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光
読み切りです。
君がただ「幸せ」って言う一秒が作れたらそれだけで
私は「幸せ」なんだ
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君のその泣き顔が笑顔になるのなら。その笑顔が続くのなら。
それを守るのが私の生きる意味。
空から降るネオンは冷たくて。切なくて。
自分を守るように抱えた手。
街のゴミ箱の中には誰かの色褪せた夢の数々。
人混みの中でも誰もいないようで。
足跡が汚すグレーの歩道が見ていて苦しい。
聞こえるのはたった2つで2つもあって。
ひとつは君の。
ひとつは私の。
でも少しだけ守りたくて重ねる。
どんなカメラを使ってもきっと。
心の中まではピントは合わない。
そう信じていたのにーー
言わない言葉は聞かない、
でも涙が枯れるまでは手は離さないから。
君の「幸せ」の言葉だけで。
いつも私は笑顔になれる。
君だけでも守りたくてーー
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悲しさが生んだ涙に追い打ちをかける誰かの正しさ。
この世は正論が正義と言わんばかり。
ひとつだけ
キミを守る形があるならばそれが優しさ。
キミの嫌いなあいつも、あの人も。
大切な誰かのミライズを守るために自分を正論で落とし込んで傷つけて、傷を負ってるのかも。
闘うことは悪か正義か。
キミも自分も隣の誰かや赤の他人のせいにした。
街の光の白、黒、黄色。
流す血の赤。
混ぜる優しさはまだ足りないのかな。
世界の裏側までは絶対に見れないけれど。
せめてキミだけは、君だけはそこにいてよ、
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キミが「幸せ」って言う一秒が作れたら。
自分はそれだけで幸せで笑顔になれる。
君が「幸せ」って言う一秒でも一緒に過ごせたら。
私はそれだけで幸せになれる。
その泣き顔が笑顔に変わるならそれがきっと私の、自分の生きる意味。
読んで頂きありがとうございました!