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適当な腐(腐女子の日常…?より)
私は、昼休みに男子がちょろっと遊ぶとこを見て楽しみ、自分は何も遊ばないという腐女子である。
私は今日、見てしまった。WがKと、ドッヂボールの輪を抜けて二人できゃっきゃしてるのを。
始まりはそう、イタズラに過ぎなかった。
WがKの後ろにつきまとっていた。Kがやめろって言うんで一回食い下がったWだが、やっぱ彼はかまちょなので、諦めれずにつきまとう。何度もそれを繰り返していた。
4回目、堪忍袋の緒が切れたKは、マジでやめろとでかい声を出した。いつも静かな彼には考えられない声だった。一瞬しんとしたように感じたグラウンドだが、すぐに賑やかさを取り戻す。Wは目を丸くして、ごめんとなんども謝る。Kも、言い過ぎたとバツの悪そうな顔をしてドッヂボールの輪でまた遊びだす。
しばらく見ていても、Wの顔は晴れない。それを察したのか、Nがそっとそばに行きふざけて笑わせる。こういう時って友情見せつけられるよね。複雑そうな顔をしてKも見ていた。そして、うつむく。どことなく 二人に不穏な空気を感じて、何かできるわけでもないのに私があたふたする。Cも真剣にこの状況を見ていた。
気づくと、KはWのそばで、こう言っていた。
「おい、ぼーっとしてたら当たるよ」
普段通り接してもらえて、なんだか嬉しそうな顔をしたWをそっちのけで、投げられた球をキャッチし楽しげに投げ返すK。
私とCはほっこりしたし安心した。
WがまたKにつきまといだして、今度はKが、楽しそうに逃げる。こうして、キャッチボール中の二人だけの空間が成立してしまった。
私はグラウンドが白浜に見えた。海沿いの砂浜を追いかけっこしながら走るカップルのように。
Cに言ったら、
「潮風が気持ちいいですなぁ」
と返されて、そうですなぁと遠い目をして語った。