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ミステリーと潰れる舞台 中編
「わたしたちが積極的に通い詰める。ネカフェにパソコンがあるから、そこで広く宣伝をする。もうすぐ給料日だもの、多少のお金はあるし、それは本部が負担してくれるわ」
「本部!?」
境界の図書館に、本部なんてあるのか。だいたい、その本部というやつの収入源は…と言いたいところだが、今はそれどころじゃない。
ページを遡る。何やらフークがパソコンを操作し、「カチーン」という音とともに、札束が出てきた。レジのお釣りを払うときのあれみたいだ。その札束を、彼女は使い慣れたように持つ。
「札束…」
「これぐらいあればいいわ。別に特別豪華な服じゃなくてもいいの。できる限り、チップとか、お釣りはいらないとか、いろいろ誤魔化してこれぐらいを残す。大丈夫よ、本部は大金持ちだから」
「はぁ…というか、黒いセーラー服姿の少女と、メイド服にエプロン姿の少女と、謎のロボットが来店してきたら、それはそれでまずいんじゃない?」
「ああ、まあそうね。ログは…外で待っといて。わたしは貴方の服を借りるわ」
ということで、『境界の図書館』というだけあり、境界の図書館とわたしの距離の境界を操って、すぐに家につく。
うげ、めっちゃしわくちゃじゃん。これはアニオタっぽいし。これはこれで良いんだろうけど…。
「おまたせ」
「うわ、黒のジャージ?」
「何が悪いの」
学校指定の黒いジャージ。まともなのがこれしかなかったのだ。でも、三つ編みがいっぱいのおしゃれな髪型に、このジャージは不釣り合いかもしれない。
「いいからいくよっ」
そう言って、わたしは一番最初に飛び込んだ。
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例のネカフェ。ごくよくある、ふつうのネカフェなのだろう。わたしはせいぜい、漫画喫茶ぐらいしか言ったことがないが、それと同じ類と見て良さそうだ。
「いらっしゃいませ___」
女性店員は、ハッと驚いていた。なにせ、中1ぐらいの少女ふたり(しかも、根暗そうなやつと、それに似合わない不釣り合いな格好の子だ)が初めての来店なのだ。
「初めてのご来店ですか?」
「はい、今から会員登録をするところです」
そう言って、フークは淡々と会員登録をこなした。メールアドレスは、多分捨てメアドだろう。
「では、ごゆっくり」
「ここはドリンクのサービスが別途料金タイプのやつね。これで、きちんとおさめれる」
というフーク。とにかく、わたしとフークは隣になった。できる限りパソコンを使え、と言うので、いろいろとネット小説を熟読した。とある小説投稿サイトのやつを読んでいたが、意外と面白い。素人にしては上出来だ…と言いたいところだが、自分は書けないので言えない。
お借りした作品:〖221B室のシャーロック・ネトゲ廃人。そして、事件〗
作・某探偵(ABC探偵)様
リンク https://tanpen.net/novel/fb10df8b-acd0-4d2c-a822-48856fa85d40/