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図書室の女神様
登場人物
・山田太郎(男)
至って普通の一般人
・久堂しづ(女)
図書委員、『図書室の女神』と呼ばれている
俺_山田太郎はよく図書室に行く。
そこには、『図書室の女神』_久堂さんがいるからだ。
久堂さんは可愛い。そして、優しい。
高嶺の花であり、女子の憧れの的でもある。
そんな久堂さんを一目でも見るために図書室の常連になっている。
そのおかげか、最近は久堂さんから話しかけてくれるようになった。
「その本面白いですよね!」
「この本おすすめですよ!」
など、本について色々話しかけてくれ、この放課後の時間は俺の至福の時間でもあった。
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今日も俺は図書室へ通う。
今日はどんな本を借りようか、そしてどう話しかけようか、久堂さんに話しかける気満々で向かう。
しかし、図書室は開いていなかった。
残念、帰ろうと思ったら、久堂さんが帰ろうとしていた。
つけてみようか、という邪な気持ちが頭をよぎる。彼女にもプライベートがあると理性がそれを否定する。
悩んだ結果、邪な気持ちが勝ち、ついていって驚かすことが決まった。
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「オラァ、とまれそこのクソ女!」
一瞬びくりとする。
なんと今、久堂さんは裏路地で不良に絡まれている。
大ピンチだ。
久堂さんは繊細そうで、殴られでもしたら、すぐに倒れてしまいそうだ。
「歯ぁ食いしばれ!クソ女!!!」
不良が久堂さんに殴りかかろうとした。
--- 危ない! ---
前に出ようとした瞬間、不良がぶっ飛んでいった。
____へ?
久堂さんが殴り飛ばした?
「ぴーぴーうっせぇんだよ!だいたい、裏路地に追い詰めるんじゃねェよ!正々堂々闘えや!出直してこい!!!」
久堂さんが不良のような言葉遣いで不良を責め立てている。
不良は怯え、さっさと逃げ帰ってしまった。
「おい、そこで盗み見してるやつ出てこいよ。あいつの仲間か?」
ギクリとする。多分俺に対して言っているだろう。ここで怒らせたら怖いことになってしまいそうで、観念して姿を見せる。
「あ?お前どこかで見たことある顔だな。もしかして、よく図書室にくる山田か?」
俺はブンブン顔を縦に振る。
久堂さんはピアスと首にタトゥーをしていて、トレードマークのメガネも外している。
明らかにやばい。
逃げ帰ろうとした瞬間、襟を掴まれる。
「おい。このこと学校にでもバラしたら、タダじゃおかねぇからな?」
そう脅す久堂さんはかっこよく、学校での姿よりも魅力的だった。