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私のお兄ちゃんは【国宝級イケメンアイドル】!?
ここなっつ
第1話:秘密の学校生活と、過保護なお迎え
「ねえ聞いてここな! 昨日のMVの威尊くん、見た!? あのビジュアルはさすがに国宝指定するべきだと思うの!」
昼休み、教室。友人のりんかが、スマホの画面を私に突きつけながら大興奮で語っている。
画面の中で、INIの後藤威尊がカメラに向かって不敵に微笑んでいた。
「あ、あはは……。うん、格好いいね……(昨日、家で一緒にたこ焼き焼いて、マヨネーズ口にくっつけてた人だなんて絶対に言えない)」
そう、私の日常は常に『秘密』との戦いだ。
学校では、普通の女子高生。でも一歩家に帰れば、JO1とINIの22人が私の兄。
「あーあ、あんなイケメンがお兄ちゃんだったら毎日学校頑張れるのになぁ」
「いや……実際いたらいたで、結構大変だよ?」
「え? ここな何か言った?」
「ううん! なんでもない!」
危ない危ない。
そんな冷や汗モノの学校生活を終え、放課後。ポツポツと雨が降り出した。
「うわ、傘忘れた……」
憂鬱な気分で下駄箱に向かうと、スマホがブブッと震えた。
画面を見ると、JO1の木全翔也からメッセージ。
『翔也にぃ:いま学校の近くの路地に車止めてる! 蓮くんと迅と迎えにきたよー!』
「ええっ!?」
嘘でしょ、あの3人が来たら目立ちすぎる!
私は慌てて荷物をまとめ、極力目立たないように裏門から外へ飛び出した。少し離れた路地に、見覚えのある黒い高級ワンボックスカーがハザードランプを点滅させて止まっている。
スライドドアが静かに開くと、そこには――。
「ここな、こっちこっち!」
バケットハットに黒マスク、伊達メガネという、お決まりの「芸能人変装スタイル」の松田迅が手を振っていた。いや、隠せてない。隠しきれない芸能人オーラが漏れてる。
「ちょっとみんな、なんで来たの!? バレたらどうするの!」
車内に滑り込み、ドアが閉まると同時に抗議する。すると、運転席の川尻蓮がバックミラー越しにふにゃっと目を細めて笑った。
「だって、ここなが傘持ってってないって奨くんが心配してたからさ。はい、タオル」
「ほらここな、俺の分のエナジードリンク飲む?」
「翔也にぃ、高校生にそれはいらない」
文句を言いつつも、タオルで髪を拭いてくれる迅にぃの優しさがちょっと嬉しい。
「あ、そうだここな。今日の夜ご飯、純喜くんと大夢くんが唐揚げ作ってるよ。急いで帰ろ!」
迅にぃの言葉通り、家に帰ると玄関を開けた瞬間からジューシーな良い香りが漂っていた。
「おかえりここな! ほら、特製唐揚げ揚がったぞー!」
キッチンから河野純喜がテンション高く声を上げ、その横で髙塚大夢が「純喜くん、油跳ねるから危ないって」と冷静に突っ込んでいる。
「こっちゃんおかえり。学校お疲れ様」
リビングでは、JO1の川西拓実とINIの藤牧京介がゲームのコントローラーを握ったまま、こっちを向いて微笑んだ。
「ただいま。……今日ね、学校でマイが威尊にぃのこと国宝って絶賛してたよ」
私がそう言うと、ちょうどリビングに入ってきた後藤威尊が、あからさまに嬉しそうな顔をしてポーズを決めた。
「おっ、見る目あるねぇ。ここなにとっては、どんな威尊お兄ちゃん?」
「マヨネーズつけたまま、たこ焼き30個食べるお兄ちゃん」
「ちょ、それは内緒にしてって言ったやん!」
ドッとリビングが笑いに包まれる。
テレビの中ではあんなに遠い存在の22人。でも、私の前で見せるこの笑顔だけは、私だけの特権。
世界一贅沢で、世界一騒がしい私の毎日は、今日も明日も大忙しになりそうだ。
(第2話 へ続く)