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飛んだ肉片。
かいら
「さようなら、お兄ちゃん。お母さん、お父さん。先に死んでごめんね。大好きだったよ」
少し乾いた風。始発電車が動く時間。人影は少ない。
ホームドアをよじ登りちょうど電車が見えたときホームに身を乗り出した。
私の行動を止める人、ごめんなさい。もう止めないでください。私は最低な人殺しですから。
「ふみ、大学楽しみだね!もう卒業なんて信じられないよー。」「それなー。でも楽しみだよね!絶対恋人作るから」高校3年の秋、受験がもうすぐ行われるため教室はピリピリしていて息が詰まる。でも、ふみと話している時間は中学1年から変わらずに楽しい。
ピーンポーン 「ただいまー」インターホンを押し誰もいない家に向かって言う。
お父さんとお母さんは大学の学費のために2年前からコツコツとためてくれている。大学に通うお兄ちゃんも授業後空いているときにアルバイトをして私が少しでも安心して大学に通えているように稼いでくれている。すると噂のお兄ちゃんが帰ってきた。「お兄ちゃん、おかえり」「瑞穂、ただいま。晩御飯作ってくれてたの?俺変わるよ」
もう、お兄ちゃんは休んでてよーというと瑞穂は勉強しなさい。と優しく怒られてしまった
私が勉強の用意をしているとき、お兄ちゃんが急に聞いてきた。「瑞穂さ、大学楽しみ?」
急になに笑「楽しみに決まってるじゃん、そのために私は勉強してるんだよ。ずっと行きたかった大学だし、お母さんたちも私のために働いてくれてるし絶対受かるから!」やけに熱弁してしまったのが少し恥ずかしいが、でも言いたいことはこれだけじゃなかった。私のために人が働いてくれているということが本当にありがたかった。「そっか、頑張ってね」とお兄ちゃんはかつてないくらいの優しい顔で言ってくれた。「もーニヤニヤしないでよ気持ち悪いなー。ありがとねお兄ちゃん、じゃあ晩御飯出来たら呼んでくれる?」と照れ隠ししながら言った。
勉強を始めて2時間くらいたった頃だろうかいつもは電源を切っていた携帯からヴーとバイブ音が鳴った。切り忘れていたようだ。恐らくふみからのLINEだろう。少し疲れたし次の問題が終わったら一度内容だけ確認しよう。そう思った。問題が解き終わり、LINEを開く。いつも見るアイコンじゃない。そこで改めてアイコンを見て体から嫌な汗が出てきた。
私が去年まで付き合っていた彼氏からだ。勉強が忙しくなるからという理由をつけて別れた。本当は、もっと違う理由があった。彼は、少し重い部分があった。いわばメンヘラというのだろうか。それに耐えられなくなり私のほうの精神が安定しなくなったころに初めて彼から夜の営みを誘われた。そのころのことは今になってくっきりと頭に浮かぶ。彼が私にキスをする前携帯で動画を取っているところを見つけてしまった。「どうしたの?動画?」と聞くと急にキスを迫ってきてそのまま流れに従ってしまった。彼は、私との行為を動画に残していた。それだけではなく私が起きる前にも裸の写真を何枚も撮っていたいたらしい。しかしそれを知ったのは彼と別れて1年経った今である。そう、彼から届いたのは裸の写真数枚と彼との性行為の動画である。それとともに送られてきたのが[これを見たらすぐにLINEを返して。バラされたくないこといっぱいあるでしょ?だったら明日、ここに来て]
といった内容であった。別れるとき彼らしくないほどすんなりと別れてくれた。その時に少しでも疑っておけばよかったのだがすぐに受験勉強に取り掛かってしまったため彼のことなんてすっかり忘れていたし、LINEすらブロックするのを忘れていた。でも、それでよかったのかもしれない。彼のことなら私からLINEをブロックされていると知ったらすぐにこの動画も写真もネットにさらしてしまうだろう。でも、なんでこんなタイミングに・・
