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#1
※本小説は実在する女性VTuberさんの夢小説となっております。苦手な方はブラウザバックなどの対応をお取りくださいますよう、よろしくお願いいたします。
「……ん、うるさぁい……」
ピピピピ、ピピピピ。目覚まし時計が鳴る。寝覚めに悪すぎる大きな音が永遠に鳴り続けている。そして私はそれに必死に抵抗しようと、枕に顔をうずめ続ける。
「起きたくなーい、休む……。あ、でも今日必修あるんだ……」
今日は学校を休んでしまおうかと思うが、生憎無理そうな事に気付く。今日は休まずに行かないと、この先の生活が危うい。頭ではそう考えながらも、私の心はぐるぐると回る。
「起きたくない……。うぅ、でも学校。もう、あんな授業通信でいいじゃんかー……!」
ベッドの中で駄々をこねる。しかしそうしていると、また目覚まし時計がセットした時間に鳴った。
「……う」
私はそこでやっと目覚める。結局今ここで何言ったって学校の制度は変わらないのだから、もう今日は眠気に勝って行くしかない。たった一日の二度寝でこの先の数年間をドブに捨てたくはないし。私は必死に理性でそう考えながら、ベッドから起き上がった。
「はぁ……。おはよう」
他に人が居ない家に挨拶をする。これは私のルーティンというか、習慣のようなもので、かれこれ数十年間はずっとこうしている。おはよう以外にもそうで、ただいま、おやすみ、全て一人暮らしになっても言っている。
そして、これらの挨拶に誰も返答してくれない事に、私は寂しさを感じる事がない。むしろ、私は誰にも縛られていないんだと、うっとりしてしまうくらいだ。もうあんな家族は居ない、一人でなんでもできる世界。私はそんな世界が大好きなのだ。
「ふぅ、準備しなきゃ」
ベッドから出ると、私をいつも通りの朝が迎える。そして私はそれに応えるように、いつも通りの朝のルーティンを実行していく。まず顔を洗う。そしてその次に、朝食の準備をする。今日はトーストとジャムだ。そして次に、メイクをしたり服を着替えたり、身だしなみを外行き用にする。これが私のルーティンだ。そして今は、朝のメイクを終えたところ。
「よし、メイク終了! 今日のメイク、いつもより可愛いかも!」
今日はメイクのりが中々に良い感じ。その日のメイクが可愛いと、やっぱり私自身もテンションが上がるというか、いつもに増して声が可愛く高くなるような、そんな気分になる。乙女の気分はメイクと服で変わるもんだ。
「今日のメイクに合わせるならー、お洋服は……コレ!」
メイクの雰囲気に合わせて、私はお洋服を選ぶ。服も中々可愛くおしゃれなもので、今日センスの調子が良い日だ、と直感で感じた。笑顔で服を着替える。
「いやー、眠気の原因にもなったけど……。すいちゃんの配信の次の日は、もっと可愛くなれちゃうな」
途端に、そんな事を考える。そう、私が最初にベッドの中でぐずってた理由。それは昨日すいちゃんの配信があって、眠りにつく時間がいつもより遅かったからなのだ。
推しの配信というものは、やっぱりファンからすればリアルタイムで追いかけたいものだ。私も、すいちゃんの配信を追う時はその一心で、昨日も同じマインドで配信を見ていた。そしたら、配信内ですいちゃんがやっているゲームが思ったより白熱してきて、そしたらあっという間に時間が経った。その結果、昨日はド深夜まで起きてしまった。まぁ、今回の事を私は後悔も反省もしていない訳だが。
そんな感じで、眠気の原因も昨日の配信だったのだが、同時に今日のメイクやお洋服がいつもより可愛いのも、昨日すいちゃんの配信を見ていたからだ、と私は思うのだ。
一人暮らしを始めて、すいちゃんの配信をリアルタイムで見られるようになってから、これはずっと感じている。すいちゃんの配信を見た翌日は、やっぱりなんというか、私が普段より可愛い。メイクが可愛いし、お洋服が可愛いし、仕草が可愛い。
詳しい理由はもちろん知らないが、まぁこれは恋の症状か何かだろう。私は、すいちゃんに恋をしているから。
「……よし、お洋服も準備完了!」
なんて事を永遠に考えていると、いつの間にかお洋服の準備も終わった。全身鏡で自分を見てみても、やっぱり私は可愛い。そんな私を、今日も大事にしようと思う。
「いってきまーす!」
今日も自分のため、そして推しのために、私はなんとか生きる。そう思いながら私は、家のドアを開け、いつも通りの通学路を歩きに行った。
女の子のメイクやお洋服事情はあんまり分からないので、描写がまぁまぁぼかされています。夢主ちゃんの服装は想像にお任せ、という事です。可愛いの作り方、ワカラナイ。
ちなみにですが、夢主ちゃんは2021年からすいちゃんを推しているという設定です。2021年の時、夢主ちゃんは16歳、高校一年生でした。