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#3
※本小説は実在する女性VTuberさんの夢小説となっております。苦手な方はブラウザバックなどの対応をお取りくださいますよう、よろしくお願いいたします。
「ふぅ、開封会終わっちゃった……。やっぱりすいちゃんは尊いなぁ……!」
数十分後。一人の開封会も終わり、私は目の前の大きなすいちゃん専用の祭壇を眺めていた。やっぱり、すいちゃんは可愛い。そして可愛い物はあればあるほど良い。同じ物がいっぱいあったって、可愛いのだから問題はない。むしろ、可愛いの面積が増えてハッピーだ。そう考えながら、すいちゃんの可愛らしくかっこよく、そして何より美しいグッズ達を眺めた。
「……よしよし、明日からも推し活頑張ろ!」
バイトもポイ活も頑張るぞーと息巻きつつ、私は部屋を出た。すいちゃんへの貢献のため、自分がもっともっと愛を育むため、これからも推し活を頑張る所存だ。|星詠《ほしよ》みとして、すいちゃんの事をもっともっと応援するぞ。
「よし……。あ、そろそろ夜ご飯の時間」
ふとリビングで時計を見ると、時刻は午後六時。夜ご飯を作って食べるには充分な時刻だ。最近買い物に行けてなくて、冷蔵庫に食材が無い事を考えなければ。
「どうしよ、宅配するかな……」
ちょっとお金はかかってしまうけど、あんな寒い外になんか出てられない。むしろそれで風邪でも引いてみようもんなら、もっとお金がかかるだろう。
今日の夜ご飯は宅配にしよう、そして明日こそ食材のお買い物に行こう、そう思いつつ、私は何かしら頼むためにスマホを開いた。
「えーっと…………ん?」
適当に宅配アプリを開いて、何かしら頼む。それだけすれば良かった。だがしかし、スマホを開いて私は見てしまったのだ。
「は……? え、なんで……?」
SNSのおすすめ通知。私が普段見ているからって、勝手に通知された一本の動画。それを見て私は、一瞬で情緒をずたずたに切り刻まれた。
そこには、すいちゃん推しの人の動画が通知されていた。
「マジでさぁ、マジでこれなんで……!」
ふわふわとした編集に載せられる、投稿者が推し活している写真達。それを見ていたら、投稿者がすいちゃん推しである事は明らかだった。私にはそれが悲しくてしょうがなかった。ずっと同担拒否でやってきているので、急に見せつけられると悲しい。
「……ブロック、しなきゃ」
それでも私は、自分自身の中にある攻撃性を必死に押さえつけた。ブロックして、見えないようにすれば良いんだ。おすすめ通知はこれからOFFにしよう。そうすれば、もう誰も見なくて済む。私は震える人差し指で、ユーザーブロックボタンを押した。そうすると、動画は見えなくなった。
「ふー……」
辛い、悲しい。怒るわけでもなく、ただひたすらにそんな感情達が脳内にて循環した。もうこれからは、絶対にこんな投稿見ない。そう考えながら、私は苦し紛れに他のSNSを開いた。
「……」
スマホキーボードで、たったの数十文字を打ち込んだ。投稿ボタンを押して、鍵垢の中で素直な自分の気持ちをつぶやいた。
『私が一番であってるよね。私だけを見てくれてるよね。信じてるからね。』
重苦しい言葉だが、今はこうでも書かないと自分の気持ちが分からなくなりそうだった。鍵垢なので誰にも迷惑はかけていないし、誰かを攻撃していないだけ、おそらく私はまだマシだ。そう思い込んで、必死に耐えた。
「はー……。ご飯だ、夜ご飯頼まなきゃ」
ご飯くらいは喉通るよな、と少しばかり心配になりつつ、宅配アプリを開いた。
暗い気持ちを吹っ飛ばすように、その日の私は頼んだご飯を食べて、その後お風呂に入って、身支度したらすぐに眠りについたのだった。
知らない人が居るかもしれないので説明しておきますが、途中で出てきた「星詠み」とは、すいちゃんのファンネームです。めっちゃおしゃれですよね。綺麗だ。
夢主ちゃんはすいちゃんガチ恋同担断固拒否勢という設定ですのでね、ちょっと重苦しくしてみました。でも私自身が同担大好き人間ですので、ちょっと感覚が違うかもです。もしかしたら解釈違いかもしれません、ごめんなさい。