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偽りの自分
久しぶりに怖い話作るぞー!
確認してみたら本当にこのシリーズの更新半年ぶりだった!w
えっとですね…この半年での成長を感じてくれたら嬉しいです(?)
成長してるかは知らんけどw
夏が少しずつ終わりに近づき、秋を感じるようになってきたある日の授業中。
「はぁ…」
隣の席の|桜木胡桃《さくらぎ くるみ》さんがため息を吐いた。
「どうしたの?」
気になっちゃって僕…|薪井楓《まきい かえで》は思わずため息の訳を聞いた。
「え、嘘、ため息出てた?気にしなくて大丈夫だよ。」
「もしかして…ストレス?」
「そんなとこ。」
「ストレスを解消するには寝ることが大事なんだって。
僕ら日本の高校生には睡眠が足りていないとも言われてるくらいだから、
寝てみるとすっきりするかも?」
少しでも役に立てればいいな、と思ってアドバイスした。
「ありがとう。実際最近寝れてなかったのは事実だから。
参考にするね。」
桜木さんが笑顔で答えてくれたことが、僕は嬉しかった。
そう、僕は桜木さんのことが好きだから。
もっと桜木さんのことを知りたいってずっと思ってる。
休み時間。
「楓、昼ごはん一緒に食べようぜ。」
「うん、いいよ。」
今話しかけてきたのは、幼馴染の|佐野静《さの しずか》だ。
クラスの中で弁当を食べながら、僕は話し始めた。
「静って確か彼女いなかったっけ?」
「いるよ、有希ちゃん。めっちゃかわいい。」
彼女自慢…どうでもいい。
で、今有希ちゃんって言われてたのは|湖島有希《こしま ゆき》って子。
「確かその子って学年でも結構モテてたよね。」
「楓、分かってるじゃん。かわいいんだよ。」
「かわいいを連呼しないで。僕の恋愛価値観もおかしくなりそうだからさ。
僕は、かわいいっていうよりも清楚な子が好きなんだ。」
「清楚な子が好き、か。ってことより!俺の恋愛価値観がおかしいとか言ったな?」
「ん?言ってないよ。僕の恋愛価値観もおかしくなりそうとは言ったけど。」
まぁ、恋愛価値観をおかしくさせてる静の価値観は変わってるに違いないけどね。
それから少し経って静に彼女が話しかけてきたので、
僕は邪魔者だと思って一人で今は使われてない教室へ行った。
「空き教室ってなんでこんなに教室より雰囲気いいんだろうなぁ」
僕はここを気に入っている。図書館よりも落ち着けるから。
すると、珍しく来客が来た。
「ふぁぁぁ…って、薪井くん!」
「桜木さん⁉どうしてここに⁉」
「落ち着きたくてね。今までにも何回か来てたんだけど…
薪井くんも前から来てたの?」
「うん。まさかこんなに行くタイミングが被らないとは驚いたけどね。」
「私もここ使っていい?」
「もちろん。」
え、え、えぇっ⁉
桜木さんもここ来てたの⁉
これって運命…⁉
そうやって僕がにこにこしてると。
「どうしたの?薪井くん。何かいいことでもあった?」
「ふぇっ⁉な、なんでもないよ。」
「そっか。悩んでるなら私も相談乗るよ?」
「大丈夫だから。気にしないでっ!」
焦った…
授業開始時間5分前のチャイムが鳴って僕と桜木さんは教室へ戻った。
それから何日か僕と桜木さんは空き教室で会って前よりも仲良くなり、
桜木さんが僕のことを楓くんって呼んでくれるようになった。
「楓くん、明日もここ来てくれる?」
「いいけど…わざわざどうしたの?」
「明日も来てくれるかなーって思っただけだよ。」
「もちろん来るよ。」
「分かった。じゃあ私は先に教室戻っておくね。」
「うん。」
何だったんだろう、今の。
次の日。
僕が空き教室に来ると、桜木さんが僕より先に来てた。
「楓くん!ちょっと、部屋の隅っこまで来て!」
いつもよりテンションの高い桜木さんが僕を呼んだ。
「どうしたの?」
僕が部屋の隅まで行ってみると。
「こうするため」
「こうするため…って?」
桜木さんが珍しく持ってきていたカバンからナイフを取り出した。
「ひっ…⁉」
僕はこんな人が好きだったの…?
ショックになった。
「なんでこのナイフを学校に持ってきたと思う?」
「さ、さぁ…」
「実は私、クラスのみんなに対して偽りの自分を作ってた。
本当の自分はもっとみんなに怖がられるような人間だったの。
何でそんなイメージが付いたと思う?
中学の時に、カッターナイフで消えて欲しいやつの腕を傷つけたから。」
そんな…
絶対流れ的に僕死ぬじゃん…
「私にとってはそれから一人で過ごした時間が楽だった。
先生に怒られたっていい。だからさ、楓くんのことも傷つけて…いいかなぁ?」
「や、やめてよ、そんな冗談。」
「冗談じゃないよ。これは本当の話だから。」
「桜木さんは僕のことを殺す気だよね。」
「さぁ、どこまで傷付けるかはその時まで分からないよ。」
「最後に言わせて。僕は、昨日まで桜木さんのことが好きだった。」
「…!」
一瞬、桜木さんは驚いた。
「そういうこというの…やめてよ。」
涙が一筋流れた。
「私も楓くんの事、好きだった。でも、前の自分の方が
自分らしくて好きだったから…なんで先に言ってくれなかったの…!」
「え、あぁ、えぇ…?」
まさか両想いだったなんて。
これで殺されることは免れた、のかな?
「手遅れだって。昨日までに言ってくれたら私はこの行動に
至らなかったのに…!
もう、全部が嫌になりそう…ごめんね、楓くん、バイバイ。」
ここからどうなったかは、あなたの想像次第。
久しぶりの怖い話、よく分かんない狂った話になった、かな?
えっと…とりあえず笑っとけばいいか(*´∀`)