでうつむく俺に母さんは「ほら、あれ。」と、遠くの空き地の前にひっそりと、でも、力強く立っている桜の木を指さした。
「あれ、ね。」
母さんは、昔をゆっくりと、ゆっくりと思い出すように言った。
「あの、小さな桜の木。桜雅が生まれる少し前に、母さんと父さんが桜雅が大きく育ちますようにーって植えたの。」
また、初めて知った。
あの木は、小さかったから育たなかった哀れな木だとずっと思っていた。
「母さんたちの上方が悪かったみたいで、あんまりうまく育たなかったけどね、」
母さんは「桜雅は大きく育ってくれてうれしいわ」と、少し笑みを浮かべた。
ピーピーピーッッ
耳に響く機械音がした。
俺は急いでナースコールを押した。
「お母様は、、、」
「大丈夫です。覚悟はできているので。」
「そう、ですか。…お母様は後数時間ほどしかッ…」
この医者の様子を見ていても、母さんは愛されていたのだとわかる
もちろん。俺も母さんを誰よりも、誰よりも愛していた。
「死ぬんですね」
「…はい…」
「分かりました。ご報告ありがとうございます。あと、、」
「なんでしょう?」
「母を、母を外に連れて行ってもよろしいでしょうか…?」
「はい。もちろん。車椅子を忘れずに」
「ありがとうございますッ!では、失礼します!」
「母さん…?」
「どうしたの?」
「外、出ない?桜、見に行かない?」
「桜…?いいの⁉」
母さんは入院中なのに桜が見れることに驚いているようで、満開の桜のような笑顔を浮かべた。
「久しぶりの桜~。やっぱりきれいね~」
「本当だね。」
今年の桜は本当にきれいで、いつもなら桜に興味がないはずの俺も見とれてしまった。
「母さん!ほら!!花吹雪だよ!」
返事がない。
「母、さん…?」
一瞬ほかの人の話し声がうるさくて聞こえていないのかと思った。
でも、違った。
「母さんッ!!」
母さんの肩を揺らしても反応はない。
「母ッさん…」
やっと状況が理解できた。
でも、信じたくはなかった。
「ご臨終です、」
「ッっ…」
もっと、母さんにやさしくすればよかった。
もっと、母さんの口からたくさんのことを聞きたかった。
もっと、母さんと一緒にいればよかった。
もっと、母さんと桜を見たかった。
病室の外に出ると おじさんがいて、俺にやさしく声をかけてくれた。
「桜雅君。」
「ッ……」
「大丈夫。桜雅君は一人じゃない。」
「ッっ、、おじッさぁ…ッ!!」
泣きじゃくる俺をおじさんは優しく抱いてくれた。
お葬式では、たくさんの親せきに「一緒に住もう。」と言われた。
だけど、俺は断った。
だって、おじさんがあの、小さな桜の木の前の空き地に家を建ててくれると言ったからだ。
あそこにいれば、きっと、母さんと一緒に居れる。
お葬式の帰りは一人で寂しく帰った。
まだ、母さんが死んだ悲しみから抜け出せない俺は、親せきを置いて先に帰ってしまった。
「お・う・が!」
急に後ろから押された
「痛ッてッ…何だよ。雄飛…」
「おいおい。そんなに泣いてたらおばさんも悲しむぞ!」
「これ。」そう言って雄飛は俺にポスターを見せた。
「一緒に行かね?」
ポスターには『桜の苗木。一緒に植えませんか?』と書いてあった。
「これやったらきっと、おばさんも喜ぶと思うぜ!」
「……」
「ほら!もう申し込みしたから!明日、お前ん家集合な!」
と雄飛は自分の家へ走って帰ってしまった。
雄飛、まだかなぁ…
「お、桜雅おはよう。めっちゃ早いな~乗り気じゃん!」
「そんなことないけど…」
「ほら!行くぞ!」
2人で桜の散る道を駆け抜けた。
「お、桜雅君だ。おはよう!」
「おは、ようございます。」
「へへッ。このイベントの主催者俺の父さんなんだよね~」
「知らなかったでしょ」と明るく笑う雄飛
「里桜のために開いたんだよ。このイベント。桜雅君も来てくれてうれしいよ~」
「さ。苗木だよ。ここに植えて。」
おじさんは俺に苗木を手渡しして、ニコっと笑った。
「里桜、見てるといいね~」
「おばさーん!!ここだよ~」
この桜が母さんに届きますように。
おつりり!!!