[しゅうくん。久しぶりだね。なんでこんなことするの?円満に別れたでしょ。]しゅうくんは既読をつけたまま返信を返すことはなかった。お兄ちゃんから晩御飯ができたと言われた時もいつものようにありがとうと言えたか不安になるくらい動揺してしまった。なんで今。こんな大事な時期に。バラされたくないけどそれよりも行きたくない。
晩御飯を食べながらお兄ちゃんに「どっかわかんない問題あったの?なんか悩んでる顔してるけど。教えよっか?」と言われてまた焦った。いつも通り過ごさなきゃと思うほどいつもどうやって過ごしていたか分からなくなる。お兄ちゃんには絶対バレたくない。今まで彼氏のことなんて話したこともなかったし、ましてや私が元カレとヤった動画とか写真とかが送られてきた・・。なんて言えない。「ううん、違うの。さっきふみからLINEが来て息抜きで遊ばない?って言われてどうしよっかなと思って。」うまくごまかせたかな。「いいんじゃない?勉強ばっかやってるとハゲるよ?笑」そうだねと笑いかけながらも明日のことしか頭の中には入ってこない。
「じゃあ、今日晩御飯よろしくね」お兄ちゃんがせっかくだからふみちゃんと食べてきたら?というので晩御飯を作ってもらうことになった。こういう時のお兄ちゃんの優しさはつらい。
授業が終わりふみには今日は図書館行くから一緒に帰れないと嘘をつきしゅうくんが指定してきた場所に向かう。怖い、怖い。でも行くしかない。バラされたくない。こんな私誰にも見られたくない。「しゅうくん。」しゅうくんは指定された店の前で待っていた。まるで入る気なんてないかのように。「おぉ、瑞穂来てくれたんだね。よかったよーじゃあ、行こ」そういって後ろにある店には入らず違う目的地を目指しているようだ。「う、うん。」歩いているときのしゅうくんは優しかった。最近元気にしてた?とか送ってきた動画のことには一切触れずに。ラブホテルが近づいていると分かったときは逃げ出したかった。でもしゅうくんはそれを制止するかのように腰に手をまわしていた。「しゅくん、どこ行くの。」しゅうくんは当たり前かのように「え?ラブホに決まってるでしょ。瑞穂、俺と初めてヤったときもここきたでしょ?覚えてないの?」「話すならほかのところでいいじゃん。なんでここじゃないといけないの。」その途端しゅくんは歩いていた足を止めた。私も足を止め一歩後ずさりした。「うっせーな。お前まだわかってねーの?なに、動画バラされたいわけ?バラされたくないんだったら黙ってついて来いよ」さっきまでの優しさとは裏腹な態度に少し怖気ずく。「ごめんなさい。」私はしゅうくんの怖さに負けてラブホテルに入ってしまった。
部屋に入った途端すぐ鍵を閉められ後ろから蹴られ私は床に倒れこんだ「なぁー瑞穂~!この動画消してほしい?」そう見せてきたのは例の動画だ。「う、うん。」そうかそうかとつぶやきながらもしゅくんは何か用意をしているようだ。しゅうくんが後ろを向いているとき今だと思って逃げ出そうとした。その時ドンッ!と衝撃が走った。痛い。状況が分からない私今どうなってる?どうやら気を失ってたようだ。それに加えて腕と足を縛られているようだ。「しゅうくん!やめてよ、わたしがなにした?何が嫌だったの?」そうやって叫んでもしゅうくんは動きを止めない。嫌だ、怖い。お兄ちゃん。助けて。「瑞穂。大好き。瑞穂も俺のこと好きだよね。」さっきの行動は何だったのって思うほどしゅうくんは落ち着いた声でささやく。気持ち悪い。早く消えて。「嫌い!嫌いだよ。しゅうくんのこういう所が嫌い!早く放して!」と叫ぶと、はぁあ。としゅうくんがため息をついた。ガチャガチャとズボンのベルトをいじる。「ねえ!何をしようとしてるの?やめてよ。動画消してくれるんだよね。」
私の声なんか聞こえてない「早くしゃぶれ」しゅうくんの性器が迫ってきた。怖い。汚い。「早くしろよ!動画さらすぞ!」