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#2 地球
ここが、地球。
あれから150年経っているのだ。いくらメカトピアの歴史が改変されたって、地球の歴史には微塵も影響がない。
メカトピアとさほど変わらない風景だった。すこしばかり、メカトピアの方が遅れている。それぐらいの、小さな差。機械的な風景が広がっており、資料で見た、緑であふれかえる風景はもうない。
そうだ。ドラえもん、というロボットの存在を思い出す。ドラえもんは1世紀後から着たのだ。頑張れば、見つけ出せるかもしれなかった。
リルル。
改変前は、地球へ送り込まれたスパイだった。だけど、今はロボットのため、観光案内をしていたロボットだ。今はもう____
ロボットだと怪しまれないために、リルルに使った最高の技術。その技術は一般的になり、やがてロボットたちは人間と似たような姿になっている。
「すみません」
脳内でさっと翻訳してからたずねる。
「はい、なんですか?」
試しに女性に聞いてみる。
「えっと…ドラエモンって知っていますか?」
「どら……?知りません」
「そうですか、ありがとうございます」
その後、アパートの管理人にも聞いてみた。
「ドラエモンって、ここに住んでいませんか?」
そう聞くと、管理人は驚いていた。
「はい、お知り合いですか?」
事情を話そうか。いや…
「ちょっと言いにくい間柄で」
そう言った時、青いロボットが通った。なんという偶然!
「すみませんっ、ドラエモンさん、ですか?」
「まあ、僕がそのドラえもんだけど」
ドラえもんはびっくりしていた。
「メカトピア」
そう言うと、またドラえもんは驚いた。そして、興奮気味に言った。
「鉄人兵団の?リルルの?ピッポの?ザンダクロスの?」
「本人ではないんですが…。わたし、その末裔…血はつながってないんですけど、メカトピアから来ました。歴史調査の一環で、ドラえもんさんたちをたずねようと思いまして」
「へぇ、メカトピアにも宿題ってあるんだ。のび太くんだったらすぐ投げ出すよ」
ちょっと話そうよ、とドラえもんは部屋に誘ってくれた。
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「へえ、じゃあ、このロボットが…人間そっくりだけど?」
男の子が住んでいるアパート。その横で、「そうよね、」と黄色いロボットが言う。
「あ、あたしドラミ。妹よ、よろしくね」
「僕はセワシ。鉄人兵団、だったっけ?を倒したって言ったらあれだけど…その孫の孫」
「わたしはハルテ、メカトピアから来ました。1ヶ月ぐらい、地球に滞在します」
そう言うと、「じゃあここに住んできなよ、」とドラえもんが言った。ということで、わたしはここに住むことになる。