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愛想がなさすぎて孤立した人の話。〜もっと愛想を振りまいておけばよかった〜 第一章 新学期の出来事I 記憶喪失編
レゲエ好き
…また私は1人だ。いつもそんなことを考えていた。あの時、私はどうすればよかったのだろう?何をすればよかったのだろう?今もよく考えるがわからない。
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私の名前は皐月玲奈だ。さつき れいな と読む。小学6年生の女子だ。私はクラスで完全に孤立している人間である。クラスメートも先生もあまり関わってこようとしない。関わってくるのは、よっぽどのバカか彼氏だけだ。……そう、こんな私にも彼氏がいるのだ。でも、彼氏にこのことを話すわけにはいかない。心配をかけたくないからだ。今日もみんなから避けられながらクラスで1日を過ごす。慣れていることだ。
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今日は始業式の日だ。クラス替え。彼氏と一緒になれるかな?
そんな呑気なことを垂れながらクラス表を一つずつ確認していく。彼氏である|圭人《けいと》と一緒に。
「どのクラスになるかな〜。」
「さあな?一緒のクラスだといいな。」
…嬉しい。
「私も。」
3秒後、私の指がピタッと止まる。
「あ…私、4組だ。」
「俺の名前…ない…か…。」
「そ、そうだね。」
「まあ、去年クラス一緒だったから、机とりに来るだろ?またそん時に話そ。」
「うん。」
圭人がいなくても1人でうまく立ち回らないと…。クラス表をもう一度よく見てみた。
私はそこで重大なことに気がついてしまった。
「…え…?嘘…。去年・|一昨年《おととし》で仲が良かった子がほとんど居ない…。」
これは私にとって致命傷だった。
「私…あんまり交友関係広くないのに…。」
終わった。今年一年で小学校卒業なのに…!
「なん…で…。」
私は心から絶望を感じた。こんなメンバーで本当に大丈夫なのかって。
とりあえず、かばんをロッカーにしまった後に彼氏のいる教室に机を取りに行った。
「やっほー。」
「お、玲奈おすー。」
仲がいい子とは普通に会話できる。
でも、特に女子や苦手な奴とはまともに会話できない。
それとなく圭人と会話を交わした後、机を持ってその教室を出た。
圭人は2組になったようだ。
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この次は全校生徒が体育館に集まって行う始業式がある。
今日、未だにこのクラスの人と話していない。
はぁ〜私孤立しちゃうのかな〜?
でも……私は周りを見まわした。陰でこそこそ悪口を言いながら笑う女子。暴れ回り今にも人にぶつかりそうな男子。こいつらとは関わりたくない。なるべく塩対応で行こう…。私はそう小さく決心をした。
…それはそれとして、これだけ色々考えていても校長の話が長すぎて終わらね〜!!
「…はぁ。」
私はついに漏らしてしまった。小さなため息を。
ーーー3分後
ようやく終わった。校長の話。なんでこんなに長いんだ。いつもにまして長かったような…?
まぁ、気にすることじゃないと思う。
この時、私はこの自分の行動で自分自身が危険な目に晒されることを知る由もありませんでした。
「はー疲れた。」
私は1人で退屈な時はトイレで独り言を呟くのがクセだった。
「それにしても、校長先生何を長々と喋ってたんだろう?」
今更だが気になってきた。
「他の子に聞くこともできないし…」
そう。新クラスになってまだクラスの人と話したことがない。
私は悩んだ末に教室に戻り、少なくともこのクラスの雰囲気に慣れねばならない。
朝には話しかけてこなかった子が駆け寄ってきた。
確か……|真衣《まい》ちゃんだったような?
「玲奈ちゃん。このプリント先生に提出した?」
「あ…まだかも。」
「早く出しなよ〜」
「うん…」
私はこの会話から察した。|この子《舞ちゃん》のことが苦手だ…!
