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もしも、殺し屋だけの世界があったら。 2
シリーズ第2弾になりました!ぜひご覧ください!
朋紀は小学校に入学した。彼はずっと殺し屋である自分が嫌いだったから、私立の学校に入学した。この学校では、全員が殺し屋だということを隠し、先生も何も言わなかった。幼稚園・保育園児はそもそも、親にまだ人を殺してはいけないと言われるのだ。だが、小学生になれば違う。小学生になれば、親は何も言わなくなる。つまり、人を殺しても良いと、許されるのだ。油断して、同級生に言ってしまえば、もう生きて帰ってこられないかもしれない。相手が先生であろうと、殺しにかかってくる。
彼は、怖くて誰にも自分のことなんて言いやしなかった。まだ死にたくない。
でも、彼は1度だけ、殺ってしまったことがある。その人は、彼の隣の席の人で、学年でも落ちこぼれの人だった。ある日、彼を屋上へ呼び出し、その人はこう言った。
「僕、実は殺し屋なんだ。お母さんに言われたんだ。『1度で良い、小学校に通っている間に、人を殺しなさい。』って。だから、君を殺させてくれ」
彼はこう言った。
「それを言ったのなら、僕も言わせてもらおう。僕も、殺し屋なんだ。それなら、どちらかが殺られるまで、やろう」
2人は、今自分の秘めていた能力を充分に使って、やり合った。そして、彼はその人を殺したのだ。
この世界には本人たちだけが知っている、「絶対に殺り合ってはいけない人」が3人いるのだ。実は、彼の両親は、その3人の中に入っている人たちなのだ。つまり、彼は、これから、最強の殺し屋になるという使命を両親お互いから課されているのだ。
彼は、1人を殺して、快感を得てしまった。そして、こんなことを思った。「僕は、この世界の最強になる」と。
小学校にはちゃんと通った。勉強もちゃんとした。その中で、学校が終われば、急いで家に帰り、1人で特訓をした。なんでこんなことになったのだろう。心の中のどこかにこの思いは多分あった。でも、あの時に感じた快感に、彼は目覚めてしまったのだ。
学校にいる時でも、ずっとどうしたら今よりももっと強くなれるか考えていた。自然にこのことに一生懸命になった。なぜか、両親のように強くなりたいと思うようになった。殺し屋は何のために生まれてきたのか、彼にはまだよく分かっていなかった。この時はもちろん、相手から財宝を奪うとか、殺して何か得なことがあるとか、そんなこと考えていなかった(のちに、彼が何のために生まれてきたか、知らされることにはなる)。
6年間、人を殺したのは1回きり、他に何かが起こったわけでもなく、小学校の課程を終えた。
どんな終わり方にするか、少しずつ明確になってきました!次回は世界が変化していきます。お楽しみに!