公開中
🎸🎶🎈
黒井Side
とある夜。
俺、|黒井《くろい》と|真《しん》は夜に見回りに来ていた。
---
「路地裏によくいるから行ってみない?」
|真《しん》が軽い口調で言った。
なにがよくいるかというと、孤児や虐待されていた子。
ちょこちょこ見かけるし、けがをしていたら、すぐに治療する。
まあここら辺の子はすり傷くらいだからあんまり大きなけがはないんだけどね。
「ねえねえー!!いるー!!」
|流石《さすが》|真《しん》。
見つけるのが人一倍早い。
「お名前言える?」
|真《しん》の声が急に柔らかくなった。
「|陸《りく》です」
「ことのっです」
「|風和《ふわ》です」
「よく言えたね。すごいね。」
その|真《しん》の顔は本当に笑っていた。
|偽善《うそ》の|笑顔《しあわせ》ではなかった。
心から笑っている。
「怪我とかしてない?」
「|陸《りく》君腕は?」
|琴乃《ことの》ちゃんが言った。
「あの、リスカがやめれなくて…」
その顔は真剣だった。
「あと|陸《りく》くん|OD《オーバードーズ》も時々してるし、朝起きれないでしょ?」
急に口をはさんでくる|風和《ふわ》ちゃん。
「そうなの?」
「はい…」
後ろめたそうに小声で言う|陸《りく》君。
「じゃあ一旦行こうか。」
「僕たちの|病院《家》。」
4月28日一部修正