あからさまにキャピキャピオーラ出てて怖かった…。
やはり教室の雰囲気が合わなかったようで、辛かったので廊下に出て風に当たっていた時のことだ。
「はぁ〜…。なんでこんなクラス替えになっちゃったかな〜…」
なぜか皆が悲鳴をあげていた。多分ハチでも出たんだろう。あれ?でも今はハチの季節じゃ…な…
後ろから黒い服を着た男の人の腕が伸びてくるのが見えた。
ガシッ
後ろへ引き寄せられ首にナイフを突きつけられた。
「動くな!!動けばこの娘の命はない!!!」
私は一瞬、頭の中が真っ白になった。
「へ?」
あまりに衝撃的なことだったがようやく理解した。私は人質にされたようだ。
「……」
どうしよう…!下手に声を挙げれば…死……!!
私は顔をしかめながらなんとか声を挙げた。
「や…やめ…」
「うるさい!!黙れ!!!」
男の声が廊下に響いた。
少しざわざわしていた周りが一気に静まり返った。
…ていうか、この男どうやって周りに気付かれずに|6年フロア《3階》まで来たんだ!?
そこが謎だ。もしや学校の教職員全員がグルなのか!?でも学校が闇堕ちするか!?
そんなことを考えているうちに生徒への避難指示が出たようだ。
『校舎の中にいる児童・教職員は全員運動場へ集合すること。』
たったそれだけが放送された。は?学校側…私を助ける気0ってことね。“動けば私の命がない”そう言われてる側から避難指示出すとかアホの極みでしょ!?一体何考えてるの?わかんないよ!!
しばらくすると、このフロアの人で階段を降りて校庭へ向かおうとする人が出てきた。その時、
「動くなって言ってるだろ!?聞いてんのかアホども!!」
男がまた叫んだ。近くで聞いてる私は鼓膜が破れそうだ。
ふと目に入った。心配そうにこちらを見つめる彼氏。…私は1人でだって生き抜いてやるんだ。
誰も助けに来ようとしない。だから1人で…!!
そして行動に移そうとしたその時だった。
グイッ
「は!?」
男が首を絞めてきたんだ。苦しい…苦しい…
「だ…れか……たす…け…て…」
意識が飛びそう。だめだ…まぶたが…いやだ…!まだ…死にたくない…!!
うっすらと見える周りの様子をじっとみていた。
あれ?誰かこっちくる…。まさか……。
そのまさかだった。
「けい…と……?」
「玲奈!!!!!!!!」
だめ!こっち来たら、あなたが刺される…!!
「バカなガキだ!そんなに殺されたきゃ、望み通り殺してやる!!」
なんとか飛びそうな意識で男の手を振り解いた。
するっ
よし!!圭人を助けないと!!
「圭人!!!」
ただ、圭人が無事ならいい!!それだけだ。
「玲奈!だめだ。こっちにくるな!」
それは無理だよ。圭人。あなたに出会えて幸せだった。許してね?
私はその場から動けなかった圭人を押した。圭人が刺されないように。
ドスッ
|その音《・・・》が響き渡った。
そう。私は刺されたのだ。
圭人が無事で良かった。……
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しばらく経ってから目が覚めた。あれからどうなっただろう。
「ここ…は?」
すぐに視界に飛び込んできた人がいた。
圭人だった…!
「圭人!?無事だったの…?」
「何言ってんだ!?お前自分のしたことと受けた傷のこと覚えてないのか!?」
「え…?」
その|瞬間《とき》はだいぶ動転していて学校でのことを覚えていなかった。
「あのな…お前の首が絞められている時に俺が刺されそうになってたんだ。」
「うん。」
「そん時に男の手を振り解いて俺のところに走ってきたんだ。」
「え!??」
「ほんとにやってたぞ。それで、俺のことを庇ってお前は腹を刺されたんだ…!!」
「そんな事やったっけー?」
「おま…!!」
ビクッ びっくりした…流石に大きな声出さないでよ。
……あれ?この人誰だっけ…?
「あなた…どなた…?」
「え!?は!?まさか、記憶喪失!?」
焦っている…。本当に誰なのだろう。周りにたくさんいるこの人たちも……。