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黒い契約業者 尋問記録
藤本宮南参
ここから先へは、怪異課の人間であるかないか、などは関係なく、知れば自分の脳はひっくり返る程のことを聞く覚悟がある人にのみ見て欲しい。私はあの時の尋問官であり、私はそろそろあの病で死のうとしている。あれはもう何十年も前のことだ。今、このインターネットが復旧して世間が誹謗中傷やら迷惑行為やらで賑わっている喧騒の中、これを公開しても信じられるわけがない、と思った。
ならば、それを逆手に取るのだ。当時、その現場を見ていた警察なら、記憶が一気に湧くだろう。あの場に居合わせたからこそ、本当だとわかる。あれを見ていなかったからこそ、嘘だと思う。
これが。これこそが、怪異課が作られたきっかけ。
いや、言い方が悪いな。
怪異課が作られた元凶、だ。
記録開始
「…起きていますか?」「やあ、⬛︎⬛︎⬛︎。」「…話を続けますよ」「いいや、これは偽名だったか。君は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、だろう?」「寝ぼけているのですか?」「早くしてくれ。私の顧客が待っているんだ。」「では直球に問います。あなたは、何が目的なのですか?」「私は、ただ意味もなく契約をしている。」「契約には意味がないと?契約をしても意味がないと?」「そう言うわけではない。私は、そこらへんにいる人間の素質がわかるんだ。」「素質、ですか。」「素質を持つ人間は、皆決まってこの言葉に弱い。『取引を、しませんか。』」「それがあなたのフレーズでしたよね。」「そこまで調べられているとは、警察も侮れませんね。」「では、なぜ契約するのですか?」「言っただろう。契約には意味がないと。」「でも、契約をするからこそ、顧客ができるのですよね?」「意味がない。それだけでは。」「なるほど、そう言う意味でしたか。」「お前は今、こう思っているだろう。『つまり、取引に意味があるのでは?』と。」「流石。」「では教えよう。」黒い男が机にフラスコと水の入ったペットボトルを置く。
「フラスコを顧客Aとして見立てろ。」「はい。」「ペットボトルは私の取引だ。」「はい。」黒い男はペットボトルの口とフラスコの口が合わさるようにした。
「よく見ろ。人間だけだ。簡単に許容ができるのは。」
刹那、フラスコに水が注がれる。フラスコは満杯になり、ペットボトルは空だ。
「そのペットボトルはどうするんですか?」「では、これを見ろ。その前に、少し離れろ。」「何故ですか?」「飛び散る。」
フラスコの口とペットボトルの口が合わさる。フラスコ満杯の水がペットボトルに注がれ、ペットボトルが満杯になった。黒い男は、拳を作った。
ガッチィィイイイィィイィイイン!
フラスコは大きな音を立て、割れた。
「これで、私のしていることは理解できただろう。そろそろ、顧客のところへ行かねば。」「おい、待て!」黒い男は、壁と体が接したと思うと、壁に埋まり、消えた。
記録終了
私は、もうこれ以上身体が持たない。最期に、言いたいんだ。
昔、怪異課の名簿を見ていたら、
プロジェクター:K とあったんだ。あれを、おし
「バタン